つれづれに:柿干せど(2024年10月22日)
つれづれに:柿干せど
久し振りの晴れ間である。朝から、渋柿を干し直す作業をした。1時間ほどかかった。何ともうらめしい雨である。一日半の晴れマークを見て取り敢えず49個の渋柿を干してはみたが、陽が出てこないので、剥(む)いた柿が枝から落ちてしまうのである。英語で干し柿はsun-baked persimmonというらしい。普段見かける干し柿と同じなのかどうかは知らないが、最初に英語訳を見た時は、へえー、うまいこというもんや、と感心した。しかし、肝心のsunが顔をだしてくれないので、今回はbakedにならないわけである。雨の時は家の中に取り込んでいるが、次々と落ちて、残ったのは19個だけである。水分と甘味を黴(かび)が見逃すわけがない。今朝はやっと少し晴れ間が出たので、きれいに洗って湯煎をして外に吊(つ)るした。明日からまた雨マークが続くようだから、干し柿にはならない可能性が高い。ながいこと干し柿をつくっているが、初めての事態になす術がない、というのが正直なところである。
この先もまとまって晴れるかどうかわからないので、樹に色づいている150~200個の柿は、熟して枝から落ちてしまうだろう。数が多いので、集めて土に戻して肥料にするしかない。そのままにしておけば、こま蠅の群がって隣から苦情が出そうだから。1個でも結構な数のこま蠅が群がるのだから、100個以上ともなるとこま蠅も相当な数になるだろう。
干し柿については今までに何回となくブログに書いた。使った写真はブログ内に残っているので、普段の作業を再現してみるか?今年もそうだが、春先に小さな白い花が咲き、うまくいけば花が終わると実をつける。緑色の小さな実で、少しずつ大きくなっていく。強い風で落ちる実もあるし、なぜか落ちてしまう実もある。台風でだいぶ落ちそうだが、実際は台風の時期には思うほど落ちていない。たぶん、その時期には枝と実の繋(つなぎ)目がしっかりしているからだろう。それほど大きくもなく熟してもいないので、重さで落ちることが少ないこともある。
去年はひとつも実がつかなかった。その前の年は500個以上も実が生った。たくさん生って、重さで地面につくほどの枝もあった。今年もその枝にたくさん実をつけていたが、重さに耐えかねて折れてしまった。20個以上は生っていた感じだ。生り年は隔年である。たくさん実をつけた翌年(よくとし)は、ほとんど実がならない。一昨年は300個くらいまでは作業をしたが、体調を崩してしまった。1週間ほどかかる重労働に、年齢が追いつかなかったのだろう。せっかくなので、柿顛末記(12月7日~31日)を書いた。(→「かき顛末記」、→「かき顛末記②過去の『つれづれに』」、→「かき顛末記③西条柿」、→「2022顛末記」)
柿干せど 献上ままならぬ 雨、雨が降る 我鬼子
小島けい画