本紹介8『馬車道の女』

 

本紹介8『馬車道の女』

 
本紹介8押川昌一著『馬車道の女 押川昌一戯曲集』の表紙絵で、風景と柿を描いています。

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。

 

 

作者の「あとがき」によれば、この本のタイトルになった「馬車道の女」は、山本学、佐藤オリエたち五五の会が全国公演をした作品だそうです。
また「遠い灯」は、佐々木あや率いる劇団文芸が創立二十周年を記念して、作者の現代劇ばかり六本を連続公演したなかの、これだけが初演の作品だった、とあります。
同じ「あとがき」のなかには、この戯曲集の出版が、編集者の小澤紀子さんの誠意と熱意で実現したことも、述べられていました。
この本の装画ですが、最初は鹿鳴館の時代の女の人が主役でした。和風の髪に西洋風のロングドレスを身につけた女性がもの憂げに立っている。
けれど、背景となる当時の街の様子としっくりかみあわなかったのでしょう。
結局、当時の建物を秩序無しにどんどん描き入れていくことで、全体の時代を感じとってもらう、という絵になりました。
そして、前年の秋、庭の小さな柿の木がたった一個みごとな実をつけたのですが、その柿の絵が、何故か加えられることになりました。

「柿」もどうぞ。→飯島光孝著『さざん、くろーす』、→飯島光孝著『生命ある限り第3部 一番美しく』、→平井眞一著『随所に主宰とならん』、→飯島光孝著『続生命ある限り お空の中ほど』(装画・挿画/海岸の風景・扉絵の柿)の表紙絵・扉絵、→飯島光孝著『燃え落ちた軍艦旗』、の扉絵にも柿を描いています。

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。



本紹介57『ぼくの夏の種』

 

本紹介57『ぼくの夏の種』

 

本紹介57小林照明著『ぼくの夏の種 小林照明戯曲集』(2003/8/12)の表紙絵で、つりがね草を描いています。

 

 

 

今改めて、あとがきにかわる私家版「ぼくの夏の種」を読みかえしてみると、この本の表紙を飾る花には、真夏の花が似つかわしかったのではないか、とも思うのですが。当時は編集者の方と相談し、その時一番美しく咲いている花として、カンパニュラを選んだのだと思います。
この花は、小さい頃は見かけない花でした。初めて見たのは30年近く前で、その華やかさ・豪華さに感動し、玄関の大きな壺に一杯活けたのを覚えています。
出会いが花屋さんでしたので、花屋さんで売られている、どこか人工的な花というイメージの強かったカンパニュラですけれど、最近その意識が変わりました。
それは、広い野原のような”ガーデン”のなかで、全く自然に風に揺れながら立っていました。しかも、何種類ものかわいいカンパニュラが、そよいでいました。
ああ、こんなに可憐で、しかも野性味のある、自然に生きているカンパニュラを、私も描いてみたい、と思いました。
倉本聡のドラマ「風のガーデン」の一場面でした。

 

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。



本紹介55『ある靴職人の話』Book-cover Water Painting

 

本紹介55『ある靴職人の話』Book-cover Water Painting

 
本紹介55火星雅範著『ある靴職人の話』(2003/6/15)の表紙絵で靴を、挿画でいろいろなものを描いています。

 

この本の装画は、題名にちなんで靴を、しかも戦前の編み上げ靴を、ということでした。
そうはいっても、私には編み上げ靴を、きちんと見た記憶がありません。少し前、昔私自身がはいていたボロボロの黒い登山靴を、やっとの思いで捨てたところです。もはや、ごつくるしい皮靴というものも、家にはありません。
悩んでいたちょうどその頃、娘のお友だちが東京から遊びに来られました。玄関にそろえられた彼の靴は、皮ではありませんが、とても大きくてはきつぶされていました。この形をいただこうと思い、私はその大きなコッペパンのような靴をスケッチさせてもらいました。
皮の感じは、低いヒールのついた皮靴をみながら、そして装画としては初めてでしたが、パステルを使って描いてみました。
またこの本には、12枚の挿画が使われています。文章全体が短く、ある程度の厚さの本にするために、挿画を多く入れたいというお話でした。
絵は、教会や車椅子のように本文と関わりのあるものと、花や貝がらのように全く関係のないものが、ほぼ半分ずつです。
枇杷の絵もありますが、それは近くの農家でスケッチさせていただきました。たわわに実った枇杷の木の前に、何時間も坐りこんでいる私を、横の人参畑で農作業をしておられたその家のお兄さん達がもの珍しそうに見ておられたのを、覚えています。12枚の挿画と扉絵「すいれん」(小山正雄、1975年)です。↓

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。



軽井沢にて

 

軽井沢にて

 

その朝、10月の軽井沢に人影はなく、別荘の点在するあたりは、静まりかえっていました。
一面の霧のなか、小径を散策していた私たちに、遠く馬の蹄の音が聞こえてきました。
足音は確実に近付いてきており、霧のむこうにその距離を測ろうとした瞬間、5.6m先に突如として白馬があらわれました。馬には、まっ赤な乗馬服を着た若い女性が乗っていました。
深い霧のなかから出現した馬と女性のあまりの美しさに、私たちは声を失い、無意識に道を譲り、ぼんやり見上げるしかありませんでした。
その人は馬上から静かな会釈を残し、何事もなかったかのように通りすぎてゆきました。
再び、馬と女性が霧のなかに消えてゆくまで、私たちは茫然と立ちつくし、見送りました。

もうはや40年も前のことですが、あの美しい一枚の絵のような情景は、今も時折り鮮烈によみがえることがあります。

私を馬にむかわせた原点のような出来事はいくつかありますが、最も凝縮された一瞬ではなかったか、と思ったり致します。

そして今、ゆったりと時の流れるこの優しい空間で、楽しそうに暮らす動物たちとめぐりあいました。
トムさんとメグさんのおかげです。お婆さんになるまで、(すでになりかけですが)よろしくお願い致します。

サンダンス:「私の散歩道2016~犬・猫・ときどき馬」11月



アレックス・ラ・グーマ(Alex La Guma)

 

アレックス・ラ・グーマ(Alex La Guma)

ゴンドワナ7号(横浜:門土社、1987年)の記事(→玉田吉行著「アレックス・ラ・グーマ氏追悼-アパルトヘイトと勇敢に闘った先人に捧ぐ-」19-24頁と→玉田吉行著「アフリカ・アメリカ・日本」24-25頁。)の挿絵に描いたアレックス・ラ・グーマの肖像画です

<解説>~玉田吉行著『アフリカ文化論1 南アフリカの歴史と哀しき人間の性』(横浜:門土社、2007年)から抜粋~ 九章  アレックス・ラ・グーマ

ラ・グーマは1925年にケープタウンに生まれました。父親が解放運動の草分けの一人でしたから、早くから政治意識に目覚め、高校を中退したあと、46年にはストライキを先導して会社を解雇されました。48年には共産党に入党し、55年には南アフリカ・カラード人民機構の議長に選ばれています。同じ年にケープカラード社会での人望と文才を認められて、反政府路線の週刊紙「ニュー・エイジ」に記者として採用されました。57年からコラム欄「わが街の奥で」を書き始め、62年に破壊活動法によって記者活動を断念させられるまで健筆を揮いました。

56年には他155名とともに反逆罪の嫌疑で逮捕されています。以来、60年、61年、63年、66年にも逮捕・拘禁されていますが、それはラ・グーマが白人政府に脅威を与える存在だったからです。66年に釈放され,5年間の自宅拘禁を強いられたラ・グーマは、家族と共にロンドン亡命の道を選び、祖国を離れます。

亡命してからもラ・グーマは、積極的に反アパルトヘイト運動を続け、70年にANCロンドン地区議長になり、78年にはカリブ代表としてキューバに赴任しました。様々な国の作家と連帯しながら精力的な創作活動を展開し、70年にはアジア・アフリカ作家会議からロータス賞を授与され、79年には議長に選出されています。81年には来日して会議などに出席し「日本をどう変えるかはあなたがたの問題ですが、原則的なことは、日本の物資的豊かさは第三世界の搾取の上に成り立っていることです」と語りました。

しかし、85年に心臓発作のため、60歳の若さで2度と還らぬ人となりました。



本紹介53『川をはさみて』

 

本紹介53『川をはさみて』

 

本紹介53グギ・ワ・ジオンゴ著『アフリカの文学3 川をはさみて』(2002/7/5)の表紙絵で、深い森を描いています。

 

 

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。

グギ・ワ・ジオンゴはケニアの作家で、長い間亡命を強いられていました。ケニアの歴史です。参考になれば幸いです。(たま)→ケニアの歴史1、→、→、→(→続モンド通信34、→35、→36、→37、2021年9月~12月)



本紹介58『三方原』

 

本紹介58『三方原』

 

本紹介58 村越一哲著『三方原』(2004/12/25)の表紙絵で、からすうりを描いています。

「烏瓜(からすうり)」もどうぞ。
「汝が心告れ」の表紙絵にもからすうりを描いています。
「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。



本紹介50『劇作百花3』

 

本紹介50『劇作百花3』

 

本紹介50坂本龍夫ほか著『劇作百花3』(2000/12/28)の表紙絵で、カサブランカを描いています。

 

 

宮部勇武著『燃えつきた青春 航空技術将校手稿』の表紙絵にもカサブランカを描いています。

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。



本紹介49『幻の東京オリンピック』

 

本紹介49『幻の東京オリンピック』

 

本紹介49 村越一哲著『高柳健次郎伝 幻の東京オリンピック 村越一哲戯曲集2』(2000/12/2)の表紙絵で、道草(あけび)を描いています。

 

 

「通草(あけび)」もどうぞ。
→飯島光孝著『朝、はるかに』(横浜:門土社総合出版、1996年)の表紙絵にもあけびを使っています。

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。



本紹介47『パートナーシップ』

 

本紹介47『パートナーシップ』

 

本紹介47長島世津子著『パートナーシップ キリスト教的女性学』(1999/2/12)の表紙絵で、シンピジウムを描いています。

 

 

「たまだけいこ:本(装画・挿画)一覧」で全体をご覧になれます。