私の絵画館41:モモコとたんぽぽ
以前、キャバリアという種類のブリーダーをしておられる方からの依頼で→「モモちゃんとひまわり」(2011年8月10日:)という絵を描きました。
前の飼い主から虐待を受けていたモモちゃんは、新しい飼い主さんにもなかなか心を許しませんでした。何ヶ月もしんぼう強くあたたかく接し続けた結果、ようやく心を開くようになりました。
それでも、モモちゃんは死ぬまで、家族以外には身体をさわらせなかったそうです。それだけに、特別な想いがあり忘れられない子でした、とお聞きしました。★ 続きは題をクリック ↑
その飼い主さんと何回かお話するなかで、家で子犬が生まれていますから会いませんか、とお誘いを受けました。
そして、夏の暑い日、飼い主さんと娘さん、お母さんのお友だちと一緒に、大小6匹の犬たちがわが家にやってきました。玄関に入った途端、犬たちは我先に家の中をかけまわり始めます。それからアッというまに、リビングのあっちこっちでオシッコをし、
オロオロふきまわっている間に、別の子が台所でりっぱなウンチをして、気持ちよさそうにしたり。目がまわるようなせわしさです。
前に家にいたラブラドールの三太は、小さい頃から決して家の中でトイレをしませんでしたので、犬の習性をすっかり忘れていました。ウカツでした。
家の中を縦横無尽に走り回った犬たちは、小さい子から順次へたりこんでそのまま眠ってしまいました。中でもまっ先に寝入ったのが、このモモコでした。
正式にはりっぱな別名があったのですが、モモちゃん家(ち)の子犬ということで、私たちはかってにモモコとよび、何ともいえない愛らしい寝顔にすっかり見とれてしまいました。
かわいいモモコには、タンポポやマーガレットの咲く5月の野原がぴったり、とこの絵が出来ました。
そうそう、家の四匹の猫たちは、怒濤(ドトウ)のような数時間、何がおこったのかもわからず、それぞれの場所で身体をこわばらせたまま、身じろぎもせずにすごしていました。
ある夏の、忘れられない一日です。
執筆年
2013年
収録・公開
→「モモコとたんぽぽ 」(No. 57:2013年5月6日)