つれづれに:葛(2023年9月21日)

2023年9月22日つれづれに

つれづれに:葛(くず)

小島けい画

 昨日、木花神社(↓)の境内でほんのり甘酸っぱい香りが漂っていた。葛(くず)である。最近は新規に出来た農産物の販売店での買い物を兼ねて歩いている。行き帰りに回り道すれば1時間程度の距離で、時間的にはちょうどいい塩梅(あんばい)である。

 「長距離の自転車は鼠径(そけい)部の血流を圧迫しているかも知れませんね」と言われて以来、電動自転車を立ちこぎしているせいか、太腿(ふともも)の筋肉が衰える一方である。そこで、せめて散歩で利用する高台への147段と木花神社の99段(↓)の階段を利用しない手はないと考えて、少し実行している。若い頃の勢いだと遣り過ぎるのは目に見えているので、抑え気味ではあるが。

葛は秋の七草の一つに入っている。妻は宮崎に来てから本格的に絵を描き出したが、それまで描いていた油絵から水彩に切り替えた。油絵は上から塗り潰せるがその分体力が要る。京都に二人で日本画を観に行ったが、精密でこちらも体力が要りそうだったので、水彩に決めた。一発勝負で、描き替えがきかない。

最初は借りた家の近くにあった市民の森に自転車ででかけて、毎日花菖蒲を描いていた。ほかにもいろんな花を描いた。絵の材料を集めるのは私の役目で、葛もよく採ってきた。その頃は、線を引き、ちゃちゃと絵を描いて、毎月私専用のカレンダー(↓)を作ってくれた。その時は使ったあとは何気なく捨てていたが、たまたま残している分もあった。今になっては「折角の絵、勿体ないことしたなあ‥‥」とつくずくと思う。まさかパソコンを使い、ブログまで更新することになるとは夢にも思わなかった。後の祭りである。注文してくれる人に気遣いなしに描いた絵は、粗いが好き勝手で勢いがある。

 葛はしかし、蔓(つる)植物、他の樹には厄介者である。まわりの木々を蔓で覆(おお)ってしまう程の生命力があり、ひと夏で10mぐらい生長するらしい。散歩の途中で見つけた小振りの藪椿を手折って持ち帰り、妻の絵とカレンダーや本の表紙絵にもなった。その椿の樹が蔓にやられて、この惨状(↓)だった。たぶん隣の人が思い余って、下草だけ払っていたが、夏になると元の木阿弥(もくあみ)である。

 椿の絵のカレンダーと表紙絵である。

2009年度のカレンダー→「私の散歩道2009」の表紙絵の元の絵

「小島けい2004年私製花カレンダー2004 Calendar」1月

「2011年花カレンダー」(長崎の企業が採用)

『さざん・くろーす 広野安人戯曲集』(1996/5/22)

 葛もカレンダーにもなり、妻はエセイ「私の絵画館」でも、通っている牧場にいた2頭の馬に添えて描いた絵の解説を書いている。→「ピノキオとマックスと葛」(小島けい「私の絵画館」55、2014年8月31日)

 9月も20日を過ぎているが、いまだに日中は34度ほど、夜になっても23度程度の日が続いている。とても日中に畑作業は出来ないが、夕暮れ時に何とか少しずつ畝(うね)を拵(こしらえ)ている。大根と秋用の胡瓜(きゅうり)は少し大きくなった。しかしまだ、畝第1号は全部完成していない。しばらく葛の季節が続く。予報によれば、十月の初旬までこの状態が続くそうである。金木犀はどうなるんやろ?

小島けい画