個展報告・11月の絵画館①~⑤
個展のご報告・11月の私の絵画館<モクちゃん>①
ご報告が遅くなりました。
2017年の個展を、無事終えることができました。皆様のお力添えのおかげです。ありがとうございました。★ 続きは題をクリック ↑
「ルーマー」での個展も5年目となりました。毎年11月にしてきましたが、今年は9月に変更しました。
実は昨年11月30日に、家にいる4匹の猫のなかで最年長の<ノア>という子が亡くなりました。1年間病気と闘い、見事な最期でした。
<ノア>↓
(2018年カレンダー1月に収載)→「ノアです」
犬も猫も、人間よりずっと小さい体なのに、どうしてあれほどりっぱいに生き抜くことができるのだろうと、ぼんやり思い出していた時、<せっかくノアがくれた時間だから、大切に使ったら。9月なら長い期間猫(3匹)の世話ができるから>と、相方が言ってくれました。
その一言のおかげで、11泊12日の東京滞在が実現しました。
結論から言えば、前半の土・日は大型台風が来る!ということで、犬ちゃんたちとの出会いは少なかったのですが。あの日あの場所にいたからこそ会えた素敵な方たちとの出会いがありました。
9月15日(金曜日)
この日はまだ本格的に雨が降っていたわけではありませんが。関東の方までやってくる台風は珍しく、皆さん台風にそなえてか、あるいは何もこんな時に散歩しなくてもと思われたのか、犬ちゃんたちは姿を見せませんでした。
お天気ばかりはどうしようもないし、外は暗くなったしと帰り支度を始めた時、<今からでも食事できますか>と若いご夫婦が入ってこられました。
赤ちゃんのカートを置きやすいようにギャラリースペースの席に座られたので、食事ができるまで絵を見ていただいたりしていました。
赤ちゃんは正真正銘(?)の赤ちゃんで、まだ2ヶ月。そしてご主人はパソコンで絵を描いておられること。奥様は目を痛めて仕事をやめたけれど、以前はテレビのディレクターをしておられたことなど、ぽつりぽつりお話している間にわかりました。
私が、常々パソコンを使うと細い線などもきれいに描けるのでうらやましく思っているとお話すると、ご主人は<確かに便利な面もあるけれど、こういう柔らかい優しい感じは、やはり手描きでないと描けません>と、飾ってある絵を見ながら言われました。
さらに、お会いできて嬉しかったからとカレンダーをさしあげようとしたところ<こんないい作品はお金を出して買わないと>と言って、カレンダー1冊とカードを1枚買って下さいました。
若いのにとても落ち着いた素敵なお二人に出会えただけで、今日一日お店に居た甲斐があったなあと思いながら、帰路に着きました。
ちなみにその1枚のカードは、<旅する子猫3―ニモと傘>でした。
<旅する子猫3―ニモと傘>↓
(2016年カレンダー6月に収載)
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個展のご報告・11月の私の絵画館<モクちゃん>②
9月16日(土)
今日も台風のため、犬ちゃんたちとの出会いは少ない一日でした。けれどオーナーとお知り合いの楽しいご夫婦と会うことができました。
そのご主人は、以前犬の「自動エサやり機」を作られた方でした。そして今は「猫の自動トイレ掃除機」を考案中だとか。
ご主人はれっきとした<犬派>なのですが、これからは猫の時代になると考え、たくさんの猫の本を読んで研究を重ね、猫が年を重ねると尿の問題を抱えることを知りました。そこで、掃除だけでなくその回数等を飼い主の携帯に報告していち早く病気を知らせるという、画期的な物を作ろうとされていました。
確かに家にいる三毛猫の<ぴのこ>はとても神経質で、トイレの砂がきれいでないとオシッコをしに来ても、プイッとやめて行ってしまいます。
猫にとって、トイレが清潔であることはとても大切なことだと実感していましたので、そのことをお話すると、ますます実現化への意欲が増したご様子。
ところで何時完成するのですか?とお聞きしたら、研究には莫大な費用がかかるので今から資金集めです、とのことでした。
私には雲をつかむようなお話ですが。ご主人はしごく真面目に考えておられるので、そう遠くないいつか、長い時間お留守番をしている猫たちが、いつも笑顔で気持ちよくオシッコできる日がくるだろうなあと思えるのでした。
<ぴのこ>↓
(2010年カレンダー表紙に収載)→「梅とぴのこ」
9月17日(日曜日)
今日は朝からいろいろ用事をすませ、さあホテルを出ようとした時、オーナーの映子さんからお電話。
毎年大阪から来て下さる若いお友だちがもう「ルーマー」に到着。そして飛行機の時間が迫っているので長くはいられないとのこと。結局、今年は慌ただしくお電話でお話するだけになってしまいました。ほんとうに、ごめんなさい。
特に土・日は、これからもっと早く「ルーマー」に行き、お客様をお出迎えしなければ・・・・と反省しました。
ようやくお店に着くと、以前「月に眠る」という絵をごお購入下さったご夫妻と犬のマリスくん・クリスくんがお食事中でした。毎年お会いしていますが、1年ぶりの再会です。お兄ちゃんのマリスくんは人に慣れていますが、弟分のクリスくんはまだあまり慣れていないそうで、飼い主さんとしてはもう少し人に慣れてほしいということでした。
そこで本人に気付かれないように(?!)上手に抱かせてもらいました。それでもさすがにクリスくんは途中で、あれっ?いつも抱いてくれている人ではない!と気付き体を硬くしていましたが、黙って我慢していてくれました。
しばらくして下に降ろすと、ひどくせかせかと水を飲んでいましたので、人知れずずいぶん緊張していたのでしょうね。ごめんね、クリスくん!
この日は台風一過で、さらにサプライズの静岡県からのお客様もいらして下さったり。久しぶりに大にぎわいの一日となりました。
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個展のご報告・11月の私の絵画館<モクちゃん>③
18日・19日(月火)は定休日でしたが。18日の月曜日は祝日でしたので、お店が開いていると思ってタクシーでかけつけて下さった方や、電車で途中まで来て電話を入れて下さった方がいらっしゃいました。もっと定休日が目立つようにご案内しなければ、とこれも今年の反省材料です。皆様、ほんとうに申し訳ございませんでした。
「月に眠る」↓
(2011年カレンダー11月に収載)→「三太とイチョウ(元の題)」
9月20日(水曜日)
知りあいのお客様のご来店は土日が多いので、黙々と作業をしていた午後、ドアの外に懐かしいお顔が。<世田谷から群馬県に引っ越しをして遠くなったので、今年は行けません>とお聞きしていたサクくん・レンくんとご夫妻です。高速を使い2時間かけて来て下さいました。
実は、ご夫妻はまだ完成した絵を見ておられません。カレンダー会社に画像を送るギリギリ直前まで、絵の描き直しをしていたため、そのままギャラリーに飾らせていただいたのです。
これは私だけかもわかりませんが、モデルが1匹の絵を2枚描くのと、モデルが2匹の絵を1枚描くのとでは、後者の方がはるかに難しく時間もかかってしまいます。
今回も、サクくんの方は1回の書き直しですぐご満足いただけましたが、レンくんの表情には悩みました。
私が参考にしたのは、去年「ルーマー」で撮った何百枚もの写真から選んだレンくんでした。ところが、その表情は家にいる時のレンくんとは違っていました。何しろ弟分のレンくんは家ではまったりくつろいで、甘えん坊の顔をしており、その表情を飼い主さんは望んでおられました。
ところが、慣れない場所で知らない人が撮っているカメラを見るレンくんの目は、ビックリして見開いている写真ばかり。
結局、再度送られてきた新しい写真を使って全く違う2枚目の絵を描いたりもしましたが。やはり1枚目の絵が二匹の雰囲気がでているということで。レンくんのまぶたを微妙に描きかえることで、何とかご了承いただきました。
2匹以上を1枚に描く難しさを、昨年の4匹(ツキちゃんたち)に引き続いて再認識した1枚となりました。
<ツキちゃんたち> ↓
飼い主さんとは2枚目の絵のご縁で、4回目の再会です。1枚目はサクくんとベッドとカボチャでした。それまで装画を描いていた流れで、花と組み合わせることが多かったのですが、この絵を境に、皆様のお好きな背景をお聞きして描くようになりました。
懐かしく楽しくお話させていただき、アッという間に時間がすぎました。
遠い所を、ほんとうにありがとうございました。
<サクくん・レンくん>↓
(2018年カレンダー9月に収載)
<サクくんとベッドとカボチャ>
(2016年カレンダー10月に収載)→「新作:朔太郎くんとかぼちゃとベッド(元の題)」
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個展のご報告・11月の私の絵画館<モクちゃん>④
9月23日(土曜日)
今日はお店も大にぎわいの1日。
そんななか、モクちゃんと飼い主さんが来て下さいました。ご夫妻は18日の祝日に、タクシーでお店までいらして下さったとか。改めて、すみませんでした。
飼い主さんとは3回目の再会ですが、モクちゃんとは初顔合わせ。犬種は確かにトイプードルのはずですが、通常よく見かけるサイズの3倍はある大きさです。奥様の膝の上に座るとドッカリと被ってしまう感じで、大笑いしました。
お預りした写真では比べる物がなかったので、私は普通のサイズと思い描きあげました。背景のご希望が、小さい頃から大好きだというスノーマンの毛布でしたので、全く不都合がなかったのは、幸いでしたね。
大きくても可愛いくて愛らしいのは、写真そのまま。普通サイズ(?)のりんちゃんすずちゃんと飼い主さんも加わり、話がはずみました。
<モクちゃん>↓
(2018年カレンダー10月に収載)→「モクくん(2017/3/4)」
大にぎわいが少しおさまった頃、横浜からカレンちゃんを抱いたご夫妻が来て下さいました。カレンちゃんが来てくれた!というのは、大きな喜びでした。何故ならカレンちゃんは腎臓の治療中で、お会いできるかどうかは体調次第とお聞きしていましたから。
今日も午前中に注射をして来てくれたカレンちゃん。それでも会えたのは、嬉しい限りです。
<カレンちゃんとイルミネーション>↓
(2018年カレンダー12月に収載)→「カレンちゃん(2017/2/5)(元の題)」
昨年は2回も個展に来て下さいましたが、それほどゆっくりお話できたわけではありませんでした。けれど今年は、とてもゆったりと絵やポストカードを見て下さり、いろいろお話もして下さいました。
ご主人が<花の絵と今描いている絵の雰囲気が全く違うけれど・・・・>と聞かれたことから、装画を描いていた話、横浜の街の話などになり。<そういえば「馬車道の女」という戯曲の装画を昔描きましたよ>というと、さっそく携帯で検索。あたり前ですが、瞬く間にその本が画面に出てきて。パソコンをよく知らない私としてはビックリ。描いた本人でさえ忘れかけていた本が<今もアマゾンで売られていますよ>と教えて下さいました。
「馬車道の女」↓
そうそう、マリスくんとクリスくんは今日もご来店。今日もクリスくんをけっこう長い時間抱かせていただきました。<一緒に宮崎に帰ろうよ>と本気で誘いたくなる可愛さです。飼い主さんも、最初に比べるとずいぶん抱かれるのに慣れてきた、と言って下さいました。今からもう、来年もお会いしてクリスくんを抱きたい!と思ってしまうほどの、あったかい優しい抱き心地でした。
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個展のご報告・11月の私の絵画館<モクちゃん>⑤
9月24日(日曜日)
今日が個展の最終日。
お店には<犬種がトイプードルのダックスくん>のお友だちが来ておられました。イタリアン・グレーハウンドという珍しい犬ちゃんです。少し前、ソファの上を軽やかに飛びはねるコマーシャルでその犬を見たことはありましたが、実際に会うのは初めてです。
走るために作られたような犬ですが、2匹はとても穏やかで優しい性格です。その2匹をなでさせてもらっている間に、ダックスくんと飼い主さんがかけつけて下さいました。実は、ご案内のハガキが遅くなったため、先週の木曜日にすでに1度いらして下さったのですが。まだ私が来ていないということで、2度目のご来店です。何度も足をはこんでいただき、ありがとうございました。
<ダックスくんとイチョウ>↓
→(2015年カレンダー11月に収載)
また今日は「ルーマー」では珍しい猫派のお客様もいらっしゃいました。香川県から遊びに来られたということで、お気に入りの猫のカードは、後ほどお送りさせていただくことにしました。
そろそろ外も暗くなった頃、ふらりと一人の男性が入って来られました。以前外に展示してある案内ハガキをご覧になり、本人が居る時に又来るよ、と話しておられた方です。
その方は、何十年も前から毎朝近くの大きな公園で犬ちゃんたちの写真をとっているそうです。そのたくさんのお写真の中には、八千草薫さんと愛犬の写真もありました。もちろん、八千草さんとご本人の2ショットもありましたよ!
たくさんの犬仲間がおられるということで、最初2~3枚の名詞と宣伝用のハガキをお預けしましたが。もう今日で個展も終わりだからと、最後はテーブルに置いてあった何十枚もの名刺とハガキを、そっくり全部お渡ししてしまいました。
彼はいいよいいよと嫌な顔もせず、受け取ってくれました。
<猫も私も元気で来年も個展ができたら、きっとお会いしましょうね>と言うと、<逝くとしたら僕が先かも。何しろ昭和13年生まれだから>の言葉に<私は23年生まれ>と答えました。すると<そうか、十歳年下かあ・・・>と、笑いながら帰っていかれました。
<平均寿命を越えたから・・・・>と口では言いつつも。とてもそんなお年には見えず、お洒落で溌剌としておられる素敵な紳士でした。
今回5年目にして初めて搬出に立ち合いました。こんなに大変な事を毎年黙々としてくれていたのだと、改めて娘とお友だちに感謝です。
また今年は、例年以上にオーナーの映子さんにいろいろお手数やらお世話をおかけ致しました。ほんとうに、ありがとうございました。
小さな個展ですが。毎年続けることで、少しずついろいろな方と知り合い親しくなっていける。その皆様との楽しい時間が、一年の大半を一人絵とむきあう私の大きな心のささえとなっています。皆様に心より、御礼申しあげます。
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