<連絡事項>
*6回目授業→6月15日13:30~14:45。
<5回目の授業でやったこと>
① History of AIDS Discovery :(小金丸くん)→日本語訳
② Disrupting the Assembly Line(岩井くん)途中→日本語訳
<次回>は
① Disrupting the Assembly Line(岩井くん)の続き
HISTORY OF AIDS DISCOVERY エイズの発見の歴史
DAILY YOMIURI「デイリー・ヨミウリ」(1994.8.8)
It has been a little over 10 years since the word “AIDS" entered our vocabulary, reminding us that humans have not yet conquered the world of pestilence. Prior to the naming of AIDS, countless died with no knowledge of what had invaded their bodies.
「エイズ」という言葉が使われるようになって10年余りが過ぎましたが、人類は未だ、この疫病を征服できないままでいます。エイズという命名がなされる以前に、自分の体に何が侵入したかもわからないまま多くの人が死にました。
In the spring of 1981, a group of doctors in Los Angeles were struggling with the treatment of five patients suffering from the rare illness Pneumocystis carinii pneumonia (PCP), an infection of the lungs, as well as complex of symptoms of opportunistic infections, which do not normally occur in people with intact immune systems.
1981年の春、ロサンゼルスの医師のグループが5人の患者の治療に悪戦苦闘していました。その患者は、肺の感染症の一種で、免疫システムが問題ない人には通常起こり得ない日和見感染症の症状を示すニューモシスティスカリニ肺炎(PCP)に苦しんでいました。
All five patients had two things in common: they were all male homosexuals and showed the same symptoms as patients who are administered immuno-suppressive drugs to prevent rejection after undergoing organ transplants.
この5人の患者には2つの共通点がありました。 1つは患者が男性の同性愛者であることで、もう1つは、全員が臓器移植を受けた後拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤を投与された患者と同様の症状を示したことです。
The doctors reported on the cases in the June 5 issue of the Morbidity and Mortality Weekly Report published by the U.S. Center of Disease Control (CDC).
この医師達は米国疾病予防センター(CDC)が発行する Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR、「罹患率と死亡率」の週間報告)の6月5日号にそれらの症例を報告しました。
Similar reports followed immediately. A group of doctors in New York announced in an issue of the MMWR the following month that 20 patients in New York and six in California developed Kaposi sarcoma (KS), tumors on the lining of small blood vessels. The patients developed the tumors over a period of two and a half years from January 1979. The 26 men were all homosexuals. Another report said that another group of 10 more patients were suffering from PCP in California. They too were homosexual males.
その後すぐに同様の報告が相次ぎました。ニューヨークの医師のグループが翌月のMMWRで、ニューヨークの20人の患者とカリフォルニアの6人の患者について報告しました。それらの患者は毛細血管の上皮(内壁)に生じる腫瘍であるカポジ肉腫を発症していました。これは1979年1月から2年半の間に発症していました。更にこの26人の男性はすべて同性愛者でした。また、別の報告によれば、上の報告とは別のカリフォルニアの10人の患者がPCPを患っているということでした。これらの患者もすべて同性愛者の男性でした。
Alarmed by the situation, the CDC set up a special investigation team led by James Curren in 1981. This was the beginning of the first methodical study of the unknown disease. The team found out that it was a KS patient in New York in 1978 who first developed the symptoms. The team centered its epidemiological study on male homosexuals.
この状況に驚いて、CDCは1981年にジェイムズ・カレンが率いる特別調査チームを発足させました。これが、この未知の疾患に対する系統的研究の始まりでした。この調査チームは、1978年に最初にその症状を示したのはニューヨークのカポジ肉腫の患者だったということを突き止めました。そして、この疫学的研究の焦点を男性の同性愛者に絞りました。
The team discovered that the symptoms were caused by a drop in T-lymphocyte cells, which play the key role in the cellular immune system that protects a human body from invasion of pathogenic organisms.
この特別調査チームは、その症状がTリンパ球の減少によって引き起こされたことを発見しました。Tリンパ球は病原体の侵入から人の体を守る細胞免疫において重要な役割を演じています。
They concluded that the disease was transmitted through blood or semen. It was then that the disease was given the name “Acquired Immune Deficiency Syndrome.”
調査チームは最終的に、この疾患が血液あるいは精液によって感染するという結論を下しました。この疾患が「Aquired Immunodeficiency Syndrome」(後天性免疫不全症候群)と命名されたのはその時です。
Meanwhile, the type of patients was expanding significantly. In late 1981, a New York doctor reported that intravenous drug-users were also suffering from the same symptoms. Haitian immigrants were also added to the list.
一方、患者のタイプはかなり多様になってきていました。1981年末に、ニューヨークの医師が静脈注射による麻薬常用者が同様の症状を患っていることを報告しました。ハイチからの移民もまたそのリストに加えられました。
A total of 216 cases had been reported to the CDC as of July 1982: 84 percent were male homosexuals, 9 percent intravenous drug-users, 2 percent Haitian immigrants and 5 percent women. Of those, 88 had already died.
総計216人の症例が1982年の6月の時点でCDCに報告されていました。84%は男性の同性愛者で、9%が静脈注射による麻薬使用者、2%がハイチからの移民、5%が女性でした。その内、88人は既に亡くなっていました。
At about this time, infants and women who were spouses of AIDS patients began to contract the disease.
この頃、幼児とエイズ患者の配偶者の女性がこの疾患にかかり始めていました。
The full proof that AIDS was caused by a virus came in the spring 1983, when a group of researchers at the Pasteur Institut in France announced in the May 20 issue of the U.S. journal Science that they had discovered the AIDS virus.
エイズがあるウィルスによって引き起こされることが完全に証明されたのは、1983年の春のことです。この年、フランスのパスツール研究所の研究者グループがアメリカの雑誌の「サイエンス」5月20日号にエイズウィルスを発見していたことを発表しました。
Just one year later, two medical groups in the United States also announced that they had isolated the virus that caused AIDS from the blood of AIDS patients. The three viruses discovered separately were later confirmed to be the same, and are now generally called human immunodeficiency virus.
そのちょうど1年後、アメリカの2つの医学研究グループが、エイズ患者の血液からエイズを引き起こすウィルスを単離したと発表しました。この別々に発見されたウィルスは、後に同じものであることが確認され、現在、一般にヒト免疫不全ウィルス(HIV)と呼ばれています。
<補足> 出典:『最新医学大辞典 第2版』(医歯薬出版株式会社、1996年)
日和見感染 Opportunistic infection
免疫抵抗力が弱まるような基礎疾患(悪性腫瘍、糖尿病、ネフローゼなどの腎不全、免疫不全など)をもった患者、未熟児、高齢者や免疫抑制剤投与患者、外科手術後の患者などは、感染症にたいする感受性が極めて高く、普通の健常人には感染症を引き起こさないような病原性の極めて弱い弱毒菌や非病原菌といわれていた平素無害菌によっても感染症を起こすことが知られてきた。このようなKochの条件を満たさない感染症をいう。近年、この種の感染症が急増している。
コッホの条件 Koch law(コッホの要請:Koch postulate)
Robert K (1843-1910、細菌、衛生、独)。ある微生物をある特定の感染症の病原体と認定するための条件で、 Koch が結核の病原体として結核菌を発見したときの証明方法を法則化した3ヶ条に、免疫、血清学的知見を加えた4ヶ条をいう。即ち、
(1) その微生物がいつもその疾患の病変部から証明されること。
(2) しかも、その微生物はその疾患に限って証明されなければならにこと。
(3) 病変部から取り出したその微生物の純培養を継代培養し、感受性のある動物に摂取したとき、元と同じ疾患が再現されること。
(4) 感染したヒトや動物の体内には病原体に対する特異抗体が検出されうること。
である。ただし、近年急増してきた日和見感染症の病原体は、Koch の条件を満たさない。
ニューモシスチスカリニ Pneumocystis carinii((カリニ肺胞嚢虫))
分類上、位置不明な原虫である。肺胞のⅠ型上皮細胞上で増殖する増殖型と、最高8個の嚢子内小体を含むシスト(嚢子)との2型がある。宿主が免疫不全の状態になると、重篤なニューモシスチスカリニ肺炎を起こし(日和見感染)、スルファメトキサゾール、トリメトプリム合剤(コトリモキサゾール)などの適切な治療が行われなければ死の転帰をとる。
[ニューモシスチス]カリニ肺炎 Pneumocystis carinii Pneumonia
Pneumocystis cariniiによる肺炎。Pneumocystis cariniiは原虫に属すると考えられているが、培養法も血清診断も確立されていない。最初は、未熟児の間質性肺炎(間質性形質細胞肺炎 interstitial plasma cell pneumonia。 ニューモシスチス症:pneumocystosis)として認識されたが、注目されだしたのはステロイドなどの免疫抑制剤を使用した血液疾患や悪性腫瘍の患者にしばしば日和見感染として重篤な肺炎をおこすからである。間質性肺炎の像をとり、胞隔に浮腫、上皮細胞の増殖、壊死、リンパ球や形質細胞の浸潤がみられる。肺胞腔は拡大し、滲出液に混ざって、卵円形、円形、半月状などの様々な形態をしめす。1.5~3 μmの嚢子がみられる。嚢子はエオジン好性であるが、PAS 染色やメテナミン銀染色をすれば、明瞭となる。症状は、乾咳、呼吸困難、チアノーゼなどでゆっくり発症し、発熱、胸痛は少ない。胸部X線所見は末梢の粒状・網状影で始まり、全肺野に網状影を主とした多彩な陰影となる。治療は、スルファトメトキサゾール、トリメトプリム合剤(コトリモキサゾール)が有効である。白血病の化学療法中には、本症が頻発することで、予防投与が必要である。エイズにおいても、頻発することが知られている。
カポジ肉腫 Kaposi sarcoma (( [特発性] 多発 [性] 出血性肉腫: [idiopathic] multiple hemorrhagic sarcoma))
Moritz Kohn K。(1837-1902 皮膚、オーストリア)。血管内皮細胞由来の稀な腫瘍。皮膚に暗赤色の腫瘍が多発する。中高年の男性に好発し、下肢に浮腫を伴って生ずるのが典型的である経過は急性のものから、20年近くにおよぶものまで、様々である。皮膚以外にリンパ節、消化管、骨などにも生ずることがある。アフリカ(特に赤道付近)、東ヨーロッパに多い。本邦での報告例は90例ちかくあるが、大部分は診断に疑問があり、確かな例は10~20例に過ぎない。原因として、アフリカの症例ではサイトメガロウィルスに対する抗体価が高く、腫瘍細胞内にサイトメガロウィルス抗原が見出されることから、同ウィルスが発症になんらかの役割をはたすのではないかと注目されている。また最近では、エイズ患者に高率でKaposi 肉腫の発生が報告されている。サイトメガロウィルスは後天的感染で一般に不顕性感染である。ヘルペスウィルス群に属する。
“Targeting a Deadly Scrap of Genetic Code”「生命の危機にかかわる遺伝情報の断片を標的にすること」(以下の原文から引用)
“New therapies can stall HIV’s assault on the body, but the virus is notorious for overcoming obstacles”
「新しい治療法はヒト免疫不全ウィルスの人体への攻撃を何とかかわせる可能性はありますが、そのウィルスは障壁を乗り越えるために悪評が高いのです」
Newsweek (December 9, 1996) BY GEOFFREY COWLEY
ジョフリー・カウリー箸、「ニューズウィーク」誌一九百九十六年十二月九日号
Disrupting the Assembly Line 流れ作業の工程を遮断すること
HIV survives by invading white blood cells and turning them into virus factories. The process involves several steps, and each offers a potential target for therapy. This shows how HIV does its work, and how antiviral drugs do theirs.
ヒト免疫不全ウィルスは、白血球の中に侵入し、白血球をウィルス製造の工場に変えてしまうことによって生き延びます。その過程は数段階あり、それぞれが治療の標的になり得ます。以下はどのようにヒト免疫不全ウィルスが作用し、如何に抗HIV製剤が効果を表わすかを示しています。
1 HIV attaches to receptors on a host cell, releasing its genetic material as RNA.
ヒト免疫不全ウィルスは、宿主細胞のレセプター(受容体)に付着し、リボ核酸(RNA)として遺伝子物質を放出します。
2 An enzyme called reverse transcriptase (RT) converts the viral RNA into DNA, Drugs called RT inhibitors can interrupt this process.
逆転写(RT)酵素と呼ばれる酵素がウィルスのリボ核酸(RNA)をデオキシリボ核酸(DNA)に変えます。逆転写(RT)酵素阻害剤と呼ばれる製剤がこの過程を阻害することが出来ます。
3 An enzyme called integrase splices the viral DNA into the host cell’s chromosomes. Scientists hope to develop a new class of drugs called integrase inhibitors, which will add another obstacle.
インテグラーゼと呼ばれる酵素が宿主細胞の染色体にウィルスのデオキシリボ核酸(DNA)を組み込みます。インテグラーゼ阻害剤という新しい種類の製剤を開発し、それがウィルスを防ぐ新たな障壁になればと期待を寄せています。
4 The infected cell produces new viral RNA, which generates proteins and other virus constituents.
感染した細胞は新しいウィルスのリボ核酸(RNA)作り、それが蛋白質とほかの構成要素を産生します。
5 The protease enzyme cuts the viral proteins into shorter pieces. Protease inhibitors foil replication by neutralizing the enzyme. They’re even more effective when combined with RT inhibitors.
プロテアーゼ酵素がウィルスの蛋白質をより短かい断片に切断します。プロテアーゼ阻害剤が酵素を中和させることによって、ウィルスが複製出来ないようにしてしまいます。プロテアーゼ阻害剤は逆転写(RT)酵素阻害剤を併用すればより効果的です。
6 The newly milled proteins fold together to form new HIV capsules.
新しく作られた蛋白質は組み合わさって新しいヒト免疫不全ウィルスを形成します。
7 Completed HIV capsules bud away to infect other cells.
完全な形のヒト免疫不全ウィルスが出芽して、また新たに他の細胞に感染します。
クラス名簿(再掲載)2020年前期 ビジネス英語I-1 (2) クラス名簿(34名)
30190034 | 足達 陽向 | アダチ ヒナタ |
30190070 | 安藤 由貴 | アンドウ ヨシキ |
30190083 | 家城 真志 | イエキ マサシ |
30190098 | 市谷 奈菜 | イチタニ ナナ |
30190133 | 岩井 駿空 | イワイ シュンスケ |
30190197 | 奥村 直也 | オクムラ ナオヤ |
30190225 | 甲斐 彩香 | カイ サヤカ |
30190249 | 香川 百萌子 | カガワ モモコ |
30190263 | 河口 暁 | カワグチ アキラ |
30190274 | 河野 紘進 | カワノ コウシン |
30190287 | 河野 多恵 | カワノ タエ |
30190292 | 河野 舞香 | カワノ マイカ |
30190313 | 喜多 あやめ | キタ アヤメ |
30190359 | 小出 響 | コイデ キヨウ |
30190366 | 小金丸 拓哉 | コガネマル タクヤ |
30190405 | 小林 里雄人 | コバヤシ リユウト |
30190414 | 小松 晃大 | コマツ アキヒロ |
30190429 | 佐伯 直樹 | サエキ ナオキ |
30190432 | 迫 優花 | サコ ユウカ |
30190443 | 迫田 信慈 | サコダ シンジ |
30190478 | 里中 優太 | サトナカ ユウタ |
30190496 | 清水 優成 | シミズ ユウセイ |
30190539 | 田中 碧 | タナカ アオイ |
30190557 | 塚元 健太 | ツカモト ケンタ |
30190588 | 徳留 未来 | トクドメ ミライ |
30190609 | 中川 大夢 | ナカガワ ヒロム |
30190661 | 中平 悠稀 | ナカヒラ ユキ |
30190719 | 羽田野 夢華 | ハタノ ユメカ |
30190755 | 林 聡一 | ハヤシ ソウイチ |
30190762 | 原口 智衣 | ハラグチ チエ |
30190786 | 春山 大輔 | ハルヤマ ダイスケ |
30190803 | 藤野 百香 | フジノ モモカ |
30190841 | 松原 光弥 | マツバラ コウヤ |
30190946 | 與那嶺 明里 | ヨナミネ アカリ |