私の絵画館44:「 山羊のみた夢 」2
「山羊のみた夢 2」
六月のある日、新聞に山羊のことが書いてありました。敗戦後の食糧難の時代に、エサ代がかからず栄養価の高い乳が飲めるということで、山羊を飼うことが奨励された時期があったとか。けれどまもなく、大量に乳をとることのできる乳牛に変わり、山羊は激減したとありました。
時々牧場に草を食べに来てくれる黒山羊を思い出し、なるほどなあと思いました。★ 続きは題をクリック ↑
ずいぶん前になりますが私は山羊の絵を描きたい、と思いました。それは、大学病院の裏手にある草はらの一画に、山羊が飼われているのを見たからでした。大人の山羊と数頭の子山羊は、とても人懐っこい性格で、その愛らしさは、私にとって大きな発見でした。
しばらくして、私は「山羊のみた夢」とい題で3枚の絵を描きました。
その2枚目が子山羊の絵(写真1)でした。この絵は、当時はまだ珍しかった天然酵母を使ったパン屋さんで、しばらく飾ってもらっていました。
そのご縁で、1998年10月に少し離れた山之口町というところで開催された“全国山羊サミット”のポスター(写真2)にこの絵が使われました。
当日、私たちもパン屋さんのお手伝いを兼ねて参加しました。そこで山羊ミルクが栄養的にもすぐれた物であり、牛乳中にあるアレルギー物質が含まれていないために、皮膚炎やアレルギー症状のある人にも効果があることなどを知りました。
また、山羊を飼うことは、心のケアにもよい影響があるという南の島での実践報告なども聞きました。
その山羊の効能を、お友だちの精神科医の方に何げなくお話したところ。しばらくして訪ねた病院で、前にはいなかった山羊がすでに飼われており、患者さんたちが楽しそうに世話をされていて、びっくりしたことがありました。そこでは、山羊ミルクで作ったクッキーも販売されるようになっていました。
山羊の絵を今描くなら、私はきっとパステルを使うでしょうが、
当時私はまだパステルを使っていませんでしたので、クレパスで描きました。その是非はともかく、その時しか描けなかった絵ですので、今も愛着のある一枚となっています。
執筆年
2013年
収録・公開
→「 『 山羊のみた夢 』2」(No. 60:2013年7月27日)
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.