私の絵画館3:梅とぴのこ
2008年4月24日、元のら猫のアリスは五匹の子猫を生みました。五匹は、当たり前のことですが、外見も性格も、皆ちがっていました。
昨年(2009年)、個展の案内のハガキに使ったのが、ぴのこをモデルにした「愛でる」です。
それぞれ異なる模様の子猫のなかでも、きわだって目立っていたのがぴのこでした。★ 続きは題をクリック ↑
最初は、顔の左半分に黒が入り、右半分は白というその顔から、手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』のジャックと呼ばれていました。でも、そのうち女の子とわかり、「ぴのこ」になりました。
生まれてから何ヶ月かは、総勢七匹の猫が家のなかにいましたし、当初アリスは、まだのら猫の習性が強く残っているうえに、子猫を産んだことも加わり極端に神経質で、子猫を抱く機会も余裕もあまりありませんでした。
そんなことも影響しているのか、ぴのこは抱かれるのを好みません。抱いても身体を固くして、顔をぷいと上にあげ、あらぬ方をみています。鳴き声も「にゃあ」とは今だに言えず、たまに押し殺したような声で「アー」と言います。人との距離を保ち、自分の世界のなかで生きているそんな彼女を、私たちは「違う星から来たぴのこ」と呼んでいます。
獣医さんによれば胃腸が弱いようで、身体もずっと一番小さいのですが、気性は激しく、兄弟のどの子にも、負けていませんでした。手術で入院した時も、「まさかこんな小さな子が・・・・」と気を許しておられた先生にむかって、「シャー!!」と威嚇して驚かせたそうです。
神経質で、人におもねず、淡々と我が道をゆくぴのこですが、一年半となるこの頃、ようやく、「背中をなでて・・・」とひかえめに催促にくるようになりました。
アリスと性格がよく似ていて、とても仲のよい親子ですので、この子を母親のそばに残してやってよかった、と思うこの頃です。
執筆年 2010年
収録・公開 →「梅とぴのこ」(No. 19:2010年2月21日)
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