私の絵画館9「驢馬のパオンちゃん」

 

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高速道路の下のトンネルに、その驢馬(ろば)はつながれていました。名前は「パオンちゃん」と、私が勝手に名づけました。

驢馬(ろば)の鳴き声を聞いたことがありますか。

「パホパホ、パオーン」と、それはもう大きな声で鳴くのです。★ 続きは題をクリック ↑

その声があまりに大きすぎて、預けられている小さな牧場内では飼えません。そこで、私が通う牧場の外れにあるトンネルで暮らしています。

いつも独りでいるパオンちゃんは、小道の向こうの牧場に行きたくてしかたがありません。なにしろ、そこにはたくさんの馬、そしてポニーや、犬などがいますから。そうそう、最近は子馬も生まれましたしね。

パオンちゃんはトンネルの向こうの栴檀(せんだん)の木にくくられていますが、時々脱走しては仲間のところに走ります。

あまりにうれしくて、顔を空に向けたまま走るのですよ。

こんなパオンちゃんでしたが、別の牧場の方に気に入られ、引っ越しをしました。
今は、空に近い広い高原の牧場で、1番の人気者となり、楽しく過ごしているそうです。…………

という文章を書いてから2年後、高原の牧場にいるパオンちゃんとようやく再会を果たすことができました。

パオンちゃんは突然現われた私に、最初は少しとまどっているようでしたが、そこは馬よりも賢いと言われる驢馬(ろば)のこと、そのうち胸に頭を押しつけるようにすりつけてきました。きっと思い出してくれたのだと私は思います。

いつもひとりぼっちで寂しそうだったパオンちゃんが、青い空、白い柵、広い牧場のすばらしいパノラマのなかで、のんびり草を食べている姿を見て、ほんとうによかった!と思い、私は目的地へむかいました。

実はその高原からさらに40分ほど行った飯田高原の「九州芸術の杜」というところで、その10月、私は個展を開いていました。榎木孝明美術館をはじめ、小さなログハウスの美術館が点在するなかのギャラリー「夢」においてです。

その年はご縁があって、急きょ10月に個展をしましたが、今年は昨年同様、九月に個展を開きます。

大きな樹々に囲まれ、そこだけ別世界のゆったりした時間が流れている美しい場所に、今年もでかけることができる。誰にともなく、心から、感謝です。

今年の個展は「小島けい個展間近!」で、昨年の個展は「小島けい個展 2009に行きました。」で、それぞれ案内しています。

執筆年

2010年

収録・公開

「驢馬のパオンちゃん」(No. 25:2010年9月17日)

最終更新日: 2018年 12月 29日 12:56 PM   カテゴリー: 私の絵画館, 絵画,
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