私の絵画館:観覧車Ferris Wheel(2022年1月20日)
「続モンド通信38」(2022/1/20)
昨年、念願だった回転木馬(カルーセル・エルドラド)を描くことができました。
長い間、なにげなく見ていた木馬たちでしたが。いざ描こうとよく見ると、どの馬もそれぞれ表情、形が違っていました。
馬は、すべて職人さんたちの手作りと知り、作り手の方たちが、一頭一頭に込められた思いを感じました。
なかでも髪の毛の形で、一頭だけ異なる馬がいました。他の馬たちの前髪は、みんな横分けになっていますが。その馬の前髪だけは、前に下げてありました。
そこには、おそらく職人さんの特別な想いがあったのだろうと敬意を表し、絵の中では一番目立つ位置(右端)に描きました。
そのような発見もしつつ、楽しく同時にいつものように苦しみながら、絵は完成しました。
カレンダー「私の散歩道2021~犬・猫ときどき馬~」表紙
その後少しホッとして、さて次の表紙は何を描こうかな?とぼんやり考えていると、娘がさらりと“メリーゴーランドの次は、観覧車でしょう”と言いました。
私の場合は、自分が描くので、なるべく描き易い題材を選びがちですが。彼女は、自分自身が描くわけではないという無責任さから、いつも軽く、そして適切な一言をくれます。
“そうか、やっぱりそうなるよねえ”と思いながらも、具体的にはしばらく筆を取れませんでした。
2、3年前。東京での個展の後、娘と一緒に名古屋に行き、一泊しました。
その時、久しぶりに間近に大きな観覧車を見ました。時間的に余裕がなく、乗ることはできませんでしたが、そのイメージだけは残りました。
あのような大きなものを、小さなカレンダーの表紙という小さな枠に、どうやっておさめるのだろうと思いつつ、時間がすぎました。
いよいよ〆切りが迫ってきた時。西宮に住んでいた子供の頃、両親と大阪のデパートに出かけた時は、いつも必ず屋上の遊園地で遊んだことを思い出しました。
デパートの屋上にあったようなかわいい観覧車に、動物たちを乗せてあげたら、きっと楽しいだろうなあ・・・。
そんな思いから、2022年の表紙の絵ができました。どの子をどこに乗せてあげよう、と考えながらの作業は、とても楽しい時間でした。
楽しそうな絵を、カレンダー会社のデザイナーさんが、いつものようにさらに楽しく仕上げて下さいました。
カレンダー「私の散歩道2022~犬・猫ときどき馬~」表紙
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