英語 Ma1(2)

<連絡事項>

* 次回2章をやります。CDで渡した練習問題もやりや。

* 次回11回目の授業は7月8日(水)10:15~11:30です。

授業では>・・・

① 1回目の課題を集めました。早う読んで講評が書けるとええけどね。自分の書いたものについて聞きたいときや、2回目用の資料で役に立てそうなら、いつでも連絡してや。

② 課題図書のと、ザイール崩壊直後のデヴィドスンとニエレレの新聞記事の解説をしながら意識の話(white supremacy, black inferiority)もしました。→自己意識

(小島けい画)

③ 映像:独立・コンゴ危機

④ Youssou N’dourのを2曲→Youssou N’dour

<次回>は

① 2章

② 次々回から、用語をやったあと、アフリカ・アフロアメリカとエイズの2本立てで行く予定。The colonization of Africaの要約と、エイズでも発表してもらいたいのでその予定も決めたいと思います。今日配ったエイズのプリントは目を通しといてや。アメリカで最初のエイズ患者がでた報告記事The History of AIDS Discoveryなど何個かの記事や、エイズ会議やエイズ治療薬なんかで発表してもらえればと思っています。

③ 「アフリカシリーズ」で植民地分割や植民地化など→ヨーロッパ人が来る前のアフリカ(黄金の交易網、砂漠の民トワレグ人、世界の貿易の中心地カイロ、スワヒリ商人、東アフリカ)をざっと紹介したいと思います。

授業で、また。

自己意識

自己意識の大切さを説いた公民権運動の指導者マルコムXと反アパルトヘイト運動の指導者スティーヴ・ビコについて書いたことがあります。→「自己意識と侵略の歴史」(「ゴンドワナ」19号10-22頁、1991年)一部貼っておきます。

スティーヴ・ビコについて

奴隷貿易に始まる西洋諸国の侵略によって、支配する側とされる側の経済的な不均衡が生じましたが、同時に、白人優位・黒人蔑視という副産物が生まれました。支配する側が自らの侵略を正当化するために、懸命の努力をしたからです。支配力が強化され、その格差が大きくなるにつれて、白人優位・黒人蔑視の風潮は強まっていきました。したがって黒人社会は、支配権を白人から奪い返す闘いだけでなく、黒人自身の心の中に巣食った白人優位の考え方を払しょくするという二重の闘いを強いられました。アメリカ映画「遠い夜明け」で広く知られるようになったスティーヴ・ビコは、ある裁判で黒人意識運動の概念について質問されたとき、その「二重の闘い」に言い及んで、次のように述べています。

基本的に「黒人意識」が言っているのは黒人とその社会についてであり、黒人が国内で二つの力に屈していると、私は考えています。まず何よりも黒人は、制度化された政治機構や、何かをしようとすることを制限する様々な法律や、苛酷な労働条件、安い賃金、非常に厳しい生活条件、貧しい教育などの外的な世界に苦しめられています。すべて、黒人には外因的なものです。二番目に、これが最も重要であると考えますが、黒人は心のなかに、自分自身である状態の疎外感を抱いてしまって、自らを否定しています。明らかに、ホワイトという意味をすべて善と結びつける、言い換えれば、黒人は善をホワイトと関連させ、善をホワイトと同一視するからです。すべて生活から生まれたもので、子供の頃から育ったものです。[I Write What I Like (New York: Harper & Row, 1986), p. 100.神野明他訳の日本語訳『俺は書きたいことを書く』(現代企画室、 一九八八年)が出ています]

マルコムXについて

白人支配の体制に闘いを挑む前に、先ず自己意識の変革をと唱えたのは、もちろんビコだけではありません。ビコに大きな影響を及ぼしたアメリカ公民権運動の指導者の一人、マルコムXも同じようなことを言い、経済的に自立するための企画を試みました。マルコムはあらゆる機会を利用して、黒人自身の自己意識の変革の必要性を説きました。暗殺される直前の一九六五年一月二十四日の集会では、アメリカ黒人の歴史についての話をしています。奴隷船でアフリカから連れて来られる以前に、アフリカにいかに豊かな文化があったか、いかに自分たちの祖先が優れた人々であったか、又、いかに巧妙な手段を使って白人たちが黒人に白人優位の考え方を植えつけてきたか、そして今、自分たちが何をしなければならないのかなどを語りました。マルコムは、翌月に予定されていた「黒人歴史週間」やアメリカ黒人の呼び方「ニグロ」の欺瞞性を厳しくただして、次のように言っています。

なかでも、特に質の悪いごまかしは、白人が私たちにニグロという名前をつけて、ニグロと呼ぶことです。そして、私たちが自分のことをニグロと呼べば、結局はそのごまかしに自分が引っ掛かっていることになってしまうのです。……私たちは、科学的にみれば、白人によって産み出されました。誰かが自分のことをニグロと言っているのを聞く時はいつでも、その人は、西洋の文明の、いや西洋文明だけではなく、西洋の犯罪の産物なのです。西洋では、人からニグロと呼ばれたり、自らがニグロと呼んだりしていますが、ニグロ自体が反西洋文明を証明するのに使える有力な証拠なのです。ニグロと呼ばれる主な理由は、そう呼べば私たちの本当の正体が何なのかが分からなくなるからです。正体が何か分からない、どこから来たのか分からない、何があなたのものなのかが分からないからです。自分のことをニグロと呼ぶかぎり、あなた自身のものは何もない。言葉もあなたのものではありません。どんな言葉に対しても、もちろん英語に対しても何の権利も主張できないのです。[『マルコムX、アメリカ黒人の歴史を語る』 Malcolm X on Afro-American History (New York: Pathfinder, 1967), p. 15]

Youssou N’dour

Youssou N’dour【ユッスー・ンドゥール】

西アフリカ、セネガルのミュージシャンで、現代アフリカ音楽最大のスターの一人。

1959年、首都ダカールのグリオ(古くから伝わる音楽や思想を伝承する語り部)の家系に生まれ、10代前半からプロとして活動を始める。1979年、自ら率いるバンド「エトワール・ド・ダカール」を結成。中南米(特にキューバ)の音楽にセネガルの伝統的なリズムを融合し、ウォロフ語(セネガルで最も広く話されている現地語)のヴォーカルをのせた「ンバラ」という洗練されたスタイルを打ち出しセネガルのスターとなる。80年代に入りフランスを中心にその実力が評価され、1984年には初のヨーロッパ・ツアーが実現。その途中、イギリス公演でピーター・ガブリエルと出会い、彼のソロアルバム(「SO」)及びアメリカツアーへの参加、WOMADフェスティバルという民族音楽の祭典などへの出演のほか、世界デビュー・アルバム「ネルソン・マンデラ」の発表、そしてポール・サイモンのアルバム「グレイス・ランド」への参加などによって、一気に世界中にその名が知られるようになる。その後、欧米のレコード会社から自身のアルバム(「THE LION」、「SET」、「eyes open」、「The Guide」、「Joko」)などを発表するとともに、スティングやブルース・スプリングスティーンら様々なアーティストのコンサートやアルバムにも参加し、その評価を不動のものにしている。日本にも1986年以降たびたび来日してコンサートを行っているほか、坂本龍一やDreams Come Trueなどともコラボレーションしている。(現在、ホンダ「ステップ・ワゴン」のCMでは、彼の歌う「オブラディ・オブラダ」(原曲はもちろんビートルズ)をバックに、「コドモト イッショニ ドコヘイコウ?」という彼のナレーションも流れているので、その声を聞いたことがある人も多いはず)

南アのアパルトヘイトを題材にした「ネルソン・マンデラ」の例を見るまでもなく、ユッスーの歌にはメッセージ性の強いものが多い。アフリカの民衆を食い物にしてきた先進国や自国の指導者達への批判、女性の解放、児童労働、環境問題、青少年の飲酒や覚せい剤汚染等々、現代のアフリカが抱えるありとあらゆる問題が彼の歌のテーマになっている。これについて彼は、「音楽には特別のパワーがあるが、メッセージを伝えるものでなければ意味がない。僕の母親は、物語を歌い聴かせるグリオだった。僕もグリオでありたい。それも、王や貴族のために語るグリオではなく、世界の人々にアフリカのことを語って聴かせ、教育やコミュニケーションの役割を果たす、身近でモダンなグリオになりたいんだ」と語っているが、そうしたメッセージを歌にのせるだけではなく、15年以上にわたってアムネスティ・インターナショナル、ユニセフ、UNAIDSなどの組織を支援する様々な活動にも協力しており、現在もILOの反児童労働キャンペーンの名誉大使に任命されている。

天性のヴォーカルとステージ・パフォーマンスの素晴らしさ、そして、こうした意識の高さを反映した歌と行動の力強さが、アフリカのみならず世界中の人々の共感を得る理由なのではないだろうか。(服部晃好)

2020年前期 英語 Ma1(2)クラス名簿

29 91200299 金城 由歩 カネシロ ユウ
30 91200301 椛島 佑太 カバシマ ユウタ
31 91200310 川久保 耀貴 カワクボ テルタカ
32 91200325 川野元 悠人 カワノモト ユウト
33 91200338 川畑 隆士 カワバタ リュウジ
34 91200349 川原 正路 カワハラ セイジ
35 91200356 木山 奈美 キヤマ ナミ
36 91200363 久池井 秀元 クチイ シユウゲン
37 91200374 栗原 知大 クリハラ トモヒロ
38 91200387 黒木 陽斗 クロギ アキト
39 91200392 黒木 謙 クロキ ケン
40 91200402 黒田 昇悟 クロダ シヨウゴ
41 91200411 古賀 旭陽 コガ アサヒ
42 91200426 児玉 紘平 コダマ コウヘイ
43 91200439 後藤 舜平 ゴトウ シユンペイ
44 91200440 後藤 大地 ゴトウ ダイチ
45 91200457 後藤 陽樹 ゴトウ ヒロキ
46 91200464 小宮 菜々子 コミヤ ナナコ
47 91200475 近藤 縁 コンドウ ユカリ
48 91200488 境 笙太郎 サカイ ショウタロウ
49 91200493 阪倉 由真 サカクラ ユマ
50 91200509 坂田 稜 サカタ リヨウ
51 91200518 坂本 総司 サカモト ソウシ
52 91200523 相良 賢汰 サガラ ケンタ
53 91200536 佐藤 伶音 サトウ レオン
54 91200547 塩谷 拓馬 シオタニ タクマ
55 91200554 地下 勇矢 ジゲ イサヤ
56 91200561 重盛 宇紀 シゲモリ タカキ

 

英語 Ma1(1)

<連絡事項>

* 次回2章をやります。CDで渡した練習問題もやりや。

* 次回11回目の授業は7月8日(水)8:40~9:55です。

授業では>・・・

① 1回目の課題を集めました。早う読んで講評が書けるとええけどね。自分の書いたものについて聞きたいときや、2回目用の資料で役に立てそうなら、いつでも連絡してや。

② 課題図書の解説にあわせて意識の話(white supremacy, black inferiority)と、ザイール崩壊直後のデヴィドスンとニエレレの新聞記事の解説。→自己意識

(小島けい画)

③ 発表の希望者を聞いたけどいなかったんんで、次回もう一回聞くね。

④ 映像:独立・コンゴ危機

<次回>は

① 2章

② 次々回から、用語をやったあと、アフリカ・アフロアメリカとエイズの2本立てで行く予定。The colonization of Africaは加藤くんがやってくれるそうなのでその確認と、エイズでも発表してもらいたいのでその予定も決めたいと思います。今日配ったエイズのプリントは目を通しといてや。アメリカで最初のエイズ患者がでた報告記事The History of AIDS Discoveryなど何個かの記事や、エイズ会議やエイズ治療薬なんかで発表してもらえればと思っています。

③ 「アフリカシリーズ」で植民地分割や植民地化など→ヨーロッパ人が来る前のアフリカ(黄金の交易網、砂漠の民トワレグ人、世界の貿易の中心地カイロ、スワヒリ商人、東アフリカ)をざっと紹介したいと思います。

授業で、また。

自己意識

自己意識の大切さを説いた公民権運動の指導者マルコムXと反アパルトヘイト運動の指導者スティーヴ・ビコについて書いたことがあります。→「自己意識と侵略の歴史」(「ゴンドワナ」19号10-22頁、1991年)一部貼っておきます。

スティーヴ・ビコについて

奴隷貿易に始まる西洋諸国の侵略によって、支配する側とされる側の経済的な不均衡が生じましたが、同時に、白人優位・黒人蔑視という副産物が生まれました。支配する側が自らの侵略を正当化するために、懸命の努力をしたからです。支配力が強化され、その格差が大きくなるにつれて、白人優位・黒人蔑視の風潮は強まっていきました。したがって黒人社会は、支配権を白人から奪い返す闘いだけでなく、黒人自身の心の中に巣食った白人優位の考え方を払しょくするという二重の闘いを強いられました。アメリカ映画「遠い夜明け」で広く知られるようになったスティーヴ・ビコは、ある裁判で黒人意識運動の概念について質問されたとき、その「二重の闘い」に言い及んで、次のように述べています。

基本的に「黒人意識」が言っているのは黒人とその社会についてであり、黒人が国内で二つの力に屈していると、私は考えています。まず何よりも黒人は、制度化された政治機構や、何かをしようとすることを制限する様々な法律や、苛酷な労働条件、安い賃金、非常に厳しい生活条件、貧しい教育などの外的な世界に苦しめられています。すべて、黒人には外因的なものです。二番目に、これが最も重要であると考えますが、黒人は心のなかに、自分自身である状態の疎外感を抱いてしまって、自らを否定しています。明らかに、ホワイトという意味をすべて善と結びつける、言い換えれば、黒人は善をホワイトと関連させ、善をホワイトと同一視するからです。すべて生活から生まれたもので、子供の頃から育ったものです。[I Write What I Like (New York: Harper & Row, 1986), p. 100.神野明他訳の日本語訳『俺は書きたいことを書く』(現代企画室、 一九八八年)が出ています]

マルコムXについて

白人支配の体制に闘いを挑む前に、先ず自己意識の変革をと唱えたのは、もちろんビコだけではありません。ビコに大きな影響を及ぼしたアメリカ公民権運動の指導者の一人、マルコムXも同じようなことを言い、経済的に自立するための企画を試みました。マルコムはあらゆる機会を利用して、黒人自身の自己意識の変革の必要性を説きました。暗殺される直前の一九六五年一月二十四日の集会では、アメリカ黒人の歴史についての話をしています。奴隷船でアフリカから連れて来られる以前に、アフリカにいかに豊かな文化があったか、いかに自分たちの祖先が優れた人々であったか、又、いかに巧妙な手段を使って白人たちが黒人に白人優位の考え方を植えつけてきたか、そして今、自分たちが何をしなければならないのかなどを語りました。マルコムは、翌月に予定されていた「黒人歴史週間」やアメリカ黒人の呼び方「ニグロ」の欺瞞性を厳しくただして、次のように言っています。

なかでも、特に質の悪いごまかしは、白人が私たちにニグロという名前をつけて、ニグロと呼ぶことです。そして、私たちが自分のことをニグロと呼べば、結局はそのごまかしに自分が引っ掛かっていることになってしまうのです。……私たちは、科学的にみれば、白人によって産み出されました。誰かが自分のことをニグロと言っているのを聞く時はいつでも、その人は、西洋の文明の、いや西洋文明だけではなく、西洋の犯罪の産物なのです。西洋では、人からニグロと呼ばれたり、自らがニグロと呼んだりしていますが、ニグロ自体が反西洋文明を証明するのに使える有力な証拠なのです。ニグロと呼ばれる主な理由は、そう呼べば私たちの本当の正体が何なのかが分からなくなるからです。正体が何か分からない、どこから来たのか分からない、何があなたのものなのかが分からないからです。自分のことをニグロと呼ぶかぎり、あなた自身のものは何もない。言葉もあなたのものではありません。どんな言葉に対しても、もちろん英語に対しても何の権利も主張できないのです。[『マルコムX、アメリカ黒人の歴史を語る』 Malcolm X on Afro-American History (New York: Pathfinder, 1967), p. 15]

2020年前期 英語 Ma1 (1) クラス名簿

1 91200013 青木 夏海 アオキ ナツミ
2 91200028 池田 瑞姫 イケダ ミズキ
3 91200031 石黒 真莉奈 イシグロ マリナ
4 91200042 伊東 宏人 イトウ ヒロト
5 91200059 糸川 華乃子 イトカワ カノコ
6 91200066 井上 まい イノウエ マイ
7 91200077 岩井 友里 イワイ ユウリ
8 91200080 岩切 唯 イワキリ ユイ
9 91200095 岩室 心汰 イワムロ シンタ
10 91200103 岩本 壮太郎 イワモト ソウタロウ
11 91200112 上床 裕汰 ウエトコ ユウタ
12 91200127 上村 萌々香 ウエムラ モモカ
13 91200130 太田 有咲 オオタ アリサ
14 91200141 大村 優葵 オオムラ ユウキ
15 91200158 大山 遼 オオヤマ リヨウ
16 91200165 大山 嶺 オオヤマ レイ
17 91200176 緒方 春佳 オガタ ハルカ
18 91200189 尾形 萌音 オガタ モネ
19 91200194 桶谷 有希 オケヤ ユキ
20 91200208 鬼塚 飛駆 オニツカ ヒカル
21 91200217 甲斐 愛理 カイ アイリ
22 91200222 蔭山 慶樹 カゲヤマ ヨシキ
23 91200235 梶原 冴香 カジワラ サヤカ
24 91200246 片岡 凜 カタオカ リン
25 91200253 片山 詩葉 カタヤマ ウタハ
26 91200260 勝田 航大 カツタ コウダイ
27 91200271 加藤 潤 カトウ ジユン
28 91200284 香取 龍雲 カトリ リウ