アフロアメリカの歴史と音楽(前期用)

7月5日

雨ばっかりで鬱陶しい日が続くねえ。前期もあと3回、今回もその日に書けずに、日曜日になってしまいました。大きなクラスでは来週に2回目の課題を集めて、授業が終わる頃には成績をつけとこうと思ってるけど、そううまいこと行くかな。毎年引き摺って引き摺って、へたすると成績が出るのがお盆過ぎになったり。

12回目の授業でした。

公民権運動の映像とニューオリンズの映像を中心にみてもらいました。

1954年の最高裁での公立学校での人種隔離は違憲判決に従って、実際に黒人の高校生が白人の高校に入学する際に起こったアーカンソー州リトルロックの高校事件を題材にした映像「アーカンソー物語」(Crisis at Central High)をみてもらいました。
白人の狂気、PTAの凄まじさ、今の時代にはほとんど見られない光景やけど、僕が受けた大学院での日教組の反対運動や、入学する1年前の東大安田講堂での学生と機動隊の攻防など、身近にあった光景です。
(僕が諦観を抱き世の中に関心を持てなくなった入った大学でさえも、まだ学生運動のなごりで、授業をしないで毎日クラス討議→学舎封鎖(写真↓神戸市外国語大学旧学舎)→機動隊による排除を冷ややかに眺めていました。)

黒人生徒の入学を阻止するのために州兵が出動、それを大統領命令で州兵を連邦政府軍の配下に置いて、今度は連邦政府軍が出動、それまでは考えられなかった天と地が逆さまになったような事態、公民権運動の間はずっとそんな状態が続いていたようです。
その大学版のミシシッピ州立大学、アラバマ大学事件とワシントン大行進の映像も観てもらいました。

マルコムXの映像と、映画マルコムXの冒頭だけ紹介しました。
歌は、ニューオリンズのゴスペルとマヘリア・ジャックソン、それにメンフィスのエルビスプレスリー。

最後にワシントン大行進で歌ったマヘリア・ジャックソンのWe Shall Overcome。

今日聴いてもらえなかったビリー・ホリデイのStrange Fruitと、シカゴ・ブルース、ソウル、We Are the Worldは紹介したいね。

次回は、先に2回目の課題を一人一人顔を見ながら集めてから、「招かれざる客」(Guess Who’s Coming to Dinner)。2時間ほどの映画なので最後まではいけないけど、観てもらえるところまで。(主演シドニーポワチエ↓)
毎回来てくれてるのが30人あまりやから、そう時間はかからないと思うけど、それ以外の人が問題やな。
今回は前にも言ったように、基本的には次回の提出日で直接受け取るのが原則、受け取るのは遅くても最後の授業の時まで。
2回目にしっしょに出したりとかも含めてあんまりええかげんなのは(出すのは勝手やけど)、成績は出さないつもりです。後期も持つつもりなんで、後期出直してや。(後期が最後かも)

配ったプリント:We Shall Overcome(B4表裏1)、Strange Fruit(B4表裏1)

12日(木)に、また。

アフロアメリカの歴史と音楽(前期用)

6月21日

10回目の授業でした。あと5回になってしもうたね。歌を聴いて、公民権運動とその映画を観てもらって、時間切れになるかもね。

今日は歌をたっぷり聴いてもらおうと思ってたけど、five penniesの中のThe Battle Hymn of the RepublicとWhen the Saints Go Marching inの二つだけしか紹介できなかったね。全体の流れを掴んでおいてもらおうと、配ったAfro-Ameican Songsの英文プリントを読んで解説しました。二冊書いた英文の本のうちの2冊目の4章で書いたものです。

次回は、

①ニューポートジャズフェスティバルでのルイ・アームストロングのトランペット演奏とマへリア・ジャクソンを観て、聴いてもらってから、

②ルイアームストロング(環境ロボ1年の北條くん)とマへリア・ジャクソン(環境システム4年の岡くん、あとから言いに来てくれました)の発表を聞いて、

③クロマティのゴスペルのミシシッピ→メンフィス→ニューオリンズを観て、聴いてもらうつもりです。

ルイアームストロングとビリーホリデイの歌も聴いてもらえるかも。

そのあと1896年の「隔離すれども平等」の最高裁での判決の話をしたあと、1954年の公立学校での人種隔離は違憲という最高裁の判決やその辺りの世界情勢も紹介出来ればと思っています。

前回も書いたけど、リトルロックの高校事件、キング牧師、バスボイコット運動、マルコムX、ワシントン大行進を調べて、誰か発表せえへんかな。

50人足らずしか来てないみたいなので、去年配ったCDを配れそうです。今まで観て、聴いてもらった映像ファイルや音声ファイルを入れてあります。気に入ったものは何回も聴いてもらえると思います。

また、来週に。

アフロアメリカの歴史と音楽(前期用)

6月14日(17日の日曜日になってしまいました。)

9回目の授業でした。
先週は予備日で授業がなかったし、授業の終わったあとにまた書けなかったんで、何とか書いとかないとね。

最初に三つの山の話

①が奴隷貿易と奴隷制、
②南北戦争と反動、
③公民権運動とその後

を大枠で辿ったあと、

南部の大荘園主と、奴隷貿易で潤った資本で産業化の結果生まれた北部の産業資本家が奴隷制を巡って起こした市民戦争=南北戦争の話と、3%の支配階級=大荘園主が奴隷所有者と大半の労働者階級=奴隷と貧乏白人の間にカラーライン(人種隔離政策)を引いて人種差別(賃金格差)を利用した実態について再確認しました。

北部(共和党)が担いだリンカーン(写真↓)が大統領になって南北合一のために戦争はしたものの経済力が拮抗していたために最終的な決着はつかずに、北部の自由な黒人の参戦の見返りに出した奴隷解放令だけが残り、元奴隷にとっては体制が変わる(賃金が上がる)ことはなく、奴隷が小作という名前に変わっただけでした。

北軍の占領政策は行われたものの北軍が去ったあとの南部の寡頭勢力の反動は凄まじく、1896年の隔離すれども平等という最高裁の判決を引き出してしまいました。

カラーラインを維持するために、奴隷制で貧乏白人を奴隷狩りや奴隷の調教師に雇ったように、貧乏白人を利用してリンチやKKKで元奴隷を締め付け続けました。

 

その文脈で、畜産草地の松浦さんと中田さんがKKKの成り立ちやその後について詳しく発表してくれました。非常にわかりやすく、しっかりとまとめられてたね、今回も。

少ししか時間がなかったけど、スピリチュアルの続きでGolden QuartetのGo Down, Moses,とJoshua Fit the Battle of Jericoを聞いてもらい、1990年にBSで放送されたゴスペルの旅の冒頭、元巨人選手クロマティの地元マイアミの教会の紹介の場面を見てもらったところで時間切れでした。
次回はその続きで、ゴスペルをたっぷり観て、聴いてもらうつもりです。

反動の時期の映像も少々紹介して、公民権運動に繋げたいと思っています。1950年、60年代の公民権運動は資料も多いし、リトルロックの高校事件、キング牧師(写真↓)、バスボイコット運動、マルコムX、ワシントン大行進など、調べて発表して欲しいと思っています。

この土日も、課題読めなかったなあ。8コマの授業でアップアップ、です。

また、来週に。

アフロアメリカの歴史と音楽(前期用)

5月31日

8回目の授業で、後半に入りました。
きのうは書けなかったんで、今日は書いてとかないとね。来週は予備日で授業がないので、会うのは再来週やもんね。

1回目の課題と「ルーツ」の感想文を集めました。

最初に「ルーツ」の続き、奴隷市、農場の様子、クンタ・キンテの1回目の逃亡の場面を観てもらいました。

英文については、最初は一人で逃亡したが、やがてグループで反乱を起こすようになり、1959年にはジョン・ブラウンの蜂起があって、白人社会に衝撃を与えたという流れを解説しました。
そのジョン・ブラウンを称えたJohn Brown’s Bodyを工学部の蓮田くんが歌ってくれました。感激やね。100点つけとくでえ、ほんま。

歌の続きはまずディオンヌ・ウォーイックのThe battle Hymn of the Republic、司会はフィドラー(Fiddler)役のルイス・ゴセット・ジュニアでした。
ポール・ロブソンのDeep Riverを紹介したところで時間切れ。

次回はGo Down, Moses, Joshua Fit the Battle of Jericoを聞いてもらい、今日配ったプリントにある奴隷解放(南北戦争)と反動、について。

それでも時間があれば、The battle Hymn of the Republicの続きとゴスペルの紹介を。

一つの山が奴隷貿易と奴隷制、2つ目が南北戦争と反動、3つ目が公民権運動、次回から2つ目に入ります。

配ったプリントは英文(奴隷解放と反動、B4表)とJohn Brown’s Body(B4裏)、英文(奴隷解放と反動、B4表裏)

忘れてなかったら、紹介したもののファイルがなかったマンディンゴの奴隷市と大農園での奴隷売買、主人公単独の逃亡の場面を観てもらうつもりです。

課題は出来るだけ早く読むつもりやけど。

また、来週に。