私の絵画館51:ゆきちゃんとミニチューリップ
昨年の3月、元競走馬のツヨシくんの会員さんが、ツヨシくんに会うため宮崎の牧場に来られました。あいにくその時私は入れちがいでお会いできなかったのですが、一冊のアルバムを預けて帰られました。それは少し前に亡くなった猫のゆきちゃんの写真集でした。★ 続きは題をクリック ↑
特に思い入れの強かったゆきちゃんが亡くなった後、写真ではなく絵で残したいと考えて描く人を探していた時、たまたま「ツルマルツヨシの会」のブログで紹介されていた私の絵をご覧になり、この人に頼もうと思われたとか。
小さなアルバムの一頁目をあけてゆきちゃんへの思いを読み始めると、泪があふれて、すぐアルバムを閉じました。5年前に亡くなった犬の三太への私自身の思いと、重なってしまったからでした。
それから何日か過ぎ、覚悟を決めて最後まで見終わった後、お電話をしましたが、横浜と宮崎で、両方がまた泪となってしまいました。
結局、昨年の3月末には私が体調をくずしたため、絵の完成は大幅に遅れましたが、ゆきちゃんが大好きだったベランダで咲くミニチューリップと一緒の絵を描き終え、そのコピーをお送りすると、“今絵を抱いて泣いてます・・・”とお電話がありました。
かわいい額に入れ本物の絵をお届けすると、ゆきちゃんのお骨の横に並べましたよ、と写真も送られてきました。
ゆきちゃんは<三毛>でしたので、毛の模様が難しく何枚もの写真と黒いところは濃い黒色でつやのある毛でしたというお話等を参考に描きましたが、あんなにも喜んでいただくことができ、ほっと胸をなでおろしました。
昨年秋の個展には、土曜日は川崎の職場から、また日曜日には横浜のご自宅から、それぞれ猫友だちをつれて来て下さいました。
初めての東京での個展で、どうなることかと思っていた私には、
何とも心強い応援をいただいた、不思議なご縁です。
個展の場所はドッグ・カフェですので、犬好きの方が圧倒的に多いのですが、ゆきちゃんの飼い主さんやお友だちと今年もお会いするために、猫の絵を何枚も用意しなければ、と思っているこの頃です。
執筆年
2014年
収録・公開
→「ゆきちゃんとミニチューリップ」(No. 68:2014年04月2日)