向日葵とジョバンニ2
向日葵とジョバンニ2
向日葵と家で元気にしている小さい頃のジョバンニです。
子猫の名前はジョバンニです。
もう27、8年前になりますが、一度だけ、小さな娘と二人だけで映画を観ました。神戸の三ノ宮でみたのは、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」です。今のジブリ作品にも劣らない美しい映像だったと記憶しています。ただ、何故か主人公の少年たちの顔が“猫”でした。
少し大きめの耳をもった黒い子猫を見た時、その少年の顔を思い出しました。カンパネルラとジョバンニ。結局、死んでしまう少年の名前ではなく、病気のお母さんのためにミルクを買いに懸命に走る少年、ジョバンニの名前をもらいました。
五匹の子猫のなかで、いつも他の猫たちにはじき出され、お母さんのお乳があたらなかったかわいそうな子、それがこのジョバンニです。そのため、それぞれがしっかりと歩き始めた頃も、一人おぼつかない足どりでヨタヨタしていました。
けれど、転機はいつか訪れるものです。手作りの離乳食を与えると、いつもおなかをすかせていたジョバンニは、誰よりも早く、そしてたくさん食べ、みるみる大きくなりました。
今では筋肉質のしっかりした体型で、ビロードのような美しい毛なみの黒猫になりました。元気一杯で、いたずらや悪さをするのは、たいていジョバンニと決まっています。それでも、一番気が弱いところ、一番寂しがり屋であるところは、小さい頃と少しもかわっていません。
他の兄弟たちを、よろよろヨタヨタ追いかけていた姿が今でも忘れられず、この子をお母さんのもとに残してよかった、とつくづく思います。
→「向日葵とジョバンニ」、「モンド通信」の私の絵画館の→「向日葵とジョバンニ」でもどうぞ。
→「小島けい個展 2009に行きました。」(2009年9月25日)
「私の散歩道2011~犬・猫・ときどき馬~」8月