私の絵画館71「シェルターとログハウス」

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今の世の中、家を一歩出ると広告があふれています。テレビの中も然り。

ほとんどの広告はあいかわらず押しつけがましかったり、騒がしさにすぐチャンネルをかえたくなりますが。それでも短いドラマを見ているようで俳優の名演技に思わずふき出したり、何て美しい映像だろうとうっとり見入るような作品もなかにはあります。★ 続きは題をクリック ↑

今私が一番好きな広告は、<窓>の会社のものです。白髪のお婆さん(外国人)が白い猫にバイバイをして外出します。猫はその姿がドアのむこうに消えた途端身を翻し、ひとつの窓を開けに走ります。するとその窓から猫たちが次から次へと入ってくるのです。そうして、もう家じゅうで猫のドンチャン騒ぎ。やりたい放題です。

どれくらい時間がたったのか、お婆さんがカチャとドアを開けると、一瞬にして静寂となり。白い猫は何事もなかったかのようにドアまで出迎えて、最後はお婆さんの腕の中。という作品です。

実はこれと同じようなことが、私の家でも起こります。人間が誰もいなくなると誰がどう遊ぶのか全くわかりませんが、数時間留守にして帰ると、おもちゃ籠に入っていたはずの幾つものおもちゃが、こんなところに?と思うような場所にまでころがっっていたり。はたまた毛布や絨毯の端がえらくめくれていたりするのです。

“あそびましたね、あなたたち。”

と問いかけても、4匹の猫たちは

“えっ、誰のこと?”

というようにゆったりくつろいで知らんぷり、という具合です。

あの広告は、きっと猫のことを知りつくした人たちが作ったのだろうなあと、思わずにんまりしてしまいます。

絵のモデルはアイリッシュセッターのシェルターです。一昨年牧場にいた子です。

乗馬でお世話になってこの2月で丸10年となる牧場は、昔みかん畑があった場所に作られています。北側の上には大きな道路、東側には高速道路、西側は雑木林がそのままに。いわば小さな山の斜面の下にあるこじんまりとした空間です。この牧場は、暮らしている動物たちにとって<楽園>といってよい場所なのですが、一つだけ難点があります。南側の開けた田んぼの手前に日豊本線が通っていることです。

ここで生まれ育った犬たちは経験もあるからでしょうか、無事に暮らしているのですが。シェルターは3才で牧場にやってきた元気な男の子でした。夕方のひと時自由の身となったシェルターは、きっと大喜びで一目散に走ってしまったのでしょう。やって来てから4ヶ月足らずで電車にはねられて亡くなりました。ずっと以前にもローラという子が同じように亡くなっていましたので、オーナーさんも心配しておられたのですが・・・・。

昨年牧場で子犬が生まれたのを機に、とうとうドッグランの工事が始まりました。北側の斜面の下の細長い部分を使って思いきり走る場所ができ、今は4匹のアイリッシュセッターとスタッフと一緒に通ってくる一匹の豆シバがほがらかにすごしています。

短い時間しかいられなかったシェルターですが、いつもログハウスの前に作ってもらった柵の囲いのなかで元気にすごしていましたので、ログハウスと一緒に描きました。

笑顔の似合うほんとうに愛らしい子でした。

 

執筆年

2016年

収録・公開

「シェルターとログハウス」(No. 88:2016年2月9日)

最終更新日: 2019年 1月 5日 12:11 PM   カテゴリー: , 私の絵画館, 絵画,
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