つれづれに:街でばったり(2022年5月13日)

つれづれに

街でばったり

 阿蘇から戻ってしばらく経ったころ、街でばったりある人に会った。教育実習の時の教頭である。2週間の教育実習では、担当の元担任からは一週間授業を見ておくように言われ、その後教案も含めて散散嫌な思いをさせられたあと、最後に教頭の強烈な2時間の説教があった。締め括りに少しでも意思表示はしておかないと気が済まなかったし、元々説教されるのは大嫌いで、その時説教をされる謂れもなかったので、一番前に座り顔の真下から、2時間のあいだじっと睨みつけた。(→「教育実習」、5月4日)もう会うこともない、と思っていたが、ある日、ばったりと出逢ってしまったのである。列車から降りて駅前通り(↑)を歩いている時だった。高校は歩いて15分ほどの位置にあり、相手は駅に向かって歩いて来ていたようだ。普段は、知っている人を遠くで見かけると必ず避(よ)ける工夫をするのだが、その時は、まさに真正面からばったりで、避(よ)ける暇がなかった。

「あんた、いまどうしてるねん?」

「今ですか?歩いてますけど。」

「そやないやろ、これからどうすんねん?」

「大学院と高校の採用試験を受けて、採用試験は通ってますけど」

「わし今、校長してんねん。出来たばかりの新設やけど、うち、来(き)ぃ。ええか?ほな、また」

「はあ」

そんな会話だった。顔は覚えてくれていたらしい。咄嗟のことで、「?」と思ったが、どうやら面接だったようである。ちょうど来年度の新採用の教員を探しているところに、たまたま私が視界に飛び込んで来たということだろう。実習で「面倒見た学生」やし、同じ「同窓会」やし、というところだったのか。

12月に入ったある日、その人から電話がかかってきた。

「ひとり英語で産休に入る人がいるんで、あんた、代わりに来てくれるか?」

「産休の代わり、ですか?」

「そや、大丈夫?頼めるか?」

「大丈夫、ですけど」

「頼んだで。ほな」

その人の頭の中では、すでに新年度に採用する教員の一人だったようである。履歴書を見たら既卒になっていたから、産休の代用が可能、そう判断して電話がかかって来たということだろう。一月から産休の人の代わりに、三か月早く高校に行くことになった。

高校のホームページから

 長雨の前に、苦戦して組み立てていたとまとの柵に屋根の部分に透明のビニールシートかぶせ、周りは色付きのシートで囲み、虫よけの網を何とかかぶせた。台風が来ると丸ごと吹き飛ばされてしまう可能性が高いので、杭で補強しとこうと思う。買って来た十本ほどの苗と種からの苗がどれくらい実をつけるか。去年間に合わせの覆いを被せて十数個の実がなったが、温室栽培ではない味がするねと妻が言っていた。今年は、露地の実がどれくらい生るんだろうか。

とまとの柵のつもりが雨よけのミニ温室になってしまった

 次回は、3ケ月早めに、か。