つれづれに:ロイター(2024年4月24日)
つれづれに:ロイター
宮崎医大講義棟、3階右手厚生福利棟に研究室があった
英字新聞を購読したのは英語に慣れるためで、非常勤では出来なかったことの一つだった。えっ?研究室だけやなく、研究費もあり、その→「研究費」で雑誌や新聞が購読出来るんや、と初めて知った。当時は福岡か鹿児島支店の人が各研究室まで営業に来ていた。それで採算が取れていたということだろう。旅行会社の人も同じように定期的に回って来ていたし、必要な時は英語科の担当事務官の人に言えば、研究室まで来てくれた。統合して、そんな状態が他の学部では当たり前ではないと知ったが、医学部では事務員を雇う予算が配分されていて、その中に居る限り、そういうシステムで動くようになっていた。内科や外科のような大きな講座ではどこからか資金が出て、何人もの事務員が机を並べていた。
特に購読紙の希望はなかったが、何となくJapan Timesは嫌やなと思って、狭い選択肢の中でDaily Yomiuriを定期購読することにした。あれば、毎日目を通すものである。見る所は限られているが、その当時は、南アフリカの記事を読むことが多かった。ケニアやコンゴについても、日本の新聞よりは記事がたくさん載っていた。折角なので、しみったれた近鉄球団と喧嘩して単身西海岸に渡ってトルネード旋風を巻き起こした野茂英雄や、復帰して大活躍をしていたマイケル・ジョーダン(↓)の記事も読んだ。試合がある時は、→「衛星放送」で録画して繰り返し聞いていたから、文字でも確かめられて重宝した。英語の授業でも映像や記事を使うと、楽しそうに見る人も多く、概(おおむ)ね好評だった。小論文入試に初めて英文を使ったとき、野茂の記事を出したら、臨床や基礎の医者からは、スポーツ紙からねえと反対の声が大きかった。京大出の反骨精神の強い基礎系の教授は、いいねえ、おもしろいかもと言っていた。日本文だと信じて疑わなかった受験生は戸惑ったようである。試験で英文を見てあちゃー、と泣きそうでしたよと、授業の自己紹介で言った学生がいた。
医学科の女子学生で自分で取るのもお金がかかるので、たまさん貸してもらえませんかと言って英字新聞を持って帰る人もいた。赴任後すぐに、アメリカの大衆誌エボニー(↓)の定期購読を申し込んだ。大した記事は掲載されていないが、ブラックミュージックやスポーツの大きな写真を切り貼りして、授業の素材にするのに役に立った。南アフリカの週刊紙Weekly Mailも定期購読した。マンデラの釈放前後の詳しい情報や、エボラの特集記事や、アフリカ文学の書評などは、他では手に入らない貴重な資料だった。
新聞を読むようになって、ロイターという文字をよく目にするようになった。それまであまり気にかけたことはないが、調べてみる気になった。それで、読者を持たず新聞社に記事を売っている新聞社だと知った。考えれば自然な話で、世界各地のニュースを毎日届けるにはたくさんの特派員が必要で、そんな資金がない新聞社にとっては自分たちで網羅出来ない地域の記事を買える新聞社はありがたい。日本でも共同通信や時事通信があり、両社とも宮崎にも支局がある。
ロイターのウェブ検索の概要である。
ロイター(英語: Reuters)は、AP通信、フランス通信社とならび世界3大通信社の1つで、ロンドンに本社を置く通信社で、中立公正の報道姿勢が特徴である。2007年にカナダに本拠を置く大手情報サービス企業トムソンに買収されてトムソン・ロイターとなったが、金融情報・報道部門では引き続き「ロイター」ブランドが使用されている。名前は設立したユダヤ系ドイツ人ポール・ジュリアス・ロイター (Paul Julius Reuter) に因(ちな)む。
1995年の春にCNNニュースを録画した翌日のDaily Yomiuriで読んだ記事は、ロイター通信社の短い記事だった。
Weekly Mailのエボラ特集記事