私の絵画館32:鸚鵡のクーちゃんとハイビスカス
「やさしいライオン」という絵本があります。
ずいぶん久しぶりに、ホコリのかぶったその本を読んでみました。内容もすっかり忘れていましたが、それはあたたかくて、悲しくて、そして最後にひと筋の希望のようなものを感じました。32頁の短いお話ですが、読んでいくうちに、泪がでました。
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昔読んだこの本を、もう一度みてみようと思ったのは、作者のやなせたかしさんのインタビューを、先日見たからです。今年93歳、しかも満身創痍の身でありながら、現役を続けておられる生き様は、素敵な“オイドル”(老いたアイドル)と思えました。
長い時間に及ぶインタビューのなかで、やなせさんは、誠実に丁寧に、そして熱意をもって、様々なことを語っておられました。
なるほどなあ、と思うことが多々ありました。
84歳でCDデビュー。ただし、「ノスタルじいさん」というこの曲だけは、私としてはもう一つかな、と思いましたが、新しいことに挑戦する心いきは、さすがだと感服しました。
私自身もいろいろ回り道をして、花や人物の他に今は犬や猫、馬たちを描いていますが、今回初めて鳥が加わりました。横浜在住の鸚鵡(おうむ)の“クーちゃん”です。
以前にも装画で鳥を描かせていただいたことはありましたが、家族の一員としての鳥は初めてです。
クーちゃんはルリ目キバタンという種類だとか。驚いたり嬉しかったりすると黄色い冠羽が見事に広がります。水色の瞼に囲まれた真ん丸で真っ黒い目がチャームポイント。その目で色々な表情をするそうです。
絵をお届けしたら、飼い主さんから、“ハイビスカスの間から、ちょこんと顔を出している様子が、何とも言えず、うふっと笑ってしまいます”というおたよりをいただきました。
それを読んで、私も嬉しくて、うふっと笑ってしまいました。
執筆年
2012年
収録・公開
→「鸚鵡のクーちゃんとハイビスカス」(No. 48:2012年8月1日)