私の絵画館37:バーニーと水仙
時代遅れというのか、時代の主流からはずれているというべきか、私は今もパソコンと無縁で暮らしています。もちろんブログもありますし、お客様とメールでのやりとりもしていますが、
それはひとえに“あの人”“この人”のおかげなのです。★ 続きは題をクリック ↑
そんなわけで「私の絵画館」の文章がどのような形で掲載されているのか、今まできちんとみたことがありませんでした。
先月“この人”のおかげで、すべてが印刷されました。そこで初めて、三年間続いていたことがわかりました。私には毎月〆切りに間に合ったり間に合わなかったりの、アタフタとした感覚しかありませんでしたので、内容はともかく<三年間続いた>ということに、ある種の感慨がありました。
これも、近くのあるいは遠くの皆様のおかげだと思います。新たな年も始まりますし、一度、心からお礼を申しあげます。
絵のモデルは、ニューファンドランド犬のバーニーです。飼い主さんは“スカイ”の馬主さんでもありますので、よく一緒に牧場にやってきて、長い時間大人しく飼い主さんの作業が終わるのを、ひたすら待っています。
ある時バービーの全写真が入った紙袋を、ドサッと受け取りました。いい写真を選んで描いて、ということでした。アレコレ迷っていると。
しばらくして四つ切の大きな写真が、追加で送られてきました。
一番好きな写真なのでこれで描いて下さい、とのことでした。
それはまだ若い頃のバーニーで、楽しそうに笑っていました。確かにいい表情で写っていましたが、大きな問題がありました。ま横の右側から光が当っているので右半分は見えるのですが、左半分は影となりほとんどまっ黒で、よくわかりません。
目も毛のウェーブも、結局他の何枚もの写真から見当をつけて描いていくという、大変な作業が待っていました。最後には目の部分を光にあて、拡大鏡ですかして見る。かなりの集中力が必要ですが、そうするとまっ黒にしか見えなかった目の輪郭が、おぼろげながら見えてくるのです。
そうやって出来あがったのですが、絵の中のバーニーはそんな苦労も知らないふうで、ほがらかな顔で笑っています。
小さい頃から知っている牧場のスタッフの方たちが絵を見て“若い頃のバーニーだ!”と言って下さり、ほっとしました。
執筆年
2013年
収録・公開
→「バーニーと水仙」(No. 53:2013年1月4日)