2018年個展のご報告

9月14日(金)

2018年の個展が始まりました。12日(水)からすでに始まっていますが、私は14日(金曜日)羽田から直行で、Cafe & Gallery「ルーマー」に入りました。★ 続きは題をクリック ↑

1年ぶりの「ルーマー」では、40年来のお友だちが、千葉から来てすでに待っていてくれました。

会うなり1年間たまっていたお話を聞き続けていると、<あちらでもずっと前からお待ちですよ>とオーナーの映子さんが教えて下さいます。

<えっ?>と奥を見ると、ダックスくんと飼い主の美晴さんが座っておられました。<ああっ、ごめんなさい>と正面からご挨拶に行くと、いつものようにワンワンワンワン!!とダックスくん。

そこで作戦をかえ、後ろ向きのダックスくんを知らんふりして抱きかかえると、しっかりOKです。

(ダックスくんの画像)

<お二人>(人と犬)とも元気でよかった。

午前中に届いていた花かごに、お二人の花が加わり、ギャラリースペースにピンクの優しい雰囲気がただよっています。皆様、お心遣いありがとうございました。

夕方には、たくさんの個展案内をお送りしてきっとご迷惑をかけたであろう81歳の関根さんが、顔をみせて下さいました。ご自分が描かれた最新作の、大きな動かない鳥(ハシビロコウ)の迫力ある絵を見せてもらったのですが。その絵の写真をお友だちに送る時、私の個展案内も一緒に入れて下さったとか。ほんとうにありがとうございます。その関根さんが帰り際に、ざっと絵を見渡して<こんなことを言ってはおこがましいけれど、去年よりレベルアップしているネ>と言われました。嬉しい!

暗くなりかけた時、昨年お会いした素敵なご夫婦と詩ちゃんがご来店。昨年は全くの赤ちゃんだった詩ちゃんが、元気に成長して一生懸命言葉をしゃべろうと声を出す様子が、とても愛らしかったです。

お二人は、今回も<やっぱり小島さんの絵はどれも優しいなあ・・・・>と言って下さいました。

それぞれご自身でも絵を描く方達からそんな風に言っていただくと、1年間の孤独な作業が少しむくわれたような気がして、来年もがんばろう!と思いました。

 

9月15日(土) 雨

今日はあいにくの雨でしたが、午後には<猫&馬友だち>が、猫好きの方と二人で横浜から来て下さいました。

彼女はもともと片目の<ゆきちゃん>の絵がご縁です。昨年も個展に来られるよう段どりをつけて下さったのですが、急用でだめになり、2年ぶりの再会です。でもそれはお医者様という職業柄、仕方ありませんね。

(ゆきちゃんの画像)

彼女とはたまに電話で話すこともありますが、実際会うのは1年に1回このルーマーで、ということになります。

ただ、その時に人生の大きな出来事をさりげなく告げられるので、<ふーん、そうなんだ>とふつうに答えて、一瞬後にぎょっとして<えっ?>と聞き返すことがあります。

今年も、彼女から人生の大きな決断を教えられましたが。きっといいことなのだと思えるので、来年から始まる彼女の新しい生活を、心から応援したいと思いました。

その後、りんちゃんとすずちゃんと飼い主さんがご来店。そして、さらにとても素敵なお二人を紹介して下さいました。

(りんちゃんとすずちゃんの画像)

 

お一人は、毎年出かける海外旅行の旅友だそうで、以前ゴールデンを飼っておられた方です。その子が九歳で亡くなったそうで。

(ゴールデンの画像)

 

ラブラドールの三太を八歳で亡くした私と、どちらも早すぎだよねえと、いろいろお話させていただきました。

もう一人は、ドッグ・シッターをしている方です。りんちゃんとすずちゃんも、ダックスくんもお世話になっているということで、いろいろつながっていきます。

以前はアイリッシュセッターを飼っていて、今はサルーキ犬とチワワとご一緒。また耳が後にひっくりかえった種類の猫ちゃんも、飼っておられたそうで。少しお話しただけで、根っからの動物好きとわかります。

(アイリッシュセッターの画像)

ペットホテル等と違い、ふつうに家に居るような感じで預かってもらえるそうで。三太の時も、こんな方がいて下さったらなあ、と思いました。

 

9月16日(日)

今朝、ルーマーに着くと、すでにお隣の家の三川さんが待っていて下さいました。

彼女は84歳。週に1度のマージャンやお友だちとのお出かけで、また長く山登りをしておられたこともあって、(少々耳は遠いのですが)お体もおしゃれも万全です。時折<ルーマー>で催される洋服や小物のイベントで素敵なお気に入りを買って、上品に上手に着こなしておられます。年を重ねるならあんな風に、という私のお手本です。

その彼女は、2年前<ニモと傘>という猫の絵を買って下さいましたが、今度は<私は戌歳だから犬の絵はないの?>と聞かれます。

(ニモと傘の画像)

今年はどちらかというと犬の絵より猫の絵の展示が多かったので、犬のカードを集めたアルバムを見ていただきました。すると、三太の<夏の朝>という絵を選び、<この絵がいいわ>と言われます。

(夏の朝の画像)

<じゃあ、来年実物を個展にもってきますから、それを実際に見てお決め下さい>というと、<大丈夫。お金を先に払うから、後でこの絵を送ってちょうだい>とおっしゃいます。そして、今日は今からお友だちとバスを乗り継いで東京駅までおでかけなの、と楽しそうに出かけられました。

お昼ころには、アリスくんとクリスくんをそれぞれバッグに入れて抱えたご夫妻がいらっしゃいました。<わーい、待ってたよ>と、さっそくあまり抱かれるのが嬉しそうでないクリスくんを抱っこしていると、奥様が「三太と海」の絵の前で、<この絵を家に飾りたいと思うのだけど、いいですか?>と聞かれます。<もちろん私の方は嬉しいですけど、絵の中の犬はラブ(ラブラドールレトリーバー)で、マリスくんたちの犬種とちがいますが、いいんですか?>と確かめると、<ええ、いいんです。前にこの絵を見た時も気になっていたけれど、今回また見て、やっぱり飾りたいなあと思ったので・・・・>とおっしゃいます。

(三太と海の画像)

 

そこで、ご縁をいただいた<三太と海>は最終日にお渡しすることになりました。<月に眠る>という絵に続いて、また三太が入っている絵がお世話になることになりました。マリスくんクリスくん、よろしくね。

(月に眠るの画像)

実は<三太と海>は、<ルーマー>での個展の1年目に展示した作品でした。その年来て下さった福岡の獣医さんも、この絵いいなあ・・・・と気になっておられたのですが、結局その年は病院で飼われていた<ショウ子ちゃん>という犬の絵を描かせていただくことになりました。

(ショウ子ちゃんの画像)

そして、今年久しぶりに展示してご購入ということになりました。なるほど、何回か見ていただくということも必要なのだなあと、展示する作品の選び方の1つのヒントとなりました。

今日はさらに嬉しい出会いがありました。

今年はモクちゃんの絵を展示しているわけではないので、来ていただくのは無理だろうなあ・・・・と考えていたのですが。そのモクちゃんの飼い主さんご夫妻がきて下さいました。モクちゃんは体調が心配でお留守番ということで残念ですが、今年もお二人にお会いでき、嬉しい限りです。

(モクちゃんの画像)

昨年9枚おわたししたモクちゃんのカードが、皆さんにあげてしまってなくなったから買って帰ると言われるので、<やめて!宮崎に帰ったらすぐにお送りしますから>とお話しました。

また、ご主人の職場には、競馬をするわけでもないのに馬が好きな方がおられるそうで、とりあえず馬のカードを5枚選び、渡してもらうことに致しました。

(馬の画像)

そうして、ちょっと席をはずして店にもどると、なんとモアくんの飼い主さんが来ておられました。

モアくんと娘さん

 

モアくんが何年か前に亡くなったと聞き、強くお誘いするのをひかえていましたが、ゆずくんという新しい犬ちゃんと出会い、すっかり以前の明るい彼女にもどっていました。

モアくんとそっくりなゆずくんが、彼女の元気をとり戻してくれたようで、ほんとうによかったです。

できれば日曜日にもう一度会いにくるね、とお約束して帰られました。

9月17日(月)、
9月18日(火)は、ルーマーのお休みの日。

9月19日(水)

ルーマーに着いて間もなくドアのガラス越しにカートに乗った二匹の姿が見えました。<えっ?まさか>と思いましたが、やっぱり、懐かしい朔太郎くんと蓮太郎くんです。

(朔太郎くんと蓮太郎くんの画像)

モクちゃんのご夫妻と同じように、今年は二匹の絵があるわけでもなく、ましてや遠い群馬に引っ越しされたので、きっと無理だろうと思っていましたが、奥様が一人で、二匹をつれてやってきて下さいました。なんと途中で事故渋滞に巻き込まれ、2時間もかかったとか。ほんとうにありがとうございます。

思えば3年前、お食事されている横で、きちんと座ってプレートのカボチャを待っていたのが、朔ちゃんとの出逢いでした。

絵のご注文をうけ、何の背景で描きますか?とお聞きしたら、ベッドとカボチャが大好きなので、それで描いて下さい、と言われました。

(朔ちゃんとカボチャ)

 

それまでは装画で花の絵を描いていた流れから、季節の花とくみあわせることが大半でしたが、このご希望をきっかけに、飼い主さんのお好きな背景を、何でも承ることにしました。きっとそのほうが喜んでいただけると思ったからです。

この日ルーマー宛てに、宮崎から荷物が届く予定でした。その中には、小さな庭の畑でできたカボチャが入っているはずです。

そのカボチャは普通の丸いカボチャではありません。ひょうたん型のカボチャです。2年前の夏、何を植えても猛烈な蚊と暑さのせいで大変なので、相方はあきらめて夏の間は何も作らないことにしました。

すると土に埋めた生ゴミの種から、カボチャが枝を延ばし、庭一面はもちろんのこと周りの樹々にもツルをのばし全てがカボチャ畑になりました。そうして、たくさん実ったカボチャが、通称ピーナツカボチャ(?)とよばれるものでした。

二人では食べきれず娘に送ると、数日後興奮した声で、<同じカボチャが信じられない値段で売られている!>と知らせてきました。

いくら都会とはいえ<ホンマかいな>と笑って聞いていたのですが。今回東京に来て、自分の目でその値札をみてビックリ。こんな貴重品なら、皆さんに食べていただこう。そう思って至急送ってもらうことにしたのです。

そして、ちょうど荷物の着く日にカボチャが大好きな朔太郎くんが現われました。

<夕方に時間を指定してしまったから、お帰りの時間には間に合わないよねえ>とあきらめかけていた時、予定よりずいぶん早くに荷物が到着。一番大きなカボチャを飼い主さんにお渡しすることができました。

そして、次に大きなカボチャをオーナーの映子さんにさしあげました。そのカボチャが料理上手の彼女によって、翌日絶品<カボチャスープ>になったのは、いうまでもありません。

 

9月20日(木) くもり 午後雨が降り出す。

今日はお天気のせいもあり、お客様も少ないのですが、午後3時頃から10人程で、お誕生日会があるとのこと。雨の中ぽつぽつ皆さんが集まってこられます。

中にはチワワとダックスのミックス<もふくん>も一緒です。皆さんは全員がそろうまで<わあ、かわいい!>と絵やカードで大盛り上がり。

こんなに喜んで見ていただけるのならと、全員にカレンダーをさしあげることにしました。

 

9月22日(土)

昨日は一日中雨で、極端にお客様が少ない日でしたが、映子さんは土・日に備えて黙々とお料理の下ごしらえに専念。私は私で、ブログに載せる原稿を書いてすごしました。

そして、ようやく今日は晴れ。お昼にはまた、りんちゃん、すずちゃんと飼い主さんが来て下さいました。

帰り際、散歩がてら途中までお見送りしました。飼い主さんは絵の背景にメキシコの太陽とウチワサボテンと柱サボテンを希望されたのですが、それは以前メキシコに長い間住んでおられたからでした。

その時に習得したスペイン語、ポルトガル語の知識をいかし、現在は外国主に中南米からやって来た子供たちに、日本語をおしえておられるそうです。

ずいぶん外国人が増えたこの頃、そしてもっと増えるだろうこれから、そうした活動はますます重要になだろうなあ、と思いました。そして、詳しいお年はわかりませんが、年上であるにもかかわらずお元気でハツラツとしていらっしゃる理由が、ちょっとわかった気がします。

お昼頃には、昨年お会いした四国在住の猫派の方が、立ち寄って下さいました。忙しいあい間の短い時間でしたが<今年は猫の絵が多いと個展案内に書いてあったので>とわざわざ来て下さいました。お家の3匹の猫ちゃんたちも皆元気とお聞きして、同じく3匹の猫と暮らす私も、安心しました。

 

9月23日(日)

くもりや雨の日が続いた後の日曜日。朝からドッと犬ちゃん連れのお客様がいらっしゃいました。

新しいお客様たちに加えて、毎年来てくれる若いお友だちが何人も、そして2回目になるダックスくんと飼い主さん、さらに元モアくんの飼い主さんがモアくんとそっくりの<ゆずくん>をつれて、再び会いにきて下さいました。

カフェスペースにどっかりと寝そべっている姿があまりに似ているので、つい間違えて<モア>くんと呼んでしまい、<あのう、ゆずくんですけど>とその度に飼い主さんに訂正され、周りのみんなも大笑いです。

この混乱のなか、お知りあいの方たちが仙台からもいらして下さいました。お二人は動物が苦手なので、犬たちがすぐ近くのあちこちにいる空間に、こちらが申し訳なく思ってしまいます。学会の帰りということで、大きなトランクを汗だくで運びながら来られました。遠い所を、ありがとうございました。

夕方、ようやくお店が静けさをとりもどした頃、95歳のお父様をつれた娘さんが入って来られました。<しばらく前から施設に預けているけれど、今日は気分転換にカフェにつれてきました>とのことです。

お父様は気分がいいのか、おいしそうな野菜ピザをしっかり食べ、デザートのアイスクリームも完食されました。

こんなに機嫌よく食べてくれるのは珍しいです、と娘さんもほっとしておられます。ただ一皿のピザはお二人では食べきれないので、隣のテーブルにいた私も、おすそわけをいただきました。ごちそうさまでした。

私の父はずいぶん前に亡くなりましたが、もっと長生きしてくれていたら・・・・とお二人の姿に自分自身が重なりました。

怒濤のような晴れた日曜日が終わり、あの雨の日の映子さんの下ごしらえは、すっかり報われたんだ、と実感しました。

今年の個展は、こうしてにぎやかな最終日で、楽しく終了です。

いろいろ助けて下さった皆様、ご来店いただいた皆様、そして犬ちゃんたち、ほんとうにありがとうございました。
そして、また来年・・・・!

最終更新日: 2018年 12月 22日 10:29 AM   カテゴリー: 個展
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