つれづれに:落とし物(2024年3月2日)

つれづれに

つれづれに:落とし物

小島けい「私の散歩道2024~犬・猫・ときどき馬」3月

<白い子犬とマーガレット> (3号)

 昨日、3月が始まった。その日のうちに「つれづれに」を書くつもりでいたが、白浜(↓)の帰りに落とし物をして時間を取られてしまった。風は強かったが、晴れてくれて助かった。また自分の力で白浜行きが無事終わったのは、何よりもありがたいことである。この時期は西風か北風の日が多いので、行きは風に乗ってすいすいと進むが、帰りは向かい風でなかなか自転車が進んでくれない。目的地が南南東くらいの方角にあって距離も短くはないので、風の影響は毎回大きい。特に海岸道路は、中の道より風当たりが強い。防風林が役に立っているし、建物があれば、それが風よけになってくれている。

 落し物は黄色のウィンドブレイカーである。2回も落とした。1回目は自転車の後ろにつけている籠に入れてあった黒のかばんのチャックを閉めていなかったからである。落ちるとは思わなかった。昨日は帰りに加江田の山の麓(ふもと)にある果樹園の百円コーナーに寄った。おじいさんが丹精をこめて作り、市価の3分の1くらいの値段で出してくれている。あれば、味の深い柑橘類が置いてあるので、子供たちに送る日向夏(ひゅがなつ)を見に行ったのである。最初に買ったときに味見しないで送ったら、「すっぱいです」と言われてしまったが、あれからだいぶ日が経つので大丈夫だろう。

ウィンドブレイカーにお金を入れているので、料金入れに千円札とは百円玉を入れたときに、ぞんざいにかばんに戻したようだ。住宅地に戻って、そこの百円コーナーで胡瓜(きゅうり)を買おうとして、ウィンドブレイカーがないのに気づいた。果樹園まではそう遠くないので、途中に落ちているのを期待して、急いで来た道を辿(たど)った。あったのである。加江田川の橋の上に、大きく広がって落ちていた。車輪のあとがなかったので、車が通る前に見つけられたようだ。何時間かのちに、「ウィンドブレイカー、ようあったな」と思いながら、かばんの中から取り出そうとして、またないのに気がついた。「うそやろ」と思いながら「まさかなあ」という気持ちもあった。とにかく、自転車で胡瓜の百円コーナーまで行くことにした。今度は、大きな道の手前のマンションの生垣(いけがき)にかけてあるのが見つかった。「いやあー、にほんやなあ」というのが感じた本音である。お金も少し入っていたが、VISAカードが気懸(がか)りだった。もしなかったら、再発行の手続きも面倒臭そうである。妻と娘と私の分の再発行が必要だ。

1回目は落としてから時間が経っていなかったし、人通りも少なかったことが幸いした。2度目は、たぶん周りに学生マンションが多く、ウィンドブレイカーが道に落ちているのを見て誰かが何気に樹にかけてくれたんだろう。近くのマンションに住む大学生のような気がする。ハラレで自転車を盗まれた経験があるので「日本やあ」と、久しぶりに思った出来事でだった。(→「買い物と自転車」、1992年)

いつものみらいはしからの海