つれづれに:日常(2022年11月2日)

つれづれに

つれづれに:日常

苗を植えた7年後に生った唯一の柿(小島けい画)

 昨日の朝は早くから近くの農産物直売所に行った。起き抜けの八時半過ぎである。お昼近くに行くと、品物がない。みんなよく知っていて、目当ての品を朝早くに買いに行く。八時半から開いてる。夜型の人間には大変だ。とまとが切れそうなのと、次の甘酒用の米麹が要った。とまとはずっと高い。台風のあとは更に高かった。少し落ち着き始めたようだが、お昼頃に行くと僅かしか残っていない。もちろん他にも店があるが、さらに高い。

 宮崎の麹(↑)は安い。40年以上前に明石で米麹を買い始めた時は一枚が900円ほどしていた。木枠に囲まれた洗濯板のような板(↓)の上に延ばされた真っ白な一合が900円だった。そのあと宮崎に来る直前にはたぶん1100円か1300円していたと思う。それが宮崎では2000年過ぎに310円だった。恐れ入った。店に行くようになって仲良くなった夫婦がサンマリーン球場へ行く道に直売店を出していて、清武の味噌やが作る麹を置いているのを買っていたのである。何年か前に値上げをしても450円ほど、これほど都会と価格の違いがあるのも珍しい。その直売店も店主が病気で今はないので、売られている場所を探して買うようになっていた。清武役場の隣の四季の夢という直売店にあった。しかし、大学に行かなくなってから、清武も遠くなって、少し高いが近くの直売店で別の米麹を買うようになったわけである。甕に3合の炊いた米と米麹を重ねて作る。混ぜる手間はいるが、麹菌がいい塩梅に加減してくれる。飲む点滴、らしい。昨日は5袋しかなかったので、また一つを買いに行く必要がある。

江戸創業の明石の麹屋京作の米麹

 とまとと麹の他に大根を2本買った。1本120円で、最近では一番安かった。柿なますと野菜スープに使っているが、最近は毎日私が大根おろしにちりめんじゃこをかけて食べるようになっていて、すぐになくなってしまう。台風のあとは品物そのものがなくなっていたが、少し出回り始めた。畑でも芽を出したあと、順調に大きくなっている。(↓)11月に入ったので、たぶん虫の心配も要らないだろう。ただ春先になって薹が立ち花が咲いてしまうと、鬆(す)が入ってしまって食べられない。実際は食べられるが、まずいので食べない。大根はサイクルが短い冬野菜である。作ると頃合いが難しいとわかる。しかも、でき始めると一斉である。しかし基本的には作りやすい方だろう。

昨日は雨で柿も小休止だった。また再開である。陽が照っていないが、向こう1週間は雨マークがないので、無事に干し柿は出来そうである。数が多いので、干してある分を2階のベランダまで運んだ。途中で2個が落ちてしまい、へたの部分が千切れてしまった。生乾きの柿は充分に重い。運ぶのも一仕事である。下の場所は確保したので、またせっせと剥いて、消毒して、干すだけである。長男が「おれ干し柿大好きやでえ」と妻に電話で言ったらしい。「送ったろ」と、妻は決めたようだ。干し柿づくりを再開したので、今の家に来てからだから、宮崎に来てからいっしょに借家に住んでいた時は干し柿を作っていなかった。だから、長男が好きだと知らなかったわけである。

2階に移動した柿

 放っておくと「息をするのも面倒くさい」とため息をつくのに、「食べ物が薬だ」と思って努めて野菜を食べ、わざわざ拵えて甘酒を飲み、発酵食品を欠かさない。妻の個展の案内の返事の中に、病気の知らせが多い。身近な人がなくなった知らせもある。大変そうな人が多い。特に配偶者や親が癌になっている人は、ほんとうに大変そうである。もちろん私より上の世代の人では、連れ合いが自分を忘れてしまっている人もいる。「妻が老人ホームに入り丸一年が経ちました。半分は認知、半分は?面会に行ってもすぐ判ってもらえないのが寂しいです。他人ごとではない己こそ‥‥迷惑をかけないよう気をつけます」という90を越えた人の便りは、重い。日常が過ぎていく。

2022/11/1現在合計201個、作業継続中

追伸:降らないと思っていた雨が降り出した。慌てて2階の分を部屋の中に入れたが、一本がどさっと落ちてしまった。3個が駄目になって、3個が支えの枝が折れている。雨に濡れたままだと、黒ずんでしまう可能性があるから、ドライヤーで乾かす作業が増えた。「向こう1週間は雨マークがないので、無事に干し柿は出来そうである」と書いた矢先だ。なんでもありである。