つれづれに:キャンパスライフ2(2022年6月15日)
HP→「ノアと三太」にも載せてあります。
つれづれに:キャンパスライフ2
今年の九州南部の梅雨入りは平年よりずいぶんと遅い。毎日季節を肌で感じながら生きるのは、なかなか難しい。それだけ雑事に追われているということか。小満の時期もとっくに終わり、芒種(ぼうしゅ)が6月6日から始まっていることにも気づけずじまいだった。あと1週間もすれば、夏至が始まる。 芒種は、稲や麦など穂の出る植物の種を蒔く頃のことらしい。宮崎の場合は超早場米なので、3月に田植えが終わり、今はすでに稲の緑の若葉が瑞々しい(↑)。先週の金曜日に白浜にでかけるときに、風にそよぐ若葉が瑞々しいと感じた。瑞々を水水と書いてもいいくらいだった。季節の勢いである。
2度目のキャンパスライフ(↑)だった。1度目は行くところがなく、すべてを諦めた末に(→「諦めの形」、3月26日)、2度目は先のあてもなく大学の職を求めて、である。それでも1度目は、気持ちが萎えていたお陰で入学式に行き、全共闘のマイクのがなり声を聞き、すぐあとにはクラス討議、学舎封鎖に機動隊による強制撤去(↓)と思わず貴重な体験(→「大学入学」、3月27日)をした。2度目は推薦書で怒鳴られ、入学試験で罵声を浴びせられ、もみくちゃにされて(→「大学院入試2」、6月10日)。歴史の生き証人みたいで、スリルは充分に堪能はしたが、あれだけ罵声を浴びると、なんだか裏口入学しているような気分になった。「後ろめたい」ので2度目は入学式には行かなかった。(→「院生初日」、6月12日)いずれにしても、希望に燃えて胸を躍らせながら、とは程遠いキャンパスライフである。今回は修士論文を書いて修士号を取ると目的がはっきりしている。時間は短かい。明石からは国鉄とバスをつかっても山の中まで2時間はゆうにかかる。
目下の第一目標は出来るだけ大学に行かない、である。3学期制のようで、1学期に単位を取れば2学期からは週に一度のゼミの日だけで済むようだった。幸い、在職のまま再養成をして元のところに戻すというのが双方の暗黙の諒解のようだから、単位は取りこぼさなくて済みそう。ただ1回目と違って、四分の三以上の出席が必須のようだ。教育系らしい。四分の一は出ないとして、制約の中で工夫するしかない。一般教養の何コマかが必須である。1度目は何も期待してなかったわりには、専門の「英作文」(4月2日)や「一般教養」(4月8日)でも少しは楽しめたし、「ロシア語」(4月5日)ではスリルも味わえたが、2度目はまったく楽しめなかった。4分の3を消化しただけだった。キャンパス(↓)にいる時間が短かったせいか、学生食堂にも図書館にも行かずじまいである。どちらにも顔を出さなかった唯一の「学生」だったかも知れない。教育系なので記録は更新されていないはずである。
昼休みのあとの一般教養の時間は一番後ろの席に座り、終了時間の二十分程前にそっと抜けた。バスに乗るためだった。駅までのバスも山の中の列車も一日に数えるほどで、その列車を逃すと明石(↑)に帰るのが夕方過ぎになる。家事も子供の世話も妻に任せる時間が多かったお詫びに、出来る限り家事も子供との時間も取りたかった。
次は、明石、か。