本紹介33  『心眼』

本紹介33 伊勢弘著『心眼 ロザリオの聖母 かく恵み給う』(1997/3/30)の表紙絵で、薔薇と野生の桜草を描いています。

 

 ハンセン病者として、
理不尽な法の犠牲者となり、
差別と偏見の地獄を生きた
元陸軍曹長、無念の叫び。

(帯より)

受洗後、このご恩返しに私も何かしなければと思いながら、盲目と両手の重度障害のため何の働きもできず悲しく思った。しかし私には祈りと重度の障害がある。これを捧げて神が私を愛してくれたように、私も神様を愛する心ですべての人の救霊のために生涯をかけようと決意した。(本文より)
これは、担うには重すぎる人生を歩んでこられた方の本ですが、装画にはいつか見た原野に咲く桜草の花を、さらにキリスト教に関連してバラの花を、ということでした。
野生の桜草を私は見たことがありません。そこでせめて花屋さんで売られている桜草を、と思いましたが、あいにくほとんどのお店ではもうシーズンが終わっていました。
あちこちさがした末、家から自転車で一時間半くらいの花屋さんに、数個盛りをややすぎた桜草が残っていました。
目の前の花と写真集などで見つけた野生の桜草とを重ねあわせてできたのが、表紙の絵です。
病気のため盲目になられた作者に、せめて心の眼でみていただきたい、と思いながら描きました。

参考までに。
初版本は御家族や親しい友人たちに遺稿集として残したいという要望で出版されましたが、「大学・高校などの先生方から教材に使いたいとの熱い要望」があり、「若干コンパクトに再編集」されるとともに参考資料も加えられ平成9年8月8日に改訂版が出版されています。
編集にあたられた城麗子さんもいわれているように、故郷をA県K市ではなく、ほんとうの出身地を明記し、本名で語ることのできる日のくることを、私も心より願っております。

「新作です:ばら(2011/11/18)」、→「新作です:ピースちゃん(2011/11/9)」、→越地としこ著『いのち芽生えて』(装画薔薇/)、→越地としこ著『いのち芽生えて』>(ハードカバー版)もどうぞ。

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。

最終更新日: 2009年 4月 8日 11:07 PM   カテゴリー: 本(装画・挿画), 絵画,
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