本紹介35『グッバイ、ネバーランド』
本紹介35 正木邦彦著『グッバイ、ネバーランド 正木邦彦戯曲集』(1997/4/1)の表紙絵で、躑躅(つつじ)を描いています。時期外れの躑躅を探すのもなかなか大変でしたが、何とか少しだけ見つけました。
信じる勇気が夢になる!
ほんとうは誰もあたたかい。希望でなく『貴望』を抱く人たちにエールを贈り、悲観主義を笑いで吹き飛ばす五つの寓話。
(帯より)
おとなになったからって、夢は簡単にあきらめるもんじゃないさ。多少形は変わっても、おとなの心に子どもの心は残ってるんだ。子どもは冒険が好きだよねぇ。そしたら、おとなの国に冒険すればいい。そうやって初めて、現実の世界にも夢と希望がいっぱいあるってことがわかるんだよ。思い切って、ネバーランドから出て行くんだ。(「グッバイ、ネバーランド」より)
(帯より)
この戯曲のシリーズはすべて花と決まっているのですが、今回はどうしても「つつじ」でお願いします、と言われました。掲載された作品すべてが、富田林の市民劇団つつじ満開座によって公演されたものだからです。
けれどそのお話がきたのは、たしか十二月の終わりだったと思います。いろいろな図鑑や写真は集められますが、やはり本ものにまさるものはありません。
そこで、冬とはいえここは宮崎。その気になって、あちこちを自転車で注意深く回ります。この時の目は、すでに花泥棒の鋭い眼光です。
そうして走っていると、本もののつつじはあるはずもないのですが、ずっと小ぶりのさつきにはほんの1、2個花が咲いていたりします。
個人のお宅では門の横の植え込みにひとつ、スイミングスクールの入り口あたりの花壇には、あちらとこちら。申しわけありませんがひと枝いただきます、と口の中でもごもごお詫びしつつ、花を集めました。
こうして「つつじ」ではなく「さつき満開座」風の装画が完成しました。
『グッバイ、ネバーランド』の挿画です。↓
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