新作です:椿(2012/2/2)

 2012年の椿です。

 椿については、→「椿」、→広野安人著『さざん・くろーす 広野安人戯曲集』、→「樟の風影」の表紙絵にも藪椿を使いました。
 2011年カレンダー→「私の散歩道2011~犬・猫・ときどき馬~」の3月、ブログの→「ジェリーと椿」、2009年カレンダー→「私の散歩道2009」の表紙絵もどうぞ。



2012年 新年のご挨拶

   新しい年に                            小島けい

 2012年が新しく始まりました。
 時間はずっと連続しているのに、何故か1月1日を迎えると、その瞬間にグンとそれまでの時が後ろに動いていったような気になります。
 その少し遠のいてしまった2011年9月の個展を、思い出せる範囲で、書いてみようと思います。
 私たちは9月17日の朝宮崎を出発し、昨年のように途中大分県豊後大野市朝地町にある”夢色工房”をめざしました。
 ところが好天にめぐまれた昨年とは全く異なり、山道を走るにつれて目の前が見えないほどの激しい雨になりました。
 行き着けるかしらん、と思うくらいでしたが、何とか到着。二年前ふらりと個展に立ち寄って下さったご縁で、それ以来いつもハガキやカレンダーを一生懸命売って下さっているむつみさんに、直接お逢いしてお礼をお伝えすることが出来ました。
 もちろんそのことが一番の目的ですが、実はもう一つ、密かな楽しみがあります。お店に飾ってある和装の帯や小物を、何か買わせていただくことです。
 前の年には鉄サビ色の帯を買うことができましたので、個展の会場で着るつもりの着物にあわせて、持ってきていました。
 今回は、珍しいエキゾチックな模様の、くすんだあずき色の帯を見つけました。
 私のもっている着物と帯は、すべて亡くなった母が残してくれたものです。それにほんの少しずつ私が買える物を加えて、いずれ娘に渡したいと思っています。
 その日はずっと雨でしたが、夕方ようやく飯田高原の美術館に着きました。着いてからの出来事は、メールマガジンに連載中の「私の絵画館」へ送るために、そこで書いた「ハーシュくんとコスモス」という文章がありますので、引用させていただきます。



      「ハーシュくんとコスモス」               小島けい

 モデルは宮崎県在住だったハーシュくんです。
 この絵を見ると、昨年の大分県飯田高原の個展を思い出します。宮崎県から絵を見に来て下さった飼い主さんからご依頼を受けた絵だからです。
 今、ちょうど一年がすぎ、その高原の美術館に滞在してこの原稿を書いています。
 今年は初めて、雨ばかりの連休です。晴れた気持ちのよい日にくらべれば、お客様はずいぶん少なめですが、少ない時にはゆっくりお話できるというよい点もあります。
 17日の土曜日の夕方ここに到着しましたが“館内に入っていたお客様が今出られました”とのこと。そのまま誰も入らないで終わるのだろう、と思っていたら、ふらりと女の方がこられました。
 お写真をお預かりして犬(わん)ちゃん猫ちゃんたちを描いています、とご説明すると、“人間は描かないんですか?”と聞かれましたので、“描きますよ。前にもこの美術館の館長さんのお母様を描きましたよ”とお話しました。
 絵を見ていると、どの子もそれぞれに特徴が出ているので、自分の母親も描いてもらいたいなあと思ったのだけど、と言われました。
 74歳のお母様はしばらく前に脳梗塞で倒れて、今はリハビリの最中。そのためすぐつれてくるのは無理なので、来年本人をつれてきて、それで絵を頼みます、と言って帰られました。
 ところが、翌日の18日、その方がお母様といっしょに再び訪ねて来られました。プロフィールの葉書きにのっていた数枚の小さな絵を見て、この人に絵を描いてもらいたいから、会いに行く、とお母様が言われたそうです。
 確かに杖をついてとても歩きにくそうでしたのに、来ていただけたことそれだけで、ほんとうに嬉しいことでした。
 結局、娘さんと二人の絵を描くことに決め、ギャラリーの前で、迷カメラマンの相方が何百枚もの写真を撮りました。
 お好きな写真を選んでいただき、それをもとに絵を描いて、10月から施設に入られるお母様に、クリスマスプレゼントをすることになりました。
 思うように身体が動かなくなって、少し自嘲気味のところもあったお母様が何枚も写真をとっているうちに、髪を整えようかな、口紅もぬった方がいいかな、と言い出し、少しずつおだやかな笑顔になって下さったことが、何よりだったと思います。
 冷たい雨は降り続いていましたが、心がほっと温かくなったひと時でした。


 「モンド通信」→「ハーシュくんとコスモス」(No. 38:2011年10月10日)もどうぞ。小島けいのカレンダー『私の散歩道2012~犬・猫・ときどき馬~』の10月に収載しています。カレンダーの詳細は」→「2012年用」でどうぞ。



私の絵画館(2012/1/10)

 →「水仙ところちゃん」(No. 41:2012年1月10日)

 元絵の→「最新作(2011/2/22)です:「ころちゃん」」「新作です:ころちゃん2(2011/11/9)」もどうぞ。



本紹介59 『葵桜誕生秘話』

本紹介59  三橋美千子著『葵桜誕生秘話』(2005/4/24)の挿画で、扉絵に河津桜を描いています。

 

 

「桜」もどうぞ。
遠藤康著『遠藤康戯曲集 さくら殺人事件』、→「桜とノア」「スカイと弟」2010年カレンダー→「私の散歩道2010」の4月と、2011年カレンダー→「私の散歩道2011~犬・猫・ときどき馬~」の4月にも桜を描いています。

 

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。



本紹介54 『会津情念点描』

本紹介54  風見孝男著『会津情念点描 風見孝男戯曲集』(2003/4/4)の表紙絵(表と裏)と帯絵で、デルフィニウムを描いています。

 

 

裏表紙です。

 

帯絵です。

 

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本紹介52 『立ちこゆる文学』

本紹介52  吉田恵美子著『立ちこゆる文学 石川淳作品論集・他』(2002/4/24)の表紙絵と扉絵で、からすうりを描いています。

 

 

扉絵です。

 

「烏瓜(からすうり)」もどうぞ。→「汝が心告れ」(からすうり)、→「三方原」)、→村越一哲著『三方原』の表紙絵にもからすうりを描いています。

 

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。



本紹介51 『お空の中ほど』

本紹介51  飯島光孝著『続生命ある限り お空の中ほど』(2001/8/8)の表紙絵で海岸の風景を、扉絵で柿を描いています。

 

 

 

扉絵です。

 

「柿」もどうぞ。→飯島光孝著『さざん、くろーす』、→「馬車道の女」、→飯島光孝著『生命ある限り第3部 一番美しく』、→平井眞一著『随所に主宰とならん』の表紙絵にも柿を描いています。

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本紹介48 『随所に主宰とならん』

本紹介48  平井眞一著『随所に主宰とならん』(2000/2/24)の表紙絵で、柿を描いています。

 

 

「柿」もどうぞ。→飯島光孝著『さざん、くろーす』、→「馬車道の女」、→飯島光孝著『生命ある限り第3部 一番美しく』の表紙絵にも柿を描いています。

 

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。



本紹介46 Africa and its Descendants 2

本紹介46  Yoshiyuki TAMADA, Africa and its Descendants 2(1998/12/22)の挿画で、人物の肖像画を描いています。

 

 

(挿画は作業中です。)

 

TAMADA YOSHUYUKI, Africa and its Descendants 1の続編で、歴史の総論を受けた形で各論を展開しています。
エイズなどを含めた今日的な問題をからめて新植民地体制の構造を分析した日本人の書いた英文書も初めてだと思います。
一章で新植民地体制の基本構造を述べ、二章で植民地・新植民地支配の状況を描く文学作品を分析しました。三章では、エイズ問題、コンゴ民主共和国、ジンバブエの問題を取り上げ、四章ではアフリカ系アメリカ人の音楽を論じています。医学生に参考図書として推薦しています。

 

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本紹介44  『文の林にわけ入りし…』

本紹介44  伊藤隆弘著『文の林にわけ入りし…』(1998/10/21)の表紙絵で、桔梗を描いています。

 

 

「桔梗」をどうぞ。

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