私の絵画館42:天馬とカサブランカ
いつの間にか、何故か、今私は4匹の猫たちに囲まれて暮らしています。
生まれつき胃腸が弱かったり魚アレルギーのため魚を食べさせられない等、それぞれ問題点のある猫たちですので、世話は大変ですが、十二分に可愛くいとおしい存在です。★ 続きは題をクリック ↑
それでも、また犬と一緒に暮らしたいという願いをあきらめたわけではありません。ただ渋谷生まれの一匹と三匹のファミリーの関係が、5年間かけてようやくよい形で落ちついてきましたので、それをあえて壊すことはできないなと思っています。
そんな私に、“これを見たらハッピーになれるよ”と娘から一枚のDVDが届きました。<スノウ・バディーズ>というウォルトディズニーの映画です。
ワシントン州に住む5匹のゴールデン・レトリーバーの子犬たちが、ふとしたことからアラスカに行き、そこで出会ったアラスカン・ハスキーの子犬といっしょに犬ぞりレースに出場して優勝する。簡単に言えば、それだけのお話です。
こんな子供向けの映画でほんとうにハッピーになれるのだろうか、と最初は半信半疑でしたが。懸命に走り続ける子犬たちの姿は、それだけですでに感動的で、幾つもの困難を乗り越えゴールに到着した時には、思わず涙ぐんで拍手をしてしまいました。
また何回も見直していると、年老いた伝説のそり犬が子犬たちに語る言葉が、なかなか味わい深いことにも気付きます。
“宇宙には自分たちをはるかに越える大きな力が働いている”と語り始める場面では、子犬だけでなく、私も思わず聞き入ってしまいました。
こんなふうに、ひととき子犬たちとハッピーな時間をすごした後、私はまた猫たちの世話にあけくれる毎日にもどります。
この絵のモデルはダックスフンドの<天馬>くんです。一緒に暮らしていたゴールデン・レトリーバーの<リウ>くんが亡くなって以来病気がちでしたが、同種の若い<こはく>が家にやってきてからは、少しずつ元気をとりもどし、今では二人で楽しくすごしています。誰かと一緒にいることは、犬も猫もそして人も、大切なのだなあ、とつくづく思います。
花は飼い主さんが一番お好きなカサブランカです。
ちなみに、この絵は2012年の個展の案内ハガキになりました。
執筆年
2013年
収録・公開
→「天馬とカサブランカ」(No. 58:2013年6月3日)