つれづれに:ハイビスカス(2024年11月10日)

つれづれに

つれづれに:ハイビスカス

 新しく出来た生産者市の近くで、赤、白、ピンクの三色のハイビスカスを見つけた。去年黄色のハイビスカスを見て、すっかり赤だけのイメージは薄れているが、白にピンクとは恐れ入った。おまけに、一つの花壇に三色の花がきれいに咲いている。

 その近くには、黄色のハイビスカスを植えている花壇もある。花壇は建設会社の前にある。黄色の花の写真を近くに寄って撮った。「花が好きなんですね」と通りを隔てた南側の生産者市で買い物をしているときに、話しかけられた。私と同じくらいの歳の男性である。向かいの店の中から見ていたらしい。何回か店に行くうちに、どうやらその男性はその生産者市を出している人だと感じた。建設会社のオーナーを退いて、夫婦と手伝いの何人かで店を始めたようである。毎回、挨拶をするようになった。その人が、花壇の世話をしている。「見事な花ですね、ハイビスカスは赤だと思い込んでいたので、珍しくて写真を撮らしてもらいました」、「自分で植えて、手入れもしてるんです。植木屋で見つけて植えてみたんですが、黄色いのは珍しいですよね」、そんな遣り取りをした。

 少し話をするようになり、私より一つ年上で、ペースメーカーを入れていると教えてもらった。今回、会社の前で写真を撮っていると、中からその人が現れて、しばらく話をした。もうしばらくすると、バッサリと樹を切る予定だと言う。切らないと、大きくなってしまうかららしい。そう言えば、春先はお粗末な感じがした。こんなに切って大丈夫なんやろかと心配したが、夏を過ぎて秋口にかけて勢いが出てきた。今は花盛りで、花の一つ一つが生き生きとしている。畑の野菜もそうだが、植えたあとの手入れが、やっぱり大事なのである。手間暇を惜しむと、碌(ろく)なことがない。

 去年も30℃を越える日が続いた。こんな暑いのに咲く花があるんやろか、と思っているときに目に入ったのが→「ハイビスカス」と→「百日紅」(さるすべり)である。

 一度気になると、ハイビスカスがやたら目に入ってくる。白浜に揉んでもらいに行くときはそれなりに長いので、あちこちで咲いていて、こんなに色んなところにあったのかと思う。最初は通っていた白浜の温泉のあるサンクマールホテルの正面に植えてあるハイビスカスが嫌でも毎回目に飛び込んできた。

 明石にいたときは見た記憶がない。だからなのか。宮崎に来た当初はやっぱり南の方は違うもんやと感じた。妻が花を描くようになって、色んな花を用意したが、ハイビスカスもその一つである。その時は、まだ表紙絵とか雑誌の挿画とか個展の準備とかはなかったので、手製のカレンダーまで作ってくれた。何気に使ったあとは捨ててしまったのが多いのだが、今になって、惜しいことしたなあと思う。さっと大雑把に描くのだが、勢いがある。注文を受けるようになってからは、一枚にかなり時間をかけて、丁寧に、丁寧に仕上げているので、余計にその感が強い。

「小島けい2004年私製花カレンダー2004 Calendar」7月

「小島けい2005年私製花カレンダー2005 Calendar」8月

 カレンダーを作るようになってからも、ハイビスカスを使っている。赤い鮮やかな花は、映える。

「私の散歩道2013~犬・猫・ときどき馬そして鸚鵡~」

「私の散歩道2021~犬・猫・ときどき馬」8月

 ハイビスカスも息が長く、12月の半ばころまで花が咲く。一気に冬になりそうである。

秋立ちぬ 色とりどりに ハイビスカスが   我鬼子