歩くコース2の④(2021年9月9日)

つれづれに

歩くコース2の④

重陽の節句である。

木花神社の中を通る「歩くコース2の③」(8月22日)の続きである。境内の残りの写真を紹介しながら少し書こうと思う。

前回紹介した市指定有形文化財の掲示があり。阿弥陀如来立像について詳しく書かれている。

法満寺(明治5年廃寺)については「最盛期である飫肥藩主の崇高熱き大伽藍であったことが窺われ、この阿弥陀如来像もこの寺にまつるにすさわしいものであったといえます。」とあり、近くに石像や石塔がまとめて並べられている。

また日清、日露から第二次大戦までの戦没者の慰霊が祀られている。徴兵されて異国で死んでいった人たちの供養のために建てられたようである。石碑には陸軍や海軍の文字が見える。

同じように戦没者を祀る靖国神社が問題にされるのは、民意を無視して暴走し、挙句は第二次世界大戦まで突っ走ってたくさんの人たちを戦死させてしまった指導者たちーA級戦犯の慰霊もいっしょに祀られているからである。今はコロナ騒動の渦中で、暴走した当時の大日本帝国陸軍と、大多数の反対する人たちを無視してオリンピックを強行開催した安部、管内閣を並べて語る人もいる。いい機会なので歴史の見方などについては、改めて書こうと思う。関連しそうなので、ケニアの続きもその時に。

戦没者慰霊碑

コロナとオリンピックをめぐる状況は、貴重な歴史体験のような気もする。靖国神社に参拝に出かける人たちは、侵略戦争ではなかった、1937年の南京大虐殺もなかったと主張する。しかし、佐々木譲さんが書き上げた小説を基に映画化された「エトロフ遙かなり」の中の、中国人の恋人を殺されたアメリカ人スレンセンさんの言葉や、強制連行されて北九州の炭鉱で無理やり働かされたキム(映画では金森)さんが叫ぶ声に耳を傾けるといい。

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「エトロフ遙かなり」

『エトロフ遥かなり』は1993年にNHKで放映された。佐々木譲の第二次大戦三部作(ベルリン飛行指令、1988年、エトロフ発緊急電、1989年、ストックホルムの密使、1994年)の一つ『エトロフ発緊急電』がドラマ化されたものでである。
第二次世界大戦前夜、日本海軍の動向を探るため、憲兵に追われながらも単身日本に潜入した日系アメリカ人スパイ、スパイと恋に落ちる女性など、戦争に翻弄される人々の過酷な運命を描いている。
主人公ケニー斉藤(斉藤賢一郎)。日系アメリカ人スパイ。少年時代に弁護士を目指すも、日系人扱いを受けて断念。船員などを経た後、スペイン義勇軍に参加するも夢破れて帰国して雇われ暗殺者に。ある暗殺遂行時にアメリカ海軍情報局に拘束された後、日本国内のスパイ活動を強制される。サンディエゴにてスパイ教育を受け、ハワイでの最初の任務をクリアした後、マニラ経由で日本に潜入する。入国地横浜で韓国人金森と出会い、協力者の米国人神父スレンセンの手引きにより、スパイ活動に従事、やがて憲兵隊に追われ、金森を失う。スレンセンの教会に匿われた後、真珠湾奇襲の真偽の確認と出航時期探索の為にエトロフ島に向かう。辿り着いた島で、駅逓の女主人岡谷ゆきと出会う。

金森(金東仁)。朝鮮人で、アメリカ側スパイ。日本統治下の強制労働で強烈な反日感情を抱き、日本国内でスパイ活動に従事するようになる。日本に潜入したケニーと共に東京でスパイ活動を行うが、情報授受の場を発見されて憲兵隊に追われるようにる。ケニーを逃がし、自らは射殺される。
ロバート・スレンセン。アメリカ人宣教師でスパイ。南京に赴任中、最愛の女性美蘭(中国人女子学生)を日本陸軍に惨殺され、反日スパイ活動の仲介者となる。特命を帯びて日本に潜入したケニーに対して、任務の仲介、必要機材の提供などを行う。金森射殺後に逃げ込んだケニーをしばらく匿い、新たな任務に送り出した後、憲兵隊に踏み込まれ、その場で拳銃自殺を遂げる。

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歴史をいかに見るかは難しい問題である。コロナ騒動、第二次世界大戦、ケニアなども絡めて書きたいと思っているが、書き切れるかどうか。

先ずは次回、歩くコース2を終わらせるとしよう。

200枚足らずの原稿の清書だが、やっと80ページまで。パソコンに慣れてしまっているが、以前は原稿用紙に手書きで書いていた。原点に戻るということか。しかし、効率の点から言えば、01の世界にまず適うことはない。