トンネルのパオンちゃん

 

トンネルのパオンちゃん

 

「ロバのパオンちゃん」「続モンド通信5」、2019年4月20日)

 

「いつも独りのパオンちゃん」

 
 高速道路の下のトンネルに、そのロバはつながれていました。名前は「パオンちゃん」と、私が勝手に名づけました。

ロバの鳴き声を聞いたことがありますか。

「パホパホ、パオーン」と、それはもう大きな声で鳴くのです。

その声があまりに大きすぎて、預けられている小さな牧場内では飼えません。そこで、私が通う牧場の外れにあるトンネルで暮らしています。

いつも独りでいるパオンちゃんは、小道の向こうの牧場に行きたくてしかたがありません。なにしろ、そこにはたくさんの馬、そしてポニーや、犬などがいますから。そうそう、最近は子馬も生まれましたしね。

パオンちゃんはトンネルの向こうのセンダンの木にくくられていますが、時々脱走しては仲間のところに走ります。

あまりにうれしくて、顔を空に向けたまま走るのですよ。

こんなパオンちゃんでしたが、別の牧場の方に気に入られ、引っ越しをしました。

今は、空に近い広い高原の牧場で、1番の人気者となり、楽しく過ごしているそうです。

 

 →「パオンちゃん」「パオンちゃんとノア」もどうぞ。

最終更新日: 2009年 8月 3日 12:41 AM   カテゴリー:
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