小島けいの世界

☆1 お知らせ


● 小島けい2021年カレンダー表紙<回転木馬>(カルーセル・エルドラド)

6月<子猫と山桃> ↓

「2021年のカレンダー」(2021/4/24更新)

 

● 「私の絵画館」を更新しました→「アイリッシュ・セッター(ローラ)とマーガレット」「続モンド通信30」(2021年5月20日)

 

 

「私の絵画館一覧」(No. 1 2018/12/29~)

 

● 「エセイ」を更新しました→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑨:贈り物」(2021年5月20日)

 

「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~一覧

 


☆2 連載:私の絵画館


●→「アイリッシュ・セッター(ローラ)とマーガレット」「続モンド通信30」(2021年5月20日)

 

 

● 「モンド通信」→「私の絵画館一覧」(81編)

 

● 「続モンド通信」→「私の絵画館一覧」(2018/12/29~連載中)

 


☆3  連載:小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬


●→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑨:贈り物」(2021年5月20日)

● →「小島けいのジンバブエ日記一覧」

 


☆4 カレンダー


● →「2021年のカレンダー」(2021/4/24更新) ↓

「2020年のカレンダー」、→「2019年のカレンダー」

 

● これまでのカレンダー→「今までのカレンダー」

 


☆5 本の装画・挿画


● 門土社(横浜)から出版された本の装画や挿画です。


アレックス・ラ・グーマ『まして束ねし縄なれば』(小島けい装画)

● 出版された本の一覧です→「本の装画・挿画一覧」(門土社)


☆6 作品紹介


<シェルターとモルディブの海>

「2018年個展 作品一覧」の中で紹介しています。

 

● さらに絵をご覧になれます→「作品紹介」

 


☆7 個展


 

● 2008~2012年:大分県飯田高原→九州芸術の杜ギャラリー夢

● 2013年~:世田谷区祖師谷「ルーマー」→Cafe &Gallery Roomer

 

● 2017小島けい個展→「個展始まりました!」

● 詳しくは「個展詳細」

 


☆8 額入りです


13_3_30ぎん君とももちゃんと三色菫

ぎん君とモモちゃんと三色菫です。

元の絵は→「新作です:ぎん君とモモちゃんと三色菫(2013/3/6)」

 

● 詳しくは→「額入り詳細」

 


☆9 販売情報


 

● カード、カレンダーを置いてもらっています

 

乗馬クラブ →COWBOY UP RANCH(宮崎市清武町大字今泉甲6618)
「はこ動物病院」(福岡県遠賀郡岡垣町吉木東)

 


 

☆10 更新ページに続きます →



私の絵画館:アイリッシュ・セッター(ローラ)とマーガレット(2021年5月20日)

続モンド通信 30(2021年5月20日)

アイリッシュ・セッター(ローラ)とマーガレット(小島けい)

 私が乗馬で通う牧場の犬たちは、代々<アイリッシュ・セッター>という犬種です。賢くて人なつっこく、走るのが大好きな犬たちです、

通い始めて間もない頃、レイチェルという犬が子供を産みました。全部で何匹だったか、6~7匹もいたでしょうか。レイチェルは一生懸命にお乳をあげましたが、とても追いつきません。

すると、いつも横にいるお婆ちゃんにあたるルーシーのお乳が、突然出始めました。それからは毎日、交替で子供たちにお乳を飲ませる日々となりました。

そんなことが実際に起きるのだ!?と、生き物の不思議にびっくりしたのを覚えています。

絵①「レイチェルと子供たち」

 お婆ちゃんのルーシーは、それから長く生きましたが、何年か前に静かに息をひきとりました。

オーナーのメグさんに、これでルーシーを描いてほしいと渡された写真は、目を閉じて寝ているルーシーに夕日が射し、毛が黄金色に輝いていました。

その毛の色が描きたくて、少し濃い目の紙を使いました。花は木立ちダリアを選びましたが。カレンダーのこの絵を見たある方が<この世ではないような>と言われました。

<ルーシーと木立ちダリア>

カレンダー「私の散歩道2018~犬・猫ときどき馬~」11月

 意識したわけではありませんが、ルーシーが天国で安らかに眠っていてくれたら……そう見えてもいいかなあ、と思いました。

いつのまにか年を重ねたお母さんのレイチェルも、ゆったり座っていることが多くなり、次はレイチェルとマーガレットを描きました。牧場にいる猫たち<ジェリー>(上)と<ジャガー>(横)にも登場してもらいました。

<レイチェルとマーガレット>

カレンダー「私の散歩道2015~犬・猫ときどき馬~」表紙絵

 牧場の下には日豊本線が通っています。

夕方に解き放たれた犬たちは、大喜びで牧場内を走り回りますが、時には雑木をわけ入り線路まで行ってしまうことがあります。

ずっと牧場で暮らしている犬たちはそのあたりのことがわかっているのでしょうが。やってきて間もないシェルターは、若くて元気がありすぎたため、ある日、電車にはねられて亡くなってしまいました。

<シェルターとログハウス> No. 54

カレンダー「私の散歩道2018~犬・猫ときどき馬~」11月

 このことがあってから、もう繰り返さないようにと、広馬場の少し上に、がけをけずって細長いドッグランが作られました。今では、みんないつでも自由に走り回っています。

<シェルター>では「モルディブの海」という絵も描きました。

<モルディブの海>

カレンダー「私の散歩道2019~犬・猫ときどき馬~」8月

 この絵を見たメグさんは、「シェルターを思い切り走らせてあげたくて。たった一度、シェルターだけを連れて海に行ったことがありました。その時のことを思い出します。」と静かに話されました。

シェルターが旅立った後にも、牧場では子犬たちが産まれました。何匹かいるなかで、牧場に残ったのがエリーとメイです。

幼なくて可愛いい二匹を、ラベンダー畑と一緒に描きました。

<エリーとメイとラベンダー畑>

カレンダー「私の散歩道2016~犬・猫ときどき馬~」表紙絵

 そしてこの絵は、レイチェルの子供の<ローラ>。2年前に亡くなった彼女を、オーナーがお好きなマーガレットと描きました。後ろは、牧場に何頭もいる、小さな種類の山羊です。産まれて間もないおぼつかない足どりで、ぴょんぴょん跳ねる子山羊たちです。

<ローラとマーガレット>

カレンダー「私の散歩道2021~犬・猫ときどき馬~」4月



小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~一覧

小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~一覧

⑨→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑨:贈り物」「続モンド通信30」、2021年5月20日)

⑧→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑧:桜舞う」、2021年4月20日)

⑦→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑦:猫の時代」続モンド通信28、2021年3月20日)

⑥→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑥:「梅見月に」「続モンド通信27」、2021年2月20日)

⑤→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑤:心臓は・・・?」「続モンド通信 26」、2021年1月20日)

④→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~④:再び、8月のパリで」「続モンド通信 25」、2020年12月20日)

③→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~③:8月のパリ」「続モンド通信 24」、2020年11月20日)

②→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~②:ぼちぼち いこか」「続モンド通信 23」、2020年10月20日)

①→「小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~①:土日の午後は」「続モンド通信 22」、2020年9月20日)



小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑨:「贈り物」

続モンド通信 30(2021年5月20日)

小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑨:「贈り物」(小島けい)

 

人の世は、一年前よりもさらに、先の見通せない状況になっていますが。季節は、人知れずきちんと少しずつ移っていて、山の黄緑が勢いを増し<山笑う>頃になりました。

そのような自然のなか、鳥たちはいつも通りの営みを続けています。

2年前、アトリエのベランダの庇(ひさし)に鳥が巣を作りました。その時のことを私は<巣立ちの後に>(「ナミブ砂漠」「続モンド通信8」2019年7月20日])という文章で、次のように書きました。

 

「この頃の私は、<子供たち>が巣立ってしまった寂しさを感じています。今どこで暮らしているのだろう?と空っぽになった場所を見ては、思ってしまします。

2,3ヶ月前だったでしょうか。アトリエのベランダで、しきりに鳥のなき声がするようになりました。窓の外を見ても姿は全く見えませんが、声だけは確かにするのです。

ところがそのうち、家の猫たちが朝ご飯の後、そそくさと2階に上がっていくことに気が付きました。そしてある程度の時間をすごすと<やれやれ、今日のご用事が終わりましたよ>という満足気な顔で階段を下りてくるのです。

2階で何をしているのだろうと見てみると、アトリエの窓の外を、網戸越しに食いいるように見ています。猫たちの後で私も一緒に外を見ていると、しばらくしてベランダのすぐ横に付けてあるBSの丸いアンテナに、一羽の鳥がバサッバサッと音をたてて飛んできました。口には細長い枯れ草をくわえています。そして、その位置から再び羽を広げてま上に飛び上がりました。

鳥は雀の3~4倍の大きさで、ほっそりとした姿です。初めて見る鳥でした。

草は巣作りに使うのでしょう。鳥は毎日何回も草をくわえて運んできました。その度に必ずアンテナに止まるので、猫たちは間近に見る実物の鳥に色めきだち、今にも網戸を破りそうな勢いです。

アンテナから次に一体どこに飛ぶのかしらんと、鳥が遠くへ出かけた後ベランダに出てみました。するとベランダの屋根の端の方に直径10cmほどの丸い穴が空いています。2・3年前新しいクーラーに替えた時、その穴の横にあらたに管を通したようで。不要となった以前の穴は、簡単には防いだはずですが。それがはがれ落ちてしまったのでしょう。

鳥はその穴から天井部分に入り、巣作りをしているらしく、枯れ草のはしが板のすき間から何ヶ所もはみ出して垂れていました。

それから毎日、猫たちと私は折をみては窓の外を観察しました。鳥はあいかわらず、外から帰ると必ず一度アンテナに止まり、まわりを確かめてから数10cm上の巣穴へ入りました。

そのうち天井あたりから幼いなき声がひんぱんに聞こえるようになり、親鳥の動きも俄然活発になりました。バッタのような虫をくわえて帰ってきては、すぐまた再び飛びたちます。

ある時、巣の中の声が異常にけたたましくなり、大騒ぎしているので見てみると、穴から追い出された1羽のスズメが、あわてて逃げ出していきました。不法侵入者を家族総出で追いはらったのでした。

そうこうしているある日、親鳥とそっくりな形の小さな鳥が、巣からおりてきてアンテナに止まり、次に向かいの家の屋根に飛んでいきました。

卵からヒナにかえった子供たちが、とうとう外へ飛べるようになったのです。私は嬉しくて、下絵用のノートにメモ書きを残しました。6月25日でした。

その直後、九州南部では恐ろしいほどの大雨となり、やむなくアトリエの窓にもシャッターをおろしました。

数日後大雨が一段落して、そおっとシャッターを開けましたが。その時、鳥たちはもういませんでした。雨が止むのと同時に、巣立ったようでした。

 

小鳥たちの巣立ちに少し寂しさを感じつつ、猫たちと私の特別な<今年の春>が終わりました。

もうすぐ、夏です。」

 

今回も、しばらく前から毎朝ベランダのあたりでしきりに鳥の鳴き声がしていました。猫たちが何か用事ありげに、2階のアトリエに通うところも一緒でした。

それでも、<まさかねえ・・・>と半信半疑だったのですが。先日机にむかっていると、後ろでバタバタと音がします。気づかれないようにそっと外をのぞいてみると、エサをくわえた親鳥が、やはりアンテナに一度止まり、そこから上の巣へと飛びました。2年前よりも小さく、モズを少し細くしたような姿でした。

種類は違うけれど<また鳥が来てくれた!>

気のめいるようなニュースが多いなか、ふあっと心のどこかが明かるくなりました。

このひそかな喜びは<同じ空間に、人間とはちがう生き物が、平穏に暮らしているよ>という鳥からの贈り物のような気がします。

きっとあとひと月もすれば、子供たちも飛び立ってゆくのでしょうが。それまでは今年も、私と猫の楽しみの日々が続きます。



私の絵画館:てんちゃんとつゆちゃんとネモフィラ(2019年4月20日)

「続モンド通信17」(2019年4月20日)

私の絵画館:「てんちゃんとつゆちゃんとネモフィラ」(小島けい)

 このところ、先の見えない毎日が続いておりますが、皆様いかがおすごしでしょうか。そして、犬ちゃんや猫ちゃんたちも、みんな元気ですか。

こちらは(正確には実情はわからないままに)全般的には、ゆるーい感じで時間が流れています。

それでも一応は、公民館でのジャズダンスの教室はお休みとなり、私は運動のため毎週のように牧場に通っています。

自転車で片道一時間。牧場で一鞍(約30分)乗って、帰りはまた自転車で一時間。なかなかの運動量です。けれど、牧場で馬・犬・猫・山羊たちに会い、帰りの田んぼ道できんぽうげやアザミを摘んで帰る。この普段通りのなにげない時間が、今の私には、ひとしお大切なひと時になっています。

これからどのようになってゆくかは全くわかりませんが。皆様と元気にお会いできる日を心待ちに、できる限り穏やかな気持ちで、絵を描き続けてゆけたら…と思っております。

てんちゃんとつゆちゃんとネモフィラ

2008年4月24日、元のら猫のアリスは家で5匹の子供を産みました。

アリス(パステル)

その中で一、二を争う美人猫が、当初さやちゃんMちゃんと呼んでいた猫たちでした。

この二匹は後に優しいご家族と出逢い、今も楽しく元気にすごしています。

毎年、年賀状で様子を知らせて下さっていましたが。本当に有り難いご縁で、感謝の気持ちを改めてお伝えしたいと、昨年二匹の絵をかかせていただきました。

美しい猫たちですので、やはり美しい花と一緒に描きたい!と思い、淡いブルーの<ネモフィラ>を選びました。

それがこの絵です。

昨年末絵をお送りしたところ、しばらくたって<ずいぶんとお礼が遅くなりましたが・・・・>と、かわいいミニアルバムが届きました。

そこには、てんちゃん(さやちゃん)とつゆちゃん(Mちゃん)の他に、同居しているまめちゃんとチーちゃんの写真もありました。残念なことに、唯一の男の子だったまめちゃんは<昨年天国に旅立ってしまいました>とありましたが、4匹とご家族のほほえましい日常のお写真が、絶妙なコメントとともに飾られていました。

このような素敵で心のこもったアルバムを作るには、ずいぶんの手間と時間がかかっただろうと思われました。

アルバムを何度も見なおしながら、二匹の絵をほんとうに喜んでいただけたのだなあと実感し、いつものことですが、仕上げるまでの大変さがすうっと後ろに遠ざかってゆきました。

アリス(水彩)



2019年のカレンダー

2019年用のカレンダーです ↓

表紙

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月



2020年のカレンダー

2020年用のカレンダーです ↓

表紙

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月



2021年のカレンダー

2021年用のカレンダーです ↓

表紙

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月



今までのカレンダー(2004年~2021年)作業中

今まで作ったカレンダーです

 

「私の散歩道2021~犬・猫・ときどき馬」

 

 

「私の散歩道2020~犬・猫・ときどき馬」

 

 

「私の散歩道2019~犬・猫・ときどき馬」

 

 

「私の散歩道2018~犬・猫・ときどき馬」

 

 

「私の散歩道2017~犬・猫・ときどき馬」

 

 

「私の散歩道2016~犬・猫・ときどき馬」

 

 

「私の散歩道2015~犬・猫・ときどき馬」

 

→「私の散歩道2014花」(作業中)

 

「私の散歩道2014~犬・猫・ときどき馬」

 

 

「私の散歩道2013~犬・猫・ときどき馬そして鸚鵡~」

 

 

→「私の散歩道2013花」(作業中)

 

「私の散歩道2012~犬・猫・ときどき馬~」

 

 

「私の散歩道2011~犬・猫・ときどき馬~」

 

 

→「私の散歩道2010」(作業中)

 

 

→「私の散歩道2011花」(作業中)

→「私の散歩道2010」(作業中)

→「私の散歩道2010花」(作業中)

→「私の散歩道2009花」(作業中)

 

「私の散歩道2009」

 

 

 

→「2008年」(作業中)
→「2007年」(作業中)
→「2006年」(作業中)
→「2005年」(作業中)
→「2004年」(作業中)

(2004年~2008年は世の中に一つだけのカレンダーです。)



小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑧:「桜舞う」(2021年4月)

続モンド通信 29(2021年4月20日)

小島けいのエセイ~犬・猫・ときどき馬~⑧:「桜舞う」(小島けい)

のあと桜:カレンダー「私の散歩道2010~犬・猫ときどき馬~」4月原画

春は桜、ですが。

今年の3月は慌ただしく、一瞬住宅地横にある小高い公園を訪れただけでした。

私が絵を仕事として描き始めたきっかけは、横浜の小さな出版社<門土社>の社長さんから“装画を書きませんか”と声をかけていただいたことでした。

その社長さんは、東大の医学部を卒業した時、お父様から病院を建てるようにと送られたお金で、かわりに出版社を立ち上げたという変わった方です。

いわば、独断と偏見の固まりのような人でしたが。そのおかげで、何故か相方を弟のように気に入って下さり、私まで気にかけていただきました。

装画を描き始めた頃は、花のシリーズを二つ担当していましたので、ずいぶんと長い間花ばかりを描いていた時期があります。

その頃のことを→「のあと桜」(私の絵画館4 モンド通信 No. 20:2010年3月21日)という題で、次のように書きました。

 

「花を描く時は、できる限り本物の花を目の前にして描きたい、と思います。色も形も香りも、自然に勝るものはないと思うからです。

そのためモデルとなる花を手に入れるのは、ひと苦労です。花屋さんで買うことのできる場合はまだ楽ですが、桜となるとそうはいきません。★ 続きは題をクリック ↑

桜はたいてい街路樹として植えられていたり、公園のなかにあります。大きな声ではいえませんが、絵を描くためとはいえ、公共のものを幾枝かいただくわけですので、非常に気を遣います。

避けられればよいのですが、たとえばずっと以前に描いた装画の場合、本の題名が「桜殺人事件」となっていましたので、桜以外の花は考えられませんでした。

『桜殺人事件』(門土社総合出版、1994/8/4)表紙絵

「本紹介16 『桜殺人事件』」

 その時は、雨の夜を選び、いよいよ決行という時。あさはかな私は、目立たないためには黒しかない、と思いました。黒の上着、黒のズボン、黒の長靴、黒の帽子。手には大きな黒の旅行バッグと黒の傘。

いざ出発、とでかけましたが、目的地の公園までには、車の通る道路を歩かねばなりません。夜遅めの時間を選んだつもりでしたが、車は思いのほか通っていました。でも、花泥棒をするわけですから、ライトに照らされて顔を見られてはいけません。対向車のライトが近付くと、黒装束で、散歩には不似合いな大きな旅行バッグをさげた相方と私は、パッと傘を下にさげ、顔を隠して通りすぎます。

その夜、そんな苦労をして、ほんの幾枝かをいただきました。

後日、お友だちのご夫婦に、その雨の夜の出来事を話したら、そんな不自然な格好をしていたらそれだけで目立ちすぎでしょう、と大笑いされてしまいました。なるほどなあ、と納得してからは、さりげない格好をして、さりげない大きめの袋をもって、桜の木に近付くようになりました。

今回、桜を見上げているのは、猫の“のあ”。7年前、渋谷中央郵便局の前で、生まれて間もない状態で泣き叫んでいたのを、娘が保護しました。

今では、この家で、新しい猫ファミリーと少し距離を保ちながら、犬のように人懐っこくすごしています。」

 

何年か前、私の絵の数少ない理解者であり、お友だちでもあった編集者の方が旅立たれました。明日手術で入院、という時電話があり、「退院したら、またお電話しますね」と約束して下さいましたが。電話の無いまま、長すぎる闘病生活となりました。

彼女を見送った数年後、30年以上家族のように接して下さった社長さんも、あちらの世界に逝ってしまわれました。

やはり桜は、美しすぎて、儚すぎます。

のあと桜:カレンダー「私の散歩道2010~犬・猫ときどき馬~」4月