つれづれに: 歩くコース1の①・・・(2021年7月5日)
歩くコース1の①・・・
「最初に僕が按摩さんのところに行ったときはどんな状態だったのか」については先延ばしにして、歩くコースについて書こうと思う。
7年前に医学科を退職したとき、溜(た)まった書籍や書類、提出課題を片づけるつもりだったが、再任用などもあって、最近まで手つかずだった。科研費の最終年度なので、年末までには終わらせたいと思い、目下、木花の研究室で奮闘中である。三十年余りの課題は、今書きためている小説で一部でも使えればと考えて捨てなかったが、相当な量である。
世話になった按摩さんが取ってくれた血圧の記録がその荷物に紛れ込んだのが先送りの理由である。
歩くコースは四つほどあって、今回は一番よく行くコース1のその①である。
公園は高台にあって、西側正面の階段、南側から駐車場に行く車用の坂道、高台の北側にある墓の横の細い道の三か所から入れるようになっている。車で入れるのは坂道からだけで、夕方七時になると鎖が張られて車では駐車場に入れないようになっている。厳密に言えば、お墓からも車の侵入は可能である。毎日車が一台置いてあるし、時たまバンや大型乗用車が止まっているのを見たことがある。お墓の中を通る細い道の両脇は低いブロック塀で、そろりそろりと車を動かせば中に入れるようである。大型乗用車は、借地で野菜を作っていた人が使っていたようだが、最近はその畑も草に覆われて人の気配はしない。歩く人は階段を登る場合が多い。階段をトレーニングに使っている人も結構いる。夜も階段や公園内の一部は煌々(こうこう)と照らされているので、夜桜の季節などは結構な人出があるようだ。
僕は、近くの自治会の人が北側の山肌にブロックで拵(こしら)えた小さな階段を使い、山肌を登って、手摺(すり)を越えて公園に入ることが多い。今朝数えてみたら、十二のブロックが等間隔に並べててあった。元は高い杉が生えていたが、市の助成金で杉を一部伐採して光を入れ、柑橘類を中心に苗を植えたようである。春先には日向夏や八朔などの白い花から甘酸っぱい匂いがしたあと、いっせいに樹は青い小さな実をつけ、秋には大きくなった実が黄色く色づく。ある時期になると、収穫をしているようで、実が一斉に消える。
北側の山肌の短い階段
秋には浅黄色になる日向夏
冬は草が枯れて登り易いが、これからは草が生い茂る。烏(からす)に襲われかけたことがある
公園では鉄棒にぶら下がる。座っていると腰が痛くなるので、背筋を伸ばすと気持ちがいい。鍛えるために懸垂運動をした時期もあるが、今は中途半端な懸垂を何回かする程度である。高台の真ん中に芝生の空間があって、そこをぐるぐると歩いて回る人もいる。老人会がグランドゴルフをやっている時もある。最近は夕方にサッカークラブの子供たちがどっと来て、練習をしていたりする。
樹や草が生い茂っているので、ある場所からしか見えないが真ん中の芝生から見て東方角の日向灘に浮かぶように青島が見える。この前、東京から突然長男夫婦が訪ねて来たとき、この公園で会い、「ここから青島が見えるで」と紹介した。十数年前に引っ越して来た今の家にはいっしょに長男は住んでいないので、木花方面のことはあまり知らない。海の見えるところで結婚式をしたいと二人が言ったので、本人たちと双方の両親を含め総勢6人が青島のホテルでの結婚式に協力した。
樹の間から見える青島
時間がない時や、長い距離を歩きたくないときは、芝生の上を歩くだけで帰ることもある。大抵は北側にある墓の横の細い道を通って歩く。(歩くコース1の②に続く)
こじんまりした墓地