連絡事項
来週11月6日(水)は月曜日時間割で授業はありません。
10月30日、6回目の授業でした。
今日はいろいろ話をしたんで、原くんのHIV増幅のメカニズム、だけで終わってしもうたね。
前半のクラスで途中で授業をやめて出てきたこともあって、今の時間を大事にしぃや、みたいな話。特に意識下の言語の話。今医学科の研究室でデータがないから、家に帰って、医学科に来た日に送られてきた關さん(東大の医学部を出て、横浜で出版社門土社をやってはった人)からの分厚い手紙の一部を見つけて、載せときます。↓
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<次回は>今日やれなかった分も含めて
* コメント(何人か)
* エイズ(エイズの症状など、森さん)
アフロアメリカの
* 「ルーツ」の映像を少々。
* Battle Hymn of the Republicなどの紹介
紹介する予定のDionne Warwick
また、次回に。次回は骨の試験も終わってるんかな。
→關さんの手紙の一部
意識下の言語について
「・・・闇は光です この眼に見えるものはことごとく まぼろしに 過ぎません 計測制御なる テクニカル・タームをまねて 『意識下通信制御』なるモデルを設定するのは またまた 科学的で困ったものですが 一瞬にして千里萬里を飛ぶ 不可視の原言語のことゆえ ここは西洋風 実体論的モデルを 御許しいただきたい 意識下通信制御を 意識下の感応装置が 自分または他者の意識下から得た情報を 意識下の中央情報処理装置で処理し その結果を利用して 自分または 他者の行動を 制御することと定義するとき 人の行動のほとんどすべては 意識下通信制御によるものだと考えられます 少なくとも東洋人とアフリカ人には あてはまるはずです 私たちの行動のほとんどすべては 意識下の原言語できまるのであって 意識にのぼる言葉など アホかと思われるほど 些末なことです その些末を得意になって話しているのが ほかならぬ 学者文化人であって もう ほんまに ええかげんにせえ と 言いたくなります・・・」
あなたら医学生について
「・・・生物の成長というのは 細胞が個数を増す 細胞分裂と分裂によって 小型化した細胞がそれぞれ固有の大きさを とりもどす細胞成長とによって 達成されます 生物は本質的に成長するものなのですから 各細胞は 成長の第一条件たる 細胞分裂の傾向がきわめて強いのです しかし 無制限に 細胞の個数が増加して その結果 過成長すると こんどは 個体の生命が維持できなくなります そこで遺伝子の〝細胞分裂欲求〟は 不必要なときには 抑制されています この抑制因子を モノーという人は オペロンと名づけました モノーのオペロン説です フランスというところは 困ったものでいまだにデカルトの曽孫のような顔をした人たちしかいません このモノーも デカルトの曽孫にちがいありません しかし 話を簡略にするためには このオペロン説は 便利です 化学変化を説明するのに 結合手なる 手を 原子または原子団がもつものとするのに似て こっけいですが御許しいただきたい さて このオペロンが はずれてしまうというか 抑制因子がはたらかなくなったとき 細胞は 遺伝子本来の 〝分裂欲求〟に忠実に従って 際限なく 分裂を繰りかえします ガンです そして ガンになりやすい体質は遺伝します これはオペロンが はずれやすい傾向が子や孫に伝わるためです たしか 一九二◯年代に 有閑階級という新語をつくり流行させたアメリカの社会学者の言説をまつまでもなく ヒトは〝侵略遺伝子〟を持っています ヒトがすべて侵略者とならないのは この恐ろしい 〝遺伝子〟にも オペロンのおおいがかけられていて 容易には 形質を発現することがないためです ツングースの〝侵略遺伝子〟のオペロンは 窮迫によってはずされてしまったのです それも ほんの七千年か八千年ほど前のことです そして このオペロンのはずれやすい傾向は 連綿と受けつがれ いまなお 子や孫が風を切って 日本じゅうをわがもの顔に歩きまわっています 天孫降臨族の末裔たちです 手っとりばやくのしあがることだけをひたすら思いわずらい 四六時中 蛇(蛇くんに邪気などない)のごとき冷たき眼を油断なく 四方八方にくばる この侵略者たちは もちろん 効率百パーセントの水平思考を好み鉛直思考など 思いもよらぬことなのです 玉田先生が 鉛直下の原言語に乱されて 思考が中断するなら 私のほうは 鉛直上の原言語に吸いとられて思考が消失します 中断と消滅 軽重の違いはあっても 二人とも やはり 頭が悪いのは 確かなようです その点 最近の学生は とくに 医学生は 頭の良い子ばかりだそうです なにしろ なんかの方法で 受験勉強をしなかった子は いないというのですから 〝学問〟に対する その真摯な態度と勤勉に 驚かずにはいられません これは頭の良い両親の指導のもとに 水平方向に 己れの行く末を見つめ かっちりと計画がたてられる 頭の良い子であることを意味しています 鉛直方向によそみをすることなど 思いもよらぬ 天才少年です・・・しかし〝頭の良い〟学生たちと〝頭の悪い〟玉田先生 この両者に虹の橋はかけられないと絶望するのは早すぎます 学生たちの 眠っている 意識以前に 無言で語りかけてください・・・意識下通信制御です 百億年の因縁なんぞ信じないぞ 数百万の祖霊 そんなものは ミイラに食わせてやる などと仰言ってはいけません そうすれば 玉田先生の学生のなかから 医者や医学者ではなく 医家が 必ず 生まれることを かたく 信じてください そして もちろん 学生に 好かれるように行動するのではなく いつも 御自分からすすんで 学生のひとりひとりが 好きになるようにつとめてください 〝良い頭の〟学生は 医学生の責任だとはいえません 親はもちろん あらゆるものがよってたかって腕によりかけ 作りあげた〝高級〟人形であっても愛着をもってやれば ある日 ぱっちり眼を開き 心臓が鼓動をはじめ 体のすみずみに しだいに ぬくもりがひろがっていくことが 必ずあることを忘れないでください それと 医学部の学生は 最優秀と考えられていますが実際は 外国語も自然科学も数学もなにもかも まったくだめだということを 信じてください 子どもだから仕方のないことですが 世評がいかに 無責任ででたらめなものであるかを 玉田先生も 四月になれば いやというほど思いしらされるはずです たとえば 英語は 百分講義で英文科三ページがやっとのところを 医学部は十ページをかるがるとこなすのですが その医学部のひとりひとりをじっくり観察すると こいつ ほんまに 入試をくぐってきたんかいな と思う奴ばかりです それでもうんざりして見捨てたりせず この愚劣なガキどもの ひとりひとりからけっして眼をはなすことなく しっかりと 見守ってやっていただきたい なにしろ まだ人類とはならぬこども なのですから・・・」
僕から
あなたらが「親はもちろん あらゆるものがよってたかって腕によりかけ 作りあげた〝高級〟人形」なのかどうかは怪しいけど、「ある日 ぱっちり眼を開き 心臓が鼓動をはじめ 体のすみずみに しだいに ぬくもりがひろがっていくことが 必ずあることを」祈ってはいます。