本紹介27『さざん、くろーす』
本紹介27広野安人著『さざん・くろーす 広野安人戯曲集』 (1996/5/22)の表紙、裏表紙、扉絵、挿画のイラストで椿を描いています。
(裏表紙、扉絵、挿画のイラストは追って掲載します。)
いつからか、椿を好んで描いてきました。たくさんの種類のあるなかで、私の椿は「やぶ椿」です。その花のたたずまいが好きなのだと思います。
私の住んでいるところから少し、といってもある程度山の奥の方に入った場所に「椿山」があります。
はじめてその展望台に行った時、私は一人でした。はるかな峰々にかこまれた静寂のなかで、鳥のさえずりだけがきこえました。空と山と私だけの世界でした。
その時の感動で、私は「椿山」シリーズの絵を数枚描きました。なかでも一番気に入っているのは、犬(ラブラドール・レトリ-バー)の三太が、あの時の私と同じように、展望台をながめている絵です。
さんたの「椿山」です。
犬の三太は夜寝る時も、私といっしょに二階の寝室へいきます。そして私のベッドの横に三太の布団を敷いて、そこで寝ます。
けれど、三太は時々私の知らない間に、南の山の奥の方にある「椿山」へ遊びに行っていると思います。
「椿山」への道は、ごく普通の車も通れる山道ですが、途中で突然ゴールデン・レトリバーの子犬が現れ、親しそうについてきたりします。
また少し広い谷間では、野生のサルの一団が、気ままに遊んでいる時もあります。野うさぎが横切ったりすることは珍しくありませんが、キジが歩いているのに出くわした人もいます。
そんな道を通りながら「椿山」へ着くと、ぽっかり開けた展望台があります。
誰もいません。空と山の峰々、鳥の声。そして遠くを見ているのは、三太です。
→「椿」もどうぞ
→「樟の風影」の表紙絵、2011年カレンダー→「私の散歩道2011~犬・猫・ときどき馬~」の3月、ブログの→「ジェリーと椿」、2009年カレンダー→「私の散歩道2009」の表紙絵もどうぞ。
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