私の絵画館23:チョビと山茶花
チョビは元東京在住で、今は京都に住んでいます。
今回、チョビの写真を3枚お預かりしました。ほぼ一年前、ピンクの山茶花が手に入った時、このかわいい花と一緒に描いてみようと思いました。そしてちょこんと前足が見えているちょっとおちゃめな横顔の写真を選びました。★ 続きは題をクリック ↑
けれど、何度か描きかけてはみましたが、どうしても描けず、そのままになっていました。
それから半年以上経ち、もう描きあげなければ間にあわない、という段階で、今一度写真を取り出し、しげしげとながめました。
ご注文をいただくほとんどのモデルさんと同様、チョビも会ったことはありませんので、チョビと親しくなる方法は、ただ一つ。写真をみるしかありません。
三枚の写真のうち私が迷っていたのは、正面の顔か、最初に描こうと思った横顔かでした。
うーん、と声にならない声を出しながら、二枚の写真を長い間見くらべていると、ふと正面の顔がかわいらしく思えてきました。
まったく”他人”だった猫が、その時初めて”お友だち”になりました。チョビ、あなたかわいいねえ、と話しかけることのできた時点で、ようやく筆が動きました。そうしてこの絵が出来ました。
描く前から知りあいの犬(わん)ちゃんや馬たちなどは、もうすでに”友だち”なので、改めて仲よくなる必要はありません。また、一瞬見ただけで”かわいい、描きたい”と思えたモデルさ(例えば子猫や子犬など)も、それはいりません。
でもそうでない場合は、仲よくなる時間が必要なのだということを、久しぶりに実感した一枚になりました。
今では、チョビも、そしてこの絵のなかのチョビも大好きです。
→小島けいのカレンダー『私の散歩道2012~犬・猫・ときどき馬~』の11月に収載しています。→「ちょびちゃんとさざんか」、→「さざんか」でもどうぞ。
執筆年
2011年
収録・公開
→「チョビと山茶花」(No. 39:2011年11月1日)