つれづれに:春の花5(2022年9月3日)

つれづれに

HP→「ノアと三太」にも載せてあります。

つれづれに:春の花5

 「ほぼ初めての春の花」「春の花2」「春の花3」「春の花4」に続き、春の花5で、芍薬(しゃくやく)と牡丹(ぼたん)とアネモネである。

 立てば芍薬座れば牡丹 歩く姿は百合の花

 と言われてきただけあって、その花もどちらかというと清楚で、豪華である。元々落語家やはなしかが女の人の容姿を言うのに使ったらしい。つい口に出るくらいだから、七七七五のリズムがよくていろいろな所で使われてきたということか。装画に言われたわけではなかったが、花屋の店先で見つけて鉢植えを買って書いてもらった。カレンダー(↑)にも入っている。百合はお盆の前後に、道端や線路脇や土手など、あちらこちらで咲いている。

 牡丹はやっぱり豪華である。こちらの家に引っ越してきてから神宮の植木市で3本買って植えていたので、毎年豪華な花(↓)が咲いていた。三本とも枯れてしまったので、去年の三月にまた植木市にでかけて、二本買って来た。木陰に植えて下さいと教えてもらった。南側の一番陽の当たる場所に植えていた。知らぬが仏である。カレンダー(↓)にも残っている。

小島けい「私の散歩道2010~犬・猫・ときどき馬」5月(企業採用分)

 見事な華を切って部屋に運び、その日のうちに妻が仕上げてカレンダーの原画になった。実際の華を真近かに見ながら描いただけのことはある。絵に勢いがある。額に入れても、なかなかである。一枚は今手元にはない。寺に牡丹がたくさん咲くので牡丹寺になるように、絵を分けてもらえませんかと言って下さる方がいて送ったからである。

「私の散歩道2010~犬・猫・ときどき馬」5月

 高校の教員の時に出会った人(→「ホームルーム2」、→「修学旅行」)から「親父が牡丹の絵をわけて欲しいと言ってます」と言われた。実家が香川のお寺だそうで、お兄さんが住職をしているらしく、その寺に飾りたいとのことだった。有難い話である。丁寧に包装して絵(↓)を届けた。

 「親父が家庭訪問に来て欲しいと言ってますけど‥‥」と言われて会いに行ったのがその人との最初である。何を話したのかは覚えていないが、いまだに年賀状が届き、私もカレンダーを送り続けている。仲人を頼まれた。「すべての社会の規範をもう一度取捨選択して取り込み直そう」(→「諦めの形」)と心に決めて、出来る限り入学式(→「大学入学」、→「院生初日」)、卒業式、結婚式、葬式など、式の類は避けていたので断りたかったが、父断り切れなかった。本人からは「上司二人のうち一方に頼むと角が立つので、髭だけ来てくれたらいいから。たまさん、お願い!」と言われて妻といっしょに出かけた。披露宴では「髭だけ来ました」とだけ挨拶をした。寺に飾ってもらっているのは奇跡である。

 寺に参詣に来たたくさんの人(↓)に絵のカードに作者紹介を書いて配って下さったそうである。二十代に出会って以来続く、有り難い、有り難い縁である。

寺に集まった檀家の人たち

 次は、春の花6、か。