13回目でした。今日はよう降って大変やったやろに、全員来てたねえ。
もう7月、みんなが入って来てから3ヶ月が経ったわけや。もう少しで前期も終わり、この授業も今日が13回目、あと2回になりました。
来週7月10日が14回目→:2回目の課題提出、黒木くんの2回目のアンケートらしいです、よろしく協力を頼みます。
7月17日(月曜日の振替)、7月24日(合同授業で済み)は授業なし
最終授業が7月31日です。
<今回は>
CNNニュースのListening Comprehension Practiceをやったあと聞き取り(川島さんが用紙を忘れたんで、僕が代わりに)と新聞記事の続き(佐原くん)。新聞記事の最後↓
「The United States, which propped up Mobutu during the Cold War as a bulwark against communism in Africa, has been at the forefront of pressure for democracy in Zaire.
アメリカは、冷戦の間アフリカで共産主義に抗する防波堤としてモブツを支援してきましたが、今は最前線に立って、ザイールでの民主主義を求めて圧力をかけています。」
を受けて、モブツ政権崩壊の経緯とその後のカビラ政権について配ってある記事を参照にしながら解説しました。特に早期の選挙を急かせるアメリカに対して「道徳的にそんなことが言える資格があるんか、西洋諸国は少しは恥を知る方がいい」と言った元タンザニア大統領ニエレレと、ザイールの荒廃の今こそ自分たちで国のことをやれる最大のチャンスと捉えた元タイムズ記者で後に歴史家になってたくさんの本を書いたバズル・デヴィドスンの話は圧巻、是非読んでもらいたいなあ。どっちもアメリカ英語やないんでちょっと難しいけどね。
ニュースの発音(flare, fertile, forested, lying dormantなど)や、英語独特の表現(from nowhere, A mission will have to be financed by other countries, not hisなど)を、結構詳しく。特に日本語と英語の基本的な発音や構造の違う言葉をめぐって説明しました。
transcription(日本語訳も)と新聞記事の日本語訳(つづき)を最後に貼っときます。細かいところは見比べてや。
<次回は>
映像で歴史背景(独立・コンゴ危機→レオポルド2世のコンゴ自由国:植民地時代→植民地争奪戦・ベルリン会議と植民地分割あたりまで)を観てもらおうと思っています。
それからERの映像を少し紹介したあと、エイズ。少なくとも、①HIVの複製のメカニズムと②抗HIV製剤について、はやりたいと思っています。時間があれば、エイズをどう捉えるかや、HIVが生物兵器として製造されたと告発したアメリカの医者たちの主張、エイズの歴史・世界エイズ会議をめぐって、などの話をして、抗HIV製剤が開発される以前のERの中のエイズ患者の治療をめぐっての医師の対立の映像などを観てもらえるといいと思ってるけど、時間あるやろかなあ。
ヨーロッパ人が来る前のアフリカや、その新蓄積が産業革命を可能にし、資本主義を加速度的に発展させることになった奴隷貿易、奴隷貿易で主に西アフリカから連れて行かれたアメリカの話もしたかったけど、どう考えても時間がないもんね。
来週に、また。
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日曜日の朝に、電話がかかってきました。信州で小児科医をしている蓮見くんからです。プリントで配っているアフリカの音楽について書いてくれた服部くんや工業高校を出たあと看護士になってボリビアに海外青年協力隊で行ったあと二年宅浪をしたあと医科大に入って来た夏目くんなんかと部屋でよういっしょになってた卒業生で、信州の佐久総合病院で研修を受けて、そのまま気に入って、今は家を建てて住んでいます。永住するようで。
佐久総合病院は地域医療の発祥の地みたいで、研修制度もいいからとそこで初期研修を受けて小児科医になったみたい。作家の南木佳士さん(『医学生』で直木賞をもらったかな)も精神科医として今もいるようです。僕は小説を書く時間がほしいと大学の教員になったけど、南木さんは医者をしながら書いてるみたいです。そろそろ書いて新人賞向けに投稿しようと思って「文学界」の募集要項をコピーするついでにぱらっとめくったら、南木さんも原稿を書いてはったな。
蓮見くんは東京の私学を出たあと、海外青年協力隊員としてジンバブエで体育の教師をしてから医科大学に。今回は剣道部の集まりに久しぶりに出るために来るようで、日曜日は日南で用事を済ませてから、お茶でも、ということになってます。
小児科医、佐久総合病院、小児科医に感心ある人は、14日(日)の昼過ぎからいっしょに話は出来るよ。
ときどき、そんな電話がかかって来るね。退職前には秋田から子供三人を連れて(内科の女医さん)、岡山からは長男といっしょに(高校の教員をしてるときに二年間担任した男性)、岸和田からはご主人と子供さんを連れて(看護学科ソンクラ研修第一号)。
今回は、医学科の人や地域資源の4年生も誘おうかと思っているけど、どうなるやろなあ。
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transcriptionと日本語訳(僕がやったところに日本語訳をつけたものです。)
In Zaire the deadly Ebola virus has claimed more than one hundred lives. At least thirty six more are infected with the disease. And Gary Striker reports the source of Ebola still eludes scientists:
ザイールでは致死的なエボラウィルスによって百名以上の死者が出ました。少なくとも更に36以上がその病気に感染しています。ゲイリー・ストライカーは、科学者にもいまだに原因が解っていないと、次のように報告しています。
“A thousand kilometers north of the Ebola outbreak, Zaire’s President Mobutu visits the town of Gimena. He arrived here from the capital where the population faces the threat of an epidemic, now less than two hundred kilometers from Kinshasa. For the people here Ebola seems very far away, too far they would say to affect their lives. But until last month world’s only Ebola victims were found in this remote region. For nearly twenty years the only known outbreaks of Ebola have been reported here in northern and neiboring Sudan. But the latest epidemic in the southwest has convinced many scientists that Ebola virus is probably lying dormant over wide area of tropical Africa. What scientists do not know is where to find the virus between human epidemics. When it flares up apparently from nowhere, spreads and kills its victims quickly, then disappears just as fast."
エボラ騒動のあった場所より千キロ北部にあるギメナの町をザイールのモブツ大統領が訪れています。キンシャサから二百キロも離れておらず、今現在疫病の危機に直面している首都からこの町に到着しました。ここの住民にはエボラはまったく遠くの出来事のようで、余りにも遠く離れているのでまったく生活に影響はないと言えそうです。しかし先月までは、エボラの犠牲者が出たのはこの遠く離れた地域だけでした。ほぼ二十年間でエボラウィルスの発生が報告されたのは隣国スーダンとの境の北部のこの辺りだけです。しかし、南西部で発生した最近の疫病で多くの科学者はエボラウィルスはあそらく熱帯アフリカの広い範囲で至る所に潜んでいると確信を持ちました。科学者に解らないのは疫病が流行るたびにどこでウィルスを見つければいいのかということです。どこかはっきりしない場所からわーっと広がって蔓延して犠牲者を出しては素早く、できるだけ早く消えてしまいます。
“People speculate whether plants, animals, insects or whatever we don’t know. That’s what we really would like to know."
「人々は植物か動物か昆虫か私たちの知らないものが原因だと思っているようですが、それは私たちが本当に知りたいと思っているものです。」
Somewhere in this fertile and forested region the Ebola virus is carried by an animal or insect or maybe even a plant. A vector organism carries the virus without harm to itself eventually passing it to a human victim. Finding the vector for Ebola will be a major step in understanding the virus and eventually finding a way to save the lives of its victims. The first priority now for the international medical team in Kikwit is to contain the Ebola outbreak. Beyond that a long process of investigation and analysis lies ahead. Months and probably years of field work to track down the virus on its homeground. A mission, President Mobutu says will have to be financed by other countries, not his. But this is an era of budgets cutbacks for science. And even if money is available for research on Ebola, finding out where it hides and how to kill it could still be at the far end of a very long road. Gary Striker, CNN, Gimena, Zaire."
この豊かな森林地帯のどこかに、エボラウィルスは動物か昆虫か、あるいは植物によって運びこまれて来ています。病気の媒介生物が自分自身は被害を受けないでそのウィルスを運び、実際に人間の犠牲者にそれを伝染させます。エボラの媒体生物を発見することが、ウィルスを理解し、実際に犠牲者の命を救うための大きな歩みになるでしょう。キクウィットの国際医療チームが今一番しなければいけないのは、エボラの発生を抑えることです。そのあと、調査や分析の長い過程が先に待ち受けています。何ヶ月も、おそらく何年もかけて現地調査を行ない、ウィルスが発生した土地でウィルスを追跡しなければなりません。特別任務を請け負う人たちは自分ではなく、他の国から財政支援を受けることになるだろうとモブツ大統領は語っています。しかい今は科学予算の削減の時代です。たとえエボラの研究に予算がついたとしても、ウィルスがどこに潜んでいるのか、ウィルスを如何に撃退するのかの解決策を見いだすのは、道の遙かにかなたの話になりそうです。ケーブルネットワークニュースのゲイリー・ストライカーが、ザイールのギメナからお伝えしました。
新聞記事日本語訳(佐原くんがやってくれたところです。前回の分もいっしょに載せときます)
The Ebola virus outbreak in Zaire has refocused attention on the vast nation of 40 million people in the heart of Africa that has lurched from one crisis to another since independence from Belgium in 1963 (sic).
ザイールでエボラウィルスが発生して、1963年(原文のまま)のベルギーからの独立以来、数々の危機に揺れ動いて来た中部にあるアフリカ4000万人の広大な国に再び注目が集まりました。
The virus, for which there is no known cure or vaccine, has killed at least 64 people.
治療薬もワクチンも知られていないウィルスは少なくとも64人の死者を出しました。
Many Zaireans are openly angry at the government of President Mobutu Sese Seko, who has ruled unchallenged for most of the past 30 years and, according to critics, salted a way (sic) a personal fortune estimated in billions of dollars.
批評家によれば、多くのザイール人が過去30年間無投票で当選し、不正にためこんだ個人の資産が数十億ドルにのぼるといわれるモブツ・セセ・セコ大統領の政府に公然と腹を立てています。
Opposition commentators and independent journalists blame the frequency of epidemics and lack of resources to deal with them on corruption and mismanagement of the wealth of a country blessed with just about every strategic mineral known to man.
反対派の批評家やフリーのジャーナリストは、流行病が頻繁に起こるのも、取り扱う資源が不足するのも、既知のあらゆる戦略的に重要な鉱物資源に恵まれている国の富の管理ミスと賄賂のせいだと指摘しています。
“Mismanagement of public resources that leads to poor management of the environment create opportunistic factors for the birth and spread of epidemics," lamented an editorial in the opposition newspaper Le Palmares.
「環境の管理不備に繋がる、公共資源の管理ミスが日和見的な要因を作り出して、流行病を発生させたり、広げたりしている。」と反対派の新聞ル・パルメール(Le Palmares)の社説は嘆いています。
“Health facilities are in a deplorable state. We have been heading for disaster for a long time," Lambaert Mende, spokesman for Zaire’s chief opposition leader Etienue Tshisekedi said.
「医療関係施設は悲惨な状況です。私たちは長い間、大災害が起きてもおかしくない方向に向かって進んできました。」とザイールの野党指導者エティニュエ・ツィセケディ(Etinue Tshisekedi)のスポークスマン、ランバエルト・メンデ(Lambaert Mende)は言いました。
Corruption has eaten deep into the fabric of Zairean society and government and even quarantine measures announced to keep the Ebola virus from the capital of five million people are being undermined by bribery, Kinshasa city officials say.
賄賂はザイールの社会と政府に深く染み込んでおり、500万人が住む首都をエボラウィルスから守るために発令された隔離手段でさえも賄賂がきく有様です、とキンシャサ市職員が言います。
Public workers are owed several months salary and bribery has become a way of life.
公務員は何ヶ月分もの給料を払ってもらえず、賄賂は生活の一手段となってしまっています。
The virus is stretching Zaire’s decrepit medical services, already hard pressed, to cope with the scourge of AIDS, which has hit Zaire harder than most countries.
ウィルスはザイールの老朽化した医療機関に広がっており、医療機関はたいていの国よりも激しくザイールを襲っているエイズ禍の対応追われています。
Zaire’s political problems began early: Katanga, which today is the mineral-rich province of Shaba, made a disastrous attempt at secession, 11 days after independence from Belgium. It was forced back after three years of bloody conflict.
ザイールの政治の問題は早くに始まりました。鉱物の豊かな現シャバ州であるカタンガ州はベルギーから独立した11日後に、不幸な結果に終わった分離工作が謀られました。その分離工作は血まみれの闘争の3年後に強行されました。
The second largest country in sub-Saharan Africa. Zaire has rich farm and watered by the Zaire river, formerly River Congo.
サハラ以南のアフリカで2番目に大きい国ザイールには豊かな農場があり、旧コンゴ川のザイールの川から水の恵みを得ています。
The country is blessed with some of the best copper deposits in the world but the engine of its economy, the state mining collosus Gecamines, has virtually ground to a halt."
その国は世界でも有数の銅の埋蔵量を誇っていますが、経済のエンジンである国営巨大鉱山会社ゲカマイン(Gecamines)は、事実上操業を停止しています。
Copper production dropped from a peak of 500,000 tons to under 50,000 tons in 1994. Cobalt production slumped too.
1994年には、銅の製造量は最盛期の50万トンから5万トン以下にまで落ち込みました。コバルトの製造量も同じようにひどく落ちみました。
The government has dissolved three core companies in the Gecamines group and not said what will become of the state company, which generates over 70 percent of its hard currency.
政府はゲカマイン(Gecamines)グループの中の3つの中心会社を解散させ、硬貨の70パーセント以上を製造する国営会社の先行きについては言及していません。
The World Bank, International Monetary Fund and creditors led by former colonial power Belgium abandoned Zaire long ago.
世界銀行も国際通貨基金も旧宗主国ベルギーが仲立ちをする債権者たちも、ザイールをずっと以)前に見捨てています。
With inflation running close to five digits, the government has periodically reverted to printing mountains of worthless money.
インフレ率が5桁近くなりつつあるインフレで、政府は定期的に価値のない紙幣を山のように印刷するようになっています。
The capital Kinshasa is still recovering from waves of looting by unpaid soldiers in 1991 that forced France and Belgium to send troops to evacuate Europeans.
首都キンシャサは、ヨーロッパ人を退去させるための軍隊派遣をフランスとベルギーに強いた、給料を払ってもらえない兵士たちによる1991年の数々の略奪行為から何とか立ち直ろうとしているところです。
The United States, which propped up Mobutu during the Cold War as a bulwark against communism in Africa, has been at the forefront of pressure for democracy in Zaire.
アメリカは、冷戦の間アフリカで共産主義に抗する防波堤としてモブツを支援してきましたが、今は最前線に立って、ザイールでの民主主義を求めて圧力をかけています。