私の絵画館33:ウィシュウィズと桔梗
子象が義足をつけて、嬉しそうに草の上を歩いたり、横たわり草の感触を楽しむように体をすりつけたりしていました。
7ヶ月で地雷を踏み、右足をなくしたモーシャという子どもの象が、初めて義足をつけて歩いた場面でした。★ 続きは題をクリック ↑
その「星の子モーシャ 世界初 義足をつけた象」という番組のなかで、旭山動物園の元園長さんは、今歩けるようになったモーシャを喜ぶと同時に、大人になり体重が増えた時、全体重の3分の2の重さがかかるといわれる前足のかわりに、義足でどこまで補えるかを心配しておられました。
また、象の調教の仕方がちょっとかわいそうな気がしたという司会者の言葉に、こんなことを話しておられました。
歴史的に長く象と関わってきた国々では、象より人間が上だという上下関係を教えこむために、象にとっては厳しく、ある意味過酷な調教の方法がとられてきた。
けれど、比較的象との関わりが新しい国では、必要なことは教えるが、後はほめてほめて接する。いわゆる対等な信頼関係を目ざすやり方がとられている、ということでした。
象の調教の話を聞きながら、馬の場合と全くいっしょだ、と思いました。
昔は、そして今でもまだ多くのところでは、馬を怒ったり、たたいたりして調教する場合があるようです。その場合、馬は仕方なく従いますが、それは信頼しているからではなく、恐いからにすぎません。
たまたまですが、私が乗馬で通っている牧場の教え方は、ほめてほめて育てるやり方のところでしたので、ほんとうによかったと思います。
人も犬も猫も馬も(ときどき山羊も)みんな楽しそうに暮らしている牧場に、二年前にやってきたのがモデルのウィシュウィズです。赤色がかったこげ茶色ですが、その毛並みに陽があたると美しい黄金色に輝きます。
そのウィシュウィズが、今年の6月お父さんになりました。お母さんはいっしょにやってきた美人のリナちゃんです。
子馬はすくすく育っています。この次は、この子馬ベティちゃんを描きたいなあ、と思うこの頃です。
執筆年
2012年
収録・公開
→「ウィシュウィズと桔梗」(No. 49:2012年9月1日)