つれづれに:どくだみ(2024年7月21日)

つれづれに

つれづれに:どくだみ

 一昨年(おととし)、どくだみ液を作った。娘から、知り合いにいろんな野草を工夫して生活に生かしている人がいるよと聞いて、どくだみ?いっちょ、僕も真似(まね)て作ってみるかという気になった。今はインターネットで検索すれば、大抵のことはわかる。検索してみると、肌にいい液が作れると書いてあった。それまで雑草としてしか見ていなかった。北側の庭一面に生えて、夏には中に踏み込めないほどだった。電気メーターの検針に来てくれる人に、申し訳ないなあと何度も思ったことがある。それくらい、生い茂る印象があった。

 したがって、材料は家の庭で難なく調達できるわけである。採ったどくたみをきれいに洗い、2~3日陰干ししてから大き目の瓶の中で日本酒に浸けるらしい。中くらいの瓶にほどよいどくだみ液が完成した。去年は噴霧用の小さな瓶にいれて、あせもらしきものが出来るとよく塗ったが、今年はあまり使っていない。粘り気があって、少し特有の臭いがするせいかも知れない。

 どくだみは多年草で、本州、四国、九州、沖縄,台湾、中国、ヒマラヤ、ジャワに分布しているらしい。山野や庭などで普通に見られ、淡黄色の花が咲く。花は白い花弁状のもので保護されている。
日本三大民間薬の一つで、解毒薬として有名らしい。生の葉を腫れ物に外用するとよく効き、蓄膿(ちくのう)症には葉の汁を鼻に挿入するといいと言われる。傷には煎液で洗浄し、洗眼薬にも使われる。乾燥すると解毒作用は失なわれるが、通便、降圧、利尿用にドクダミ茶を飲んでいる人も多く、ティーバックも市販されている。皮膚病や痔にもいいらしいので、私は肌に使う液を作ったわけである。
てんぷらにして食べるところもあるらしい、東南アジアの一部では、生の葉をサラダにいれて食べるという。煎液で茄子(なす)の種子を処理すると、発芽が促進できるとあったので、試してみるか?
江戸時代の「大和本草」には、「10種類の効果を有しているから十薬」と書かれ、中医学では解毒・消腫(浮腫をとる)・清熱(身体の余分な熱をとる)・利水(水分代謝をよくする)の効果があるとされる。民間では面皰(にきび)・鼻炎・湿疹・便秘などに煎じた茶を飲用したり、生の葉が外用で使用されてきている。独特の香りはデカノイルアセトアルデヒドという物質によるものらしい。乾燥すると香りは消える。生葉に含まれる精油成分のアルデヒド類による抗菌作用や、乾燥葉にも含まれるフラボノイドによる抗菌・抗炎症・利尿・毛細血管強化作用などの研究が進んでいるらしい。

 土の中に茎や根が残っていると再び生えてきてしまうほど生命力が強い植物で、雑草と思われる傾向が強い。除草剤や防草シートなどを使わずできるどくだみ対策を紹介している人がいた。その人は、ほぐした土やどくだみの茎や根に腐葉土をかけて混ぜ込む作業を複数回行っている。蚯蚓(みみず)や微生物が食べたり、分解したりしてくれるらしい。かつては地面を覆わんばかりに繁殖していたどくだみに代わって他の植物が元気に生えてくるらしい。その動画が紹介されている。蚯蚓の力は偉大である。庭の畑でも、できるだけ蚯蚓が住めるように苦心している。

最近は、風呂にどくだみを浮かべている。3月の半ばから11月くらいまでは何とか調達できる。20本前後を摘んで来て、きれいに洗い湯船に放り込むだけである。慣れると、ないと寂しい感じがする。きっと、肌にいいんだろう。どくだみを摘んでも、誰にも文句を言われないのがいい。毎日のどくだみ風呂は、快適である。