つれづれに: 通草5
10月になった。カレンダーはジャスミン、妻が通っている乗馬クラブ(→COWBOY UP RANCH、宮崎市清武町大字今泉甲6618)にいる馬で、生まれてすぐの頃から写真を撮っている。母親のダスティも描いて、「私の絵画館」にも書いている。
元の絵「ジャスミンとコスモス」
→「私の絵画館80『ダスティ』」(2016年12月17日)
道草4の続きである。
前にも書いたが邪魔になって突然切られてしまうのは蔓植物の運命である。明石のときに知り合った画家が「あけびはどこにでもあるで。駐車場とか思わんところにも」と言うのを聞いたことがある。その人は大分の人で、小さい頃から採ってよく食べていたそうである。
探してみたら、その通りだった。最初は平和台公園で見かけたが、大学や大学の周辺にもあった。大学は統合してからサッカーやラグビー、野球が使っていた医学部の運動場が駐車場になってなくなってしまったが、その駐車場の高いフェンスで見つけた。見つけてから十年ほど、毎年同じ個所に結構な数の実がなっていたが、駐車場の工事でフェンスがなくなって、あけびもいっしょになくなってしまった。
医学部から統合した大学に通う道の傍でも何個所か、毎年実をつける場所を見つけた。何年かは同じところに実がなっていたが、そのうち見かけなくなった。
大分の飯田高原で個展(→九州芸術の杜)をしたときには、驚くほどたくさんの見事な実を見つけた。やまなみハイウェイのバス停から美術館に行く途中にもたくさんあったし、少し西側の小川の周辺には、数えきれないほどの大きな実がなっていた。植生や土壌の影響があるようだ。今住んでいる周辺より、圧倒的に多いような気がした。
食べる時は傷がついていても差支えはないが、絵には傷がなくて色艶のいいのがいい。相応しい実を見つけるのは難しい。一度根ごと家に持って帰って、玄関先の植え込みに植え替えてみたことがある。横のガレージの覆いの下に針金を使って蔓が蔓延れるように工夫をしたみた。実がなるのに何年かかかったが、色艶のいい、絵には最適の実が採れるようになった。しかしある日、上から青虫が首に落ちて来た。毎日自転車の出し入れをするので、切るしかなかったようである。生活の場には、物理的に共存は難しいらしい。台風が来ると、実が揺れて表面に傷がつく。自然の中では当たり前のことだが、見ながら描く絵の材料を探すのはなかなか難しかった。
次回はオムロプリントで作ってもらったカレンダーと、本の表紙絵、おそらくあけびの最終回になる、と思う。