つれづれに:市立大学(2022年9月6日)

つれづれに

HP→「ノアと三太」にも載せてあります。

つれづれに:市立大学

有識者会議だったか有識者懇話会だったかに出席した。おそらく宮崎観光ホテル(↑)でだったような気がする。報道陣も来て、真下から写真を撮られた。撮られた写真をみたことはない。宮崎に来た当初、髭と外国人は狙われたようだ。ある日、近くの肉屋さんで店の人から妻が「あんたのご主人なんしとっと?」と聞かれたそうである。ある日引っ越しをして来てから、昼間でも買い物に来るのが解せなかったようだ。すぐには聞かないし、髭の本人には怖くて聞けない。ある日、勇気を出して妻に恐る恐る聞いたわけである。聞いて見ると、テレビに映ってたらしい。大学祭があって、そこを歩いていたとのことだった。そう言えば、土曜日も授業があった頃で、大学の研究室に寄って、大学祭の出店がある駐車場を通って旧宮崎大学の非常勤に行った日である。知らなかったが、取材陣が構えていたカメラの前を通ってしまったらしい。

会議は宮崎市長がどうしても作りたいという市立大学の設立に関するものだった。医科大(↑、講義棟)に推薦してもらった人から、行くように言われた。断れる立場でもなかったし、参加したわけである。一度目の会議は市長や政財界の人が集まったらしい。その提言を受けて、2回目は宮崎周辺の有識者に意見を聞くということだったのか。1回目のメンバーには、市長の他に宮崎銀行の頭取とか宮崎交通の社長とか政界、財界の人が多かったような気がする。誰も本人は偉いと思ってるんやろな、と思った記憶があるから、たぶんその辺りのメンバーだったと思う。座長は旧宮崎大学(↓)の元学長だった。そういうことか。私を推薦してくれた人が元学長の取り巻きだったんだ。世話した若手に「行って来い」と声をかけたわけである。会議のメンバーを見たら、私が一番若かった。40になる前である。

政財界か。そう言えば、少し前に読んだ記事は「商用でヨハネスブルクを訪れた」と誇らしげに書いてた人も、宮崎の財界人だったなあ。都会では南アフリカののアパルトヘイト政権への経済制裁に協力してイトウヨーカドーやダイエイ(↓、当時あった宮崎ダイエー)などで商品のボイコット運動が行われている時期だった。

「500坪 (1650平方メートル) の敷地に10メートルのプール、三つの浴室のついた120坪 (396平方メートル) の建物、それにバーベキュー用の中庭がついている。読者は家賃はいくらだと思われるか。日本では手が出ないし見当がつかないと言われるだろう。
南アフリカ、ジョバーグ (商業都市ヨハネスバーグの現地名) でのお話である。場所は都心から車で30の住宅地。月の家賃は日本円にして5万円である。このくらいで中級という。では高級の基準となると……最低でも1000坪 (3300平方メートル)はあるだろう……。
某日本商社の支店長宅に招かれた。白人高級住宅地真ん中、敷地面積2600坪 (8580平方メートル)、4面のテニスコート、15メートルのプールと6台駐車できる車庫、建物は250坪 (825平方メートル) 大木の植わったすばらしいこの庭園つきのこの豪邸が日本円で2600万円。では億の家はどのくらいの大きさか。たまたま、1億2万という家を尋ねた。敷地1万2000坪 (39万6000平方メートル) で、プールやテニスコート、それに建物、庭園は想像がつくだろう。また馬屋がついている。金持ちの条件には馬は欠かせないのかもしれないが欧米型だろうが、その馬を世話する人が四人は必要なので、その人たちの家、そして馬の運動場。なにしろ、日本の金持ちと規模を異にする。」

そんな体質の政財界人が答申した議題の一番目が、女子大にすることだった。「うちは女の子は関門海峡からは出さない」と医大の同僚が言っていたくらいだから、それが地域の大半の声なのだろう。会議に義理はないので「今の時代に女子大て何ですか?男も女も同じ教育をしておいて、新しく作る大学は女子大ですか?不自然なので、反対です。女子大でなければいけない納得できる根拠を示して下さい」とだけ発言した。高校(↓)の職員会議で「制服て何ですか?必要なんですか?何を着ようと自由やないですか?制服は廃止しましょう」と立ってしゃべった時と似た感情になった。

行くところがなくて行った夜間が神戸市立だった。大学(↓)にいる時に、100万都市でも大学を運営するのは難しいと聞いたことがあったので、30万都市で大学?としか思わなかった。その市長のことはよく知らなかったが、家の近くの道路が市長道路と呼ばれていたから、名前は知っていた。そう言えば、道路の延びる先に市長の家があると誰かが言っていたな。その前の市長も港近くに前の市長道路を引っ張って来たとも誰かが言っていた。実際には道路工事の予算をつけるのに陰に陽に力を発揮したと言うことか。高速道路を造る際に、ぐーっと曲げて都城に道路を引っ張って行ったのは地元選出の国会議員、医科大に組合を作らせずに文部省よりの大学にしたのも国会議員、そんな話も聞く。地方ではよくある話だと言えばそれまでだが、公平さに欠ける。高速道路を曲げたら、所要時間も長くなるし、経費も嵩む。組合がなければ、労働条件が守られにくい。旭川であったような歪な独裁が長年続く可能性もある。

博士課程に途中から入れなかったのも、当事者が好き勝手出来るなあなあの旧弊が当たり前だったから。議長には地元で長い間唯一の大学だった時の学長を呼んだわけである。しかし、議長の声がよく聞こえなかった。元宮大の家庭科の女性教授の言うこともしどろもどろだった。年寄りでもいいが、せめてはっきり相手に聞き取れる言葉を使ってもらわないと。1時間10000円のアルバイトと割り切っていたが、参加したあと「1回目は地元政財界の声を聞いた。2回目は地元有識者の声を聞いた。文句あるか?」、市議会で議案を通す必要がある規定の会議だったんだ、そんな風に思えた。

宮崎公立大学(↓)が出来た後、頼まれて非常勤に行くことになるとは思わなったが、大学は男女共学だった。授業に来ていた男子学生に「女子大を創ると言われて、会議で反対してよかったねえ?」と言ってみたら「7割が女子学生なので、女子大みたいなもんですよ」と返事が返ってきた。しかし「数が少なくても、男子学生も入学できるやん」