私の絵画館58:ミー子と椿
私の絵画館58:ミー子と椿
毎年冷たい西風が吹くこの季節になると、南側の窓には幾つもの干し柿がつるされます。鮮やかな柿色は、寒風と陽ざしにより少しずつ色合いを変えてゆき、それに比例するように甘味が増していきます。
ところが、今年はその干し柿の静かな熟成に少し異変がおきています。鳥たちが食べに来るようになったのです。初めは少し大きめのひよ鳥でしたが、今は小さな目白も加わりました。★ 続きは題をクリック ↑
ひよは柿に止まるには大きすぎますので、ひもが結んである横棒にまず止まり、そこから届く範囲の一番上の干し柿を食べています。けれど体の小さな目白は好きな柿に直接飛んできて、自分が足を置いているその柿をつつくのです。
ガラスのこちら側でいつも暇をもてあそんでいる(?)四匹の猫たちは、目の前や上に飛んで来る鳥たちに本能を刺激され、今や干し柿の見張番となっています。ただ、いくら見事なジャンプを繰り返してもガラスに阻まれていますので、結果としてはズタズタに破れたレースのカーテンの破け目が増えるだけという状態です。
手間暇かけた干し柿が日々減ってゆくのを、作り手である相方は、“鳥も生きてるからなあ”とあきらめ顔でながめているこの頃です。
この絵は、東京在住のミー子です。華奢でとてもかわいい顔をしている女の子ですが、外に散歩に出かけて山バトをしとめて持ち帰ってきたりするワイルドな一面ももっています。ちなみに、いつでも外から入れるように窓が少し開けてあるのですが、くわえている山バトがつっかえて、その時ばかりは窓からすんなり入ることができなかったそうです。
年配でとても元気な看護師さんのところで、兄弟猫の男の子クロと一緒にミー子は毎日楽しく暮らしています。
執筆年
2015年
収録・公開
→「ミー子と椿」(No. 75:2015年1月15日)